BitTitanおよびMigrationWizでは、3つの主要な移行戦略(ビッグバン(Big Bang)、前段階(Pre-Stage)、クイックスイッチ(Quick-Switch))をサポートしています。各戦略は、ワークロード、移行サイズ、移行の実行期間に応じて、特定の移行シナリオに適用されます。移行のワークロード、移行サイズ、その他の要因に応じて、3つの戦略のうちのいずれかを選択します。
移行元にあるデータが削除されたり、変更されたりすることはありません。 移行プロセスは、コピープロセスに似ています(移動プロセスではありません)。移行元の未読のアイテムが、既読としてマークされることもありません。
弊社では、スロットリング、帯域幅、移行元と移行先の互換性をテストするために、「トライアル移行(Trial Migration)」の実行を推奨しています。
差分移行
差分移行では、 メールボックスを再移行することにより、差分移行サイクルを行います。MigrationWizは、まだ移行されていないデータを自動的に検索し、そのデータのみを移行します。つまり、差分サイクルでは、未処理のデータが検出され、移行されます。多くの場合、差分サイクルは、最初のサイクルよりも短い時間で完了します。
差分移行では、最初の移行の実行後、続けてバックグラウンドサイクルを実行します。たとえば、移行するデータが多く、帯域幅制限があり、ユーザーをできるだけ早く新しいメールシステムに切り替える必要がある場合に、差分移行を実行します。最初のサイクルで直近の180日間のデータのみを移行し、ユーザーを新しいシステムに切り替えます。その後、別のサイクルで残りのデータをバックグラウンドで移行します。
差分移行では、データの「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を実行することにより、移行の完了に厳格な期限がある場合に、リスクを最小限に抑えることができます。
移行の実行中も、移行元のメールシステムは、新しいメールを受信することができます。また、DNSレプリケーションの遅延により、MXレコードを切り替えた後も、移行元のメールシステムは、新しいメールをしばらくの間は受信し続けることができます。差分移行は、未処理のデータを移行するのに最適な方法です。
差分サイクルは、以前に(ウォーターマークを使用して)移行されたアイテムと、差分サイクルで移行する必要がある残りのアイテムを判別するために、すべてのアイテムの日付を取得します。
したがって、データの95%が以前のサイクルで移行されていても、差分サイクルでは、残りのアイテムを移行する前に、完全な日付取得プロセスを実行する必要があります。完了までの時間は、以前のサイクルよりも大幅に短くなりますが、日付の取得プロセスの時間は、単純に移行するアイテムの数に基づくため、予想よりも長くなる可能性があります。
また、メールボックスに非常に多くのアイテム(たとえば1万を超えるアイテム)を含むフォルダーがある場合、概要日付の取得に要する時間が増え、差分サイクルの完了までの時間が長くなります。
MigrationWizでは、差分サイクル中の移行速度が、非常に低く記録されることがあります。これは、全移行時間(日付の取得に費やした時間も含みます)中に移行されたデータの量を用いて、速度が記録されるためです。
シナリオ例
- 1つのメールボックスに100万のアイテムがあります。
- 前回の移行サイクルの後、新しいアイテムは5つだけで、データ量の合計は1MBです。
- 「詳細オプション(Advanced Options)」の日付フィルターは、過去3日間のデータのみを移行するように構成されています。
記録された速度
日付の取得に要した時間に、5つの新しいアイテムの移行に要した時間を加え、その合計と移行されたデータの量から、計算が行われます。概要日付の取得に59分かかり、5つのアイテム(データ量1MB)の移行に1分かかった場合、記録される速度は、毎時1MBになります。
このため、移行するアイテムが非常に少ない差分サイクルでは、毎時0.25MBなど、非常に低いパフォーマンス数値が記録されることがよくあります。
スロットリング、帯域幅、容量、その他の理由により、移行のパフォーマンスが低い場合は、次のように移行を計画します。
- すべてのカレンダー、連絡先、タスクを移行します。
- 直近X日間のメールを移行します。
- ユーザーを新しいシステムに切り替えます。
- 残りのデータをバックグラウンドで移行します。
トライアル移行(Trial Migration)
「トライアル移行(Trial Migration)」では、少量のデータを移行することで、プロジェクトの作成と構成が適切かどうか、ユーザーがプロジェクトに正しく追加されているかどうかをテストします。「トライアル移行(Trial Migration)」は、無料で何度でも実行することができます。有料のライセンスを使用して、単一のメールボックスの移行を実行することもできます。本プロセスの手順は、以下の通りです。
「トライアル移行(Trial Migration)」では、以下の処理を行います。
- 移行元と移行先の両方で、「資格情報の検証(Verify Credentials)」を行います。
- 移行元で定義された内容に基づき、移行先でフォルダー階層全体を作成します。
- フォルダーごとに最大10アイテム、合計5MBまでのデータを移行します。
重要: パブリックフォルダーの「トライアル移行(Trial Migration)」では、現在のフォルダーのみがスキャンされ、サブフォルダーはスキャンされません。 データは移行されず、エラーメッセージも表示されません。 パブリックフォルダーの「トライアル移行(Trial Migration)」では、接続エラーが発生しない限り、「完了(Completed)」ステータスが表示されます。
「トライアル移行(Trial Migration)」を実行するには、次の手順に従います。
- MigrationWizアカウントにサインインします。
- 該当する移行プロジェクトをクリックします。プロジェクトを作成していない場合は、以下の手順に従ってプロジェクトを作成し、ユーザーをプロジェクトに追加します。
- 「トライアル移行(Trial Migration)」を実行するユーザーを選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
- ドロップダウンリストから、「トライアル移行(Trial Migration)」を選択します。
- 「トライアル移行を開始」をクリックします。
プロジェクトを作成する
以下は、プロジェクト作成の大まかな手順です。これまでにプロジェクトを作成したことがない場合は、エンドポイントを作成する必要があります。プロジェクトの種類については、MigrationWizプロジェクトを参照してください。
- MigrationWizで、「マイ・プロジェクトへ」ボタンをクリックします。
- 「プロジェクトを作成(Create Project)」ボタンをクリックします。
- 作成するプロジェクトタイプをクリックします。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「プロジェクト名(Project Name)」を入力し、「顧客(Customer)」を選択します。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、移行元エンドポイントを選択するか、次の手順に従って、新しいエンドポイントを作成します。
- 「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、移行先エンドポイントを選択するか、次の手順に従って、新しいエンドポイントを作成します。
- 「保存して概要へ移動」をクリックします。
エンドポイントを作成する
MigrationWizのエンドポイントは、ルートマップの一種です。移行元エンドポイントは移行元の環境、移行先エンドポイントは移行先の環境を示しています。通常、資格情報の他に、SharePoint URLやDropbox認証など、他のアクセス情報が求められます。具体的な手順については、該当する移行ガイドを参照してください。
MigrationWizで新しいエンドポイントを作成する方法
- 「エンドポイント(Endpoints)」をクリックします。
- 「新しく追加(Add New)」 をクリックします。
- 移行元と移行先の環境に応じて、要求された資格情報または権限、および次の情報を入力します。
- エンドポイント名(Endpoint Name): 任意の名前を入力してください。
- エンドポイントタイプ(Endpoint Type): 「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」ドロップダウンリストから、お客様の環境を選択します。
- 要求された資格情報またはアクセス情報を入力します。
- 「追加(Add)」をクリックします。
移行元と移行先の両テナントで、本プロセスを完全に完了する必要があります。
メールボックス全体の「トライアル移行(Trial Migration)」を実行する
メールボックス全体の「トライアル移行(Trial Migration)」を実行する前に、単一のメールボックス移行ライセンスを購入して、お客様自身のメールボックスの移行を試すことをお勧めします。弊社では、ライセンスの最低購入数の要件は設けておらず、クレジットカードで1つのライセンスを即座に購入することができます。ライセンスの購入と適用については、MigrationWizのライセンスおよびライセンス付与を参照してください。
本プロセスでは、お客様の移行元および移行先の環境に対応する移行ガイドを参照することをお勧めします。
ドキュメント移行
ビッグバン(Big Bang)移行
小規模なドキュメント移行プロジェクトでは、多くの場合、ビッグバン(Big Bang)移行戦略が推奨されます。多くのドキュメントやデータを持つ多数のユーザーを短時間で移行できるため、GoogleドライブからMicrosoft OneDriveへの移行など、高帯域幅の移行シナリオにも推奨されます。
移行が特定の日時に行われる予定であること、および、移行中はドキュメントに変更を加えないことを、ユーザーに通知します。ビッグバン(Big Bang)移行を実行し、日付フィルターを使用せずに、すべてのドキュメントを移行します。プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、移行が正常に完了した時に、ユーザーにメールを自動的に送信するように選択することができます。 移行中、ユーザーが自分のファイルにアクセスできないわけではないので、注意が必要です。 ユーザーは、ファイルにアクセスして更新することができますが、変更内容が失われるのを防ぐために、更新作業を控える必要があります。
通知メールの内容は、「詳細オプション(Advanced Options)」の「「通知」メールをカスタマイズする(Customize the "notification" email)」セクションで、テキストを編集することにより、変更することができます。
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行 - ファイルサーバー
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行戦略は、ファイルサーバーの移行、およびその他の移行タイプ(一般的に移行速度が遅いため、残りのドキュメントを移行する前に、ユーザーが最新のドキュメントにすぐにアクセスする必要がある移行)に適したソリューションです。 この移行計画のサンプルを、以下に示します。
- 「詳細オプション(Advanced Options)」で、最終更新日が3か月前(または任意の日付)より新しいドキュメントのみを移行するように、日付フィルターを設定します。
- 最初の「完全移行(Full Migration)」サイクルを実行します。 これにより、最新のファイルが移行先に移行され、ユーザーは、すぐにファイルの使用を開始することができます。
- プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、元の日付フィルターを削除し、新しい日付フィルターを追加します。この新しい日付フィルターは、3か月前(または任意の日付)より古いアイテムのみを移行するように設定する必要があります。
- 2番目の「完全移行(Full Migration)」サイクルを実行します。これにより、最初のサイクルで移行されなかったすべてのアイテムが移行されます。
最初のサイクルでは、移行が行われていること、および、移行中にドキュメントを変更してはならないことを、ユーザーに通知する必要があります。MigrationWizプロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、完了時に移行成功のメール通知をユーザーに送信するオプションを選択することをお勧めします。このメールは、次の情報を含むようにカスタマイズする必要があります。
- 新しい移行先のドキュメントにアクセスする方法。
- 最初の移行サイクルが完了したという通知。この最初のサイクルでは、3か月前(または日付フィルターで指定した任意の日付)より新しいドキュメントのみが移行されたということ。
- 引き続き2番目の移行サイクルが行われ、残りの古いドキュメントがすべて移行されること、および、この2番目のサイクルの完了後に、追加の通知メールが送信されるということ。
- 移行先の新しいドキュメントプラットフォームの使用方法に関するトレーニング資料へのリンク。
- 信頼できる会社名。
- メールの署名。
2番目のサイクルについても、MigrationWizプロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、完了時に移行成功のメール通知をユーザーに送信するオプションを選択することをお勧めします。このメールも、次の情報を含むようにカスタマイズする必要があります。
- 移行が完了したという通知。
- 信頼できる会社名。
- メールの署名。
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行 - ドキュメント
このマルチサイクル移行戦略では、最初に最近のすべてのドキュメントデータを移行し、次に差分移行サイクルを実行して、残りの古いドキュメントをすべて移行することで、新しいシステムへの移行を加速することができます。
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行戦略では、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で日付フィルターを設定し、2つの移行サイクルを実行する必要があります。
具体的な手順は、以下の通りです。
サイクル1
- 「プロジェクトの編集」をクリックし、「詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。「フィルタリング」タブで、「指定した日付より新しいアイテムのみを移行する(Only migrate items newer than the specified date)」のボックスにチェックを入れます。
- この日付を現在の日付(またはカットオフ日に指定した任意の日付)の3か月前に設定します。また、時間/分を「0:0」に設定することをお勧めします。
- ダッシュボードの右下隅にある「保存(Save)」ボタンをクリックします。
- すべてのアイテムのチェックボックスをオンにして、選択します。
- すべてのアイテムを選択したら、「移行を開始」ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」をクリックします。
- 「移行を開始」ボタンをクリックします。
サイクル2
- 「プロジェクトの編集」をクリックし、「詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。「フィルタリング」タブで、「指定した日付より新しいアイテムのみを移行する(Only migrate items newer than the specified date)」のチェックボックスをオフにします。
-
「指定した日付より古いアイテムのみを移行する(Only migrate items older than the specified date)」のチェックボックスをオンにします。
- この日付を現在の日付(またはカットオフ日に指定した任意の日付)の3か月前に設定します。また、時間/分を「0:0」に設定することをお勧めします。
- ダッシュボードの右下隅にある「保存(Save)」ボタンをクリックします。
- すべてのアイテムのチェックボックスをオンにして、選択します。
- すべてのアイテムを選択したら、「移行を開始」ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」をクリックします。
- 「移行を開始」ボタンをクリックします。
共有ドキュメントの権限
複数の人が同じプロジェクトに取り組む時、多くの場合、ドキュメントやフォルダーを互いに共有して使用します。通常、これらのアイテムに対する権限と共有も移行する必要があります。
次の手順は、SharePoint、OneDrive、Google Workspaceのドキュメント移行に適用されます。
これらのアイテムを正しく確実に移行するには、移行を開始する前に、いくつかの要件に対処する必要があります。
- 移行前に、ユーザーおよびグループが、移行先に存在していることを確認します。ユーザーまたはグループが存在していない場合、正しい権限を割り当てることはできません。
- ユーザー名(@より前の部分)が同じであることを確認してください。たとえば、username@domain1.comが、username@domain2.comになる可能性があります。
- グループ名が、移行元と移行先で同じであることを確認してください。
- 管理者ドメインが、ユーザードメインと同じであることを確認してください。移行先のユーザーがxxx@domain2.comの場合、管理者ユーザーは、yyy@domain2.comである必要があります。
- 移行されるユーザーではなく、別の管理者アカウント(migrationwiz@domain2.comなど)を作成することをお勧めします。
メールボックス移行
シングルサイクル移行戦略では、MXレコードのカットオーバー後に、メールボックス全体を1回のサイクルで移行します。一般的なシナリオでは、金曜日の夜にカットオーバーし、週末に移行を実行します。
これは、コスト効率の良い、シンプルな移行戦略を実行したい場合に有用です。この戦略は、すべてを1回のサイクルで移行する小規模な移行にのみ推奨されます。
MXレコードカットオーバー
MXレコードは、SMTPによるメール配信にのみ使用されます。ドメインのMXレコードは、移行元システムを指しており、MXカットオーバー後は、メールが新しいメッセージングシステムに配信されるように、移行先システムを指す必要があります。
新システムでDNSのMXレコードを変更した後、有効になるまでには時間を要するため、レプリケーションの遅延が発生する場合があります。TTL(Time To Live)が期限切れになるまで待つ必要があります。それまでは、インターネット上のメールシステムが、古いシステムにメールを配信し続ける可能性があります。
- このツールを移行元のドメインに使用すると、TTLパラメータの設定値が検出されます。有効になるまでには、この「TTL」の時間がかかります。
- 事前にDNSレコードのTTL値を減らしておき、移行元から移行先へのメール配信の切り替えが、迅速に行われるようにしておくことをお勧めします。これにより、DNS内のMXレコードをカットオーバーして、移行先を指すようにすると、切り替えが即座に有効になります。
MXの変更がレプリケートされると、新しい受信メールは、新しい移行先システムにリダイレクトされます。この時点から、エンドユーザーは、移行先のメールボックスで作業を開始する必要があります。
さまざまな要因により、予定の時間内に移行が完了しない場合があります。
- ユーザーが、移行先環境にアクセスして作業を再開する際に、一部のデータにアクセスできない場合があります。
- シングルサイクル移行では、移行中または移行後に、ユーザーが移行元で作成したアイテムが、移行先には存在しない場合があります。
- 移行が失敗したり、時間がかかりすぎた場合に、一部のユーザーにダウンタイムが発生することがあります。
これらを解決するには、代わりにマルチサイクル移行を実行する必要があります。
ビッグバン(Big Bang)移行のシングルサイクルを実行する
移行フィルターは3種類ありますが、移行は1回きりのため、プロジェクトを実行する前に、フィルターの適切な調整が必要です。
- 「プロジェクトの編集」 > 「詳細オプション(Advanced Options)」 > 「フィルタリング」 > 「日付(By Date)」フィルター。
- 「プロジェクトの編集」 > 「詳細オプション(Advanced Options)」 > 「フィルタリング」 > 「フォルダー(By Folder)」フィルター(任意)。
- 「移行を開始」 > 「完全移行(Full Migration)」をクリックし、パネル上で移行するデータの種類を選択します。
移行フィルターを注意深く確認して、次のように調整します。
「プロジェクトの編集」 > 「詳細オプション(Advanced Options)」 > 「フィルタリング」タブをクリックして、移行するアイテムの最も古い日付と最も新しい日付を設定します。 通常、シングルサイクルのビッグバン(Big Bang)移行では、これらのチェックボックスをオフのままにしておきます。デフォルトでは、各チェックボックスがオンになっていない限り、システムによってアイテムが日付でフィルタリングされることはありません。
フォルダーフィルターを設定すると、移行しないフォルダーを選択することができます。
移行フィルターを確認した後、1つまたは複数のメールボックスに対して、ビッグバン(Big Bang)移行のシングルサイクルを実行します。
- 構成済みの1つまたは複数のメールボックスを選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
- 「完全移行(Full Migration)」を選択します。
- 移行するすべての種類のデータがサポートされ、選択されていることを確認してください。
- 「移行を開始」ボタンをクリックします(ライセンスは、移行が成功した場合にのみ消費されます)。
「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を構成する
このマルチサイクル移行戦略では、MXレコードのカットオーバー前の最初のサイクルで、古いメールの大部分が移行されます。カットオーバー後の「完全移行(Full Migration)」(または差分)サイクルでは、残りの最新のメールと、残りのすべてのメールボックスアイテム(カレンダー、連絡先、タスクなど)のみが移行されます。
手順は、次の通りです。
-
「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を実行します。
-
MXレコードのカットオーバーを実行します。
-
「完全移行(Full Migration)」サイクル(日付フィルターなしのすべてのアイテムの移行)を実行します。これは、差分サイクルとも呼ばれます。
これは、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」の実行により、MXレコードのカットオーバー前に、メールの大部分が移行されるため、ほとんどの移行プロジェクトに推奨される移行戦略です。これは、ユーザーがまだ「古い」メールシステムにアクセスしている間に、バックグラウンドで実行されます。新しいMXレコードを作成した後、別の「完全移行(Full Migration)」サイクルを実行します。データの大部分が、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクル中に移行されているため、このサイクルは即座に完了します。
カレンダー、連絡先、ジャーナル、メモ、およびタスクは、移行プロセス中、ユーザーによって変更が加えられる可能性があります。 MigrationWizは、移行後に、これらの変更を反映しません。このため、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルでは、これらのアイテムが選択できないようになっています。 カレンダー、連絡先、ジャーナル、メモ、およびタスクは、「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルでのみ移行されます。
「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を実行する
- メールボックス名の横にあるボックスにチェックを入れて、構成済みの1つまたは複数のメールボックスを選択します(すべてのメールボックスを選択するには、「移行元メールアドレス」列の隣のチェックボックスをオンにします)。
- 「移行を開始」ボタンをクリックします(メールボックスが選択されていない場合、このオプションはグレー表示になります)。
- ドロップダウンリストから、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を選択します。
- 移行するアイテムとして、「メール(Mail)」があらかじめ選択されています。これは、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルで移行できる唯一のオプションです。
- 次に、「指定した日付より古い日付のアイテムを移行する(Migrate items with a date that is earlier than the specified date)」フィールドの下矢印をクリックして、移行するアイテムの日付範囲を選択します。
- 「30日前(30 Days Ago)」、「60日前(60 Days Ago)」、「90日前(90 Days Ago)」、「特定の日時(Specific Time)」のいずれかを選択します。
- 最も一般的な移行戦略は、「90日前(90 Days Ago)」を選択することです。
- プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で設定した日付フィルターは、ここで設定した日付フィルターによって、上書きされます。
- この「前段階移行(Pre-Stage Migration)」の実行を先送りするには、「移行の自動開始スケジュール(Automatically start the migration at)」のチェックボックスをオンにして、日付と時刻を選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、日付フィルターを設定している場合、その設定は、この「前段階移行(Pre-Stage Migration)」パネルで選択したエントリによって、上書きされます。
ユーザーが、移行元の情報に変更を加えることがないように注意してください。アイテムの変更の例を、以下に示します。
-
移行元で削除されたアイテム:移行先にそのまま残ります。削除を反映することはできません(たとえば、移行元でアイテムがアーカイブされた場合、そのアイテムは削除されたように見えますが、移行先でアイテムは削除されません)。
-
移行元でフォルダーAから別のフォルダーBに移動されたアイテム:移行先で複製され、移行先のフォルダーAとフォルダーBの両方に存在することになります。
-
移行元で更新されたアイテム:移行先では更新されません。カレンダー、連絡先、タスクなどを更新するプロセスはありません。そのため、競合解決が必要になりますが、それは、同期ソリューションでのみ可能です。
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行 - メールボックス
このマルチサイクル移行戦略では、MXレコードのカットオーバー前に、まず最近のすべてのメールボックスデータを移行し、次に「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルを実行して、残りの古いメールをすべて移行することで、新しいシステムへの移行を加速することができます。
ユースケース
- この戦略は、最初の移行サイクルが非常に短時間で完了するため、データを即座に使用したい場合に便利ですが、カットオーバー時に、エンドユーザーがすべてのメールを使用できるわけではないことに、注意してください。 例としては、移行元サーバーが不安定で、できるだけ早く移行したい場合があります。
- この戦略は、多数のメールボックスを一度に素早く移行したい場合にも役立ちます。例としては、企業の買収後、すべてのメールボックスを一度に移行したい場合があります(移行元環境へのアクセス権限がなく、転送を設定できないため)。
その他のほとんどの移行では、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」戦略に従って、移行を実行することをお勧めします。
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行戦略は、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」戦略よりも、設定が複雑です。プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、日付フィルターを設定する必要があります。
移行フィルターが2種類あり、サイクルごとに適切に調整する必要があります。
-
「詳細オプション(Advanced Options)」の日付フィルター(任意)。
-
移行を開始する時のアイテムタイプフィルター
クイックスイッチ(Quick-Switch)移行の最初のサイクルを実行する
日付フィルターは、メールだけでなく、カレンダー、連絡先、ジャーナル、メモ、タスクにも適用されるため、クイックスイッチ(Quick-Switch)移行の最初のサイクルは、実際には2つのステップで構成されます。
- メールを除くすべてのアイテムを移行します。 移行先にカスタムフォルダーを作成する必要がある場合は、メールアイテムと同時に、または、メールアイテムの移行後に、ルールを移行する必要があります。
- 過去30日間のメールのみを移行します。
メールを除くすべてのアイテムを移行する
ユーザーは、カットオーバー後すぐに、すべてのカレンダー、連絡先、ジャーナル、メモ、タスクにアクセスできるようになります。
1つまたは複数のメールボックスに対して、クイックスイッチ(Quick-Switch)マルチサイクル移行の最初のサイクルの「第1ステップ」を実行します。
- 1つまたは複数の構成済みメールボックスを選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
- ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」を選択します。
- 「メール(Mail)」を除くすべてのアイテムを選択します。
- 移行の実行を先送りして、後日に設定することも可能です。
- 「移行を開始」をクリックします。
過去30日間のメールのみを移行する
- 「プロジェクトの編集」をクリックし、「詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。「フィルタリング」タブで、「指定した日付より新しいアイテムのみを移行する(Only migrate items newer than the specified date)」を選択します。
- この日付を、30日前の日付に設定します。
- 最初の移行では移行しないフォルダーを指定するには、フォルダーフィルターを設定します。
1つまたは複数のメールボックスに対して、クイックスイッチ(Quick-Switch)マルチサイクル移行の最初のサイクルの「第2ステップ」を実行します。今回は、「移行を開始」 > 「完全移行(Full Migration)」の画面で、「メール(Mail)」を除くすべてのアイテムの選択を解除します。
- 1つまたは複数の構成済みメールボックスを選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
- ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」を選択します。
- 「メール(Mail)」を除くすべてのアイテムの選択を解除します。
- 移行の実行を先送りして、後日に設定することも可能です。
- 「移行を開始」をクリックします。
MXレコードのカットオーバーを実行する
MXレコードは、SMTPによるメール配信にのみ使用されます。移行先の新しいメールプラットフォームに切り替える準備ができたら、メールが新しいメッセージングシステムに配信されるように、DNSプロバイダーポータルで、MXレコードを切り替える必要があります。
新システムでDNSのMXレコードを変更した後、有効になるまでには時間を要するため、レプリケーションの遅延が発生する場合があります。TTL(Time To Live)が期限切れになるまで待つ必要があります。それまでは、インターネット上のメールシステムが、古いシステムにメールを配信し続ける可能性があります。
このツールを移行元のドメインに使用すると、TTLパラメータの設定値が検出されます。 有効になるまでには、この「TTL」の時間/分がかかります。
事前にDNSレコードのTTL値を減らしておき、移行元から移行先へのメール配信の切り替えが、迅速に行われるようにしておくことをお勧めします。これにより、DNS内のMXレコードをカットオーバーして、移行先を指すようにすると、切り替えが即座に有効になります。
MXの変更がレプリケートされると、新しい受信メールは、新しい移行先システムにリダイレクトされます。この時点から、エンドユーザーは、移行先の新しいメールボックスで作業を開始する必要があります。
「完全移行(Full Migration)」または差分移行
「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルでは、メールボックスを再移行することにより、差分移行サイクルを行います。MigrationWizは、最初のサイクルで移行されなかったアイテムを自動的に検出し、そのアイテムのみを移行します。つまり、「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルは、未処理のアイテムを検出して移行します。多くの場合、「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルは、最初のサイクルよりも短い時間で完了します。
「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルでは、MigrationWizは、移行の中断箇所から移行を再開するため、移行先で重複が発生することはありません。つまり、最初のサイクルで移行されなかったアイテム、または、最初のサイクルの実行中/完了後に作成されたアイテムを、すべて移行します。
MXレコードのカットオーバー後、「完全移行(Full Migration)」サイクルを実行するまでの時間制限はありませんが、サイクルの間隔が2週間を超えないように、最小限に抑えることをお勧めします。
- デフォルトでは、プロジェクトは、最後の使用から180日後に削除されます(この設定は、「詳細オプション(Advanced Options)」で変更することが可能で、削除の際は、警告が表示されます)。
- 移行元で、バックアップ/復元などの重要なアクションにより、アイテムのIDが変更された場合、そのアイテムは、重複して作成されます。
- 移行されたカレンダー、連絡先、タスクは、更新されません。
まず、「詳細オプション(Advanced Options)」で、日付フィルターが設定されていないことを確認します(詳細オプションを設定するには、ダッシュボードの左上にある「プロジェクトの編集」をクリックし、ドロップダウンリストから、「詳細オプション(Advanced Options)」を選択します)。「フィルタリング」タブで、チェックボックスの選択を解除します。これにより、すべての日付のアイテムが、移行サイクルに確実に含まれるようになります。
- 画面右下の「保存(Save)」をクリックします。
- 「プロジェクトを保存(Save Project)」をクリックして、メールボックスを一覧表示するページに移動します。
1つまたは複数のメールボックスの「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルを実行する方法
- 1つまたは複数の構成済みメールボックスを選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
- ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」を選択します。
- すべてのアイテムタイプを選択して、アイテムがすべて移行されるようにします。
- 「前段階移行(Pre-Stage Migration)」の実行時の設定(メールのみを移行する設定)のままになっている可能性があります。この「完全移行(Full Migration)」(差分)サイクルでは、すべてのボックスにチェックを入れることが非常に重要です。これにより、すべてのアイテムが確実に移行されます。
- 移行の実行を先送りして、後日に設定することも可能です。
- 「移行を開始」をクリックします。
下書きフォルダーの移行
「下書き(Drafts)」フォルダーは、メールボックス移行の一部として移行されます。
この動作を変更するフォルダーマッピングが明示的に追加されていない限り、下書きフォルダーは、移行先の「下書き(Drafts)」という名前の対応するフォルダーに移行されます。
下書きアイテムの表示方法は、移行先によって異なります。
例:
- Microsoft 365の場合、移行先に下書きアイテムが作成されると、「宛先(To)」フィールドに受信者が明記されていない場合にのみ、赤い「下書き(DRAFT)」ラベルが付けられ、メール自体は、「下書き(Drafts)」フォルダーに表示されます。
- Google Workspaceの場合、移行先に下書きアイテムが作成されると、「宛先(To)」フィールドに受信者が明記されているかどうかに関係なく、常に赤い「下書き(DRAFT)」ラベルが付けられます。
メールの併用設定を使用した拡張移行
メールボックスを移行先の同じドメインに一定期間にわたって移行する場合、メールを2つ以上の異なるメッセージングシステムに配信する必要が生じます。このような移行では、メールの併用設定を使用します。
メールの併用を設定するには、移行するメールボックスで、メールの転送を設定します。メールは、移行元のプライマリメッセージングシステムに配信されます。別のシステムに移行されたメールボックスに届いたメールは、そこから転送処理されます。
併用が設定されている場合の正確なメール配信フローは、次の通りです。
- メールが、元のメッセージングシステムのuser@example.comに配信されます。
- システムが、メールボックスに転送が設定されていることを検知します。
- メールが、併用メールアドレスのuser@coexist.example.comに転送されます。
- メールが、新しいメッセージングシステムに届きます。
- 移行が開始されます。
- 古いシステムのメッセージが、新しいシステムに移行されます。
メール転送を設定する時は、転送前にメッセージをローカルに保存するオプションが選択されていないことを確認してください。 このオプションが選択されていると、転送が行われた後に移行が実行された場合、メッセージが重複する可能性があります。弊社では、転送によって移行先に作成されたメッセージと、移行元のメッセージの照合は、行っていません。 弊社で作成したメッセージについてのみ、複製を防止します。
併用が設定されている場合の不適切なメール配信フローおよび移行フローは、次の通りです。
- メールが、元のメッセージングシステムのuser@example.comに配信されます。
- システムが、メールボックスに転送が設定されていることを検知します。
- ローカルコピーが、元のメッセージングシステムに保存されます。
- メールが、併用メールアドレスのuser@coexist.example.comに転送されます。
- メールが、新しいメッセージングシステムに届きます。
- 移行が開始されます。
- メッセージが移行されます。移行元と移行先の照合が行われないため、すでに転送されたメッセージも含まれてしまいます。
日付フィルターを設定する
日付フィルターは、プロジェクトレベルで設定します。アイテムの最終更新日が、指定した日付の前か後かによって、アイテムを除外することができます。移行に日付フィルターを設定する方法は、次の通りです。
- MigrationWizにログインします。
- 日付フィルターが必要な移行を含むプロジェクトに移動します。
- 左上隅にある「プロジェクトの編集」をクリックし、ドロップダウンメニューから、「詳細オプション(Advanced Options)」を選択します。
- 「フィルタリング」タブ内に、「この日付範囲内のアイテムのみを移行する(Only migrate items within this date range)」というテキストが表示されます。その下に、2つのチェックボックスが表示されます。
- 指定した日付より古いアイテムを除外する場合は、「指定した日付より新しいアイテムのみを移行する(Only migrate items newer than the specified date)」のボックスにチェックを入れます。
- 指定した日付より新しいアイテムを除外する場合は、「指定した日付より古いアイテムのみを移行する(Only migrate items older than the specified date)」のボックスにチェックを入れます。
- 日付選択ボックスが表示されます。フィルターの日付と時刻を選択します。
- 「保存(Save)」をクリックして、「プロジェクトを保存(Save Project)」をクリックします。
選択した日時は、ローカルタイムゾーンに従って設定され、その後UTCに変換されて、各エンドユーザーの正しいローカル時刻の決定に使用されます。
アイテムは作成日ではなく、更新日に基づいて移行されます。 特定の日付以前のアイテムを移行するフィルターと、特定の日付以降のアイテムを移行するフィルターを、同時に設定することができます。これにより、特定の期間のデータのみを選択して、移行することができます。
「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を実行すると、現在の日付フィルターは、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」の設定によって上書きされます。
「最終更新日」を判定する
日付フィルターを設定して移行を実行する場合、MigrationWizは、アイテムを作成日ではなく、更新日に基づいて移行します。
更新日の判定は、移行元環境によって異なります。これは、受信日、またはアイテムが最後に更新された日付(最終更新日)のいずれかに基づきます。
この記事では以下の内容について説明します。
- 受信日および最終更新日は、どのように定義されますか?
- 日付フィルターは、どのように設定しますか?
- MigrationWizでは、どの移行元環境が受信日に基づいた日付フィルターを使用し、どの移行元環境が最終更新日に基づいた日付フィルターを使用しますか?
受信日および最終更新日は、どのように定義されますか?
-
受信日
受信日は、アイテムが実際に受信された日付です。受信日以降にアイテムが更新された場合でも、日付フィルターは最終更新日ではなく、受信日に基づいて設定されます。
受信日の例をいくつか示します。
-
メールアイテムが、組織内の誰かに、組織内または外部から送信されました。この場合の受信日は、このアイテムがメールサーバーのメールボックスに受信された日付になります。
-
数人のユーザーを招待して、一連の会議が設定されました。この場合の受信日は、一連の会議の設定日になります。その後、会議の設定に変更が加えられた場合でも、受信日は変更されません。
-
最終更新日:アイテムに変更が加えられると、アイテムの更新日が変更されます。
更新日の例をいくつか示します。
- アイテム内のテキストが変更された場合、更新日は、テキストが変更された日付になります。
- アイテムのステータスが未読から既読に変更された場合、更新日は、ステータスが既読に変更された日付になります。
- アイテムにフラグが付けられている場合、更新日は、アイテムにフラグが付けられた日付になります。
- アイテムがバックアップから復元された場合、更新日は、アイテムの復元日になります。
- アイテムが別のフォルダーに移動された場合、更新日は、アイテムの移動日になります。
日付フィルターを設定して移行を実行する場合、MigrationWizは、アイテムを作成日ではなく、更新日に基づいて移行します。この区別は重要です。早い日付でアイテムを作成したユーザーが、上記の例のようなアクションにより、アイテムの更新日が遅い日付に変更されているにもかかわらず、そのアイテムが作成日に基づいて移行されるものと思っている場合に、混乱が生じることがあるためです。
日付フィルターは、どのように設定しますか?
日付フィルターは、次の2つの方法のいずれかで設定することができます。
-
MigrationWizプロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の「フィルタリング」タブ内。
- 「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルの実行時。「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルを実行すると、「指定した日付より古い日付のアイテムを移行する(Migrate items with a date that is earlier than the specified date)」と記載されたフィールドが表示されます。「1つを選択(Select One)」と記載されているフィールドの下矢印をクリックすると、ドロップダウンリストが表示され、最終更新日より古いアイテムを移行するオプションが表示されます。
MigrationWizプロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で日付フィルターが設定されている状態で、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルを実行すると、MigrationWizは、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の日付フィルターではなく、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクルのフィールド内で設定した、更新日に基づくフィルターを使用して、移行を実行します(ただし、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の日付フィルターは、その後も設定されたままであれば、「完全移行(Full Migration)」サイクル実行時の差分移行で使用されます)。
メールボックスの移行時に、どの日付フィルターが使用されたかを確認する方法
- 該当する移行プロジェクトに移動します。
- 確認したい移行済みアイテムをクリックします。これにより、移行の統計情報のページに移動します。
- 「移行履歴(MIGRATION HISTORY)」セクションを特定します。
- 「移行履歴(MIGRATION HISTORY)」セクションには、これまでに実行した個々の移行サイクルが表示されます。「前段階移行(Pre-Stage Migration)」の文字の上にカーソルを置くと、使用された日付範囲が表示されます。
MigrationWizでは、どの移行元環境が受信日に基づいた日付フィルターを使用し、どの移行元環境が最終更新日に基づいた日付フィルターを使用しますか?
以下の表は、どの移行元環境が受信日を更新日として見なすか、どの移行元環境が最終更新日を更新日として見なすかを示しています。
メールボックス移行
移行元 | 更新日の判定方法 | 注 |
---|---|---|
Exchange 2003以降 | 最終更新日 | オンプレミスExchangeとホスト型Exchangeの両方の、2003以降のすべてのバージョンを含みます。 |
Microsoft 365 | 最終更新日 | |
Google Workspace | 最終更新日 | |
GroupWise | 受信日 | |
IMAP | 受信日 | |
Lotus Notes | 受信日 | |
Open-Xchange | 受信日 | |
Zimbra | 受信日 | |
POP | 受信日 | |
ドキュメント移行
移行元 | 更新日の判定方法 | 注 |
---|---|---|
Box | 最終更新日 | |
Dropbox | 最終更新日 | |
ファイルサーバー | 最終更新日 | ファイルサーバーのホームディレクトリと、ファイルサーバーのファイル共有の両方が含まれます。ファイルは、移行プロセスの一環としてAzureにアップロードされるため、移行元は、実際にはAzureです。 |
Googleドライブ | 最終更新日 | |
OneDrive for Business | 最終更新日 | |
SharePoint | 最終更新日 | SharePoint OnlineとSharePointオンプレミスの両方が含まれます。 |
アーカイブの移行
移行元 | 更新日の判定方法 | 注 |
---|---|---|
Exchange | 最終更新日 | Exchangeインプレースアーカイブメールボックスを指します。 |
Microsoft 365 | 最終更新日 | Microsoft 365アーカイブメールボックスを指します。 |
Google Vault | 受信日 | |
PST | 最終更新日 | |
その他の移行
移行元 | 更新日の判定方法 | 注 |
---|---|---|
Exchange パブリックフォルダー | 最終更新日 |
オンプレミスExchangeとホスト型Exchangeの両方の、2007以降のすべてのバージョンを含みます(Exchange 2003は、パブリックフォルダーの移行では、サポートされていません)。 |
Microsoft 365のパブリックフォルダー | 最終更新日 | |
EML | 最終更新日 | |