移行の準備

シームレスな移行プロセスを実現するには、事前の準備が重要です。本ガイドでは、移行元および移行先環境におけるアクセスとセキュリティ、スロットリング、およびアーカイブについて説明します。

アクセスとセキュリティ

完全修飾ドメイン名 (FQDN)またはIPアドレスのどちらも使用することができます。FQDNまたはIPアドレスのどちらを指定する場合でも、サーバーは弊社の移行サーバーからインターネット経由でアクセス可能である必要があります。

MigrationWizでは、ファイアウォールへの対処に高度なロジックを使用します。弊社では、さまざまなファイアウォールに対して弊社サービスのテストを行い、移行が適切に行われることを確認しています。お客様のサーバーがインターネットからアクセス可能である限り、MigrationWizは問題なくメールボックスを移行することができます。

使用しているAPIが多要素認証で保護されている場合、お客様のサーバーに接続することはできません。

移行用に、多要素認証をバイパスする例外ポリシーをファイアウォールに作成することをお勧めします。

無料のトライアル移行を実行して例外ポリシーが機能していることを確認することをお勧めします。問題が発生した場合は、テクニカルサポートまでお問い合わせください

データセキュリティ

MigrationWizでデータを移行する際、データはMigrationWizサーバーによって移行元から読み取られます。一部のセキュリティプロトコルでは、これらのデータが、オーストラリアやヨーロッパなど、そのデータが存在する地域の外に出ないことが重要です。

MigrationWizでは、使用するデータセンターを指定することができます。

  1. プロジェクトの編集」をクリックします。
  2. 詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。
  3. パフォーマンス(Performance Options)」タブを開きます。
  4. 希望のBitTitanデータセンター(Preferred BitTitan Datacenter)」を選択します。

スロットリング

スロットリング制限を設定する

スロットリング機能を使用すると、移行元または移行先システムのネットワーク帯域幅に合わせて、移行のスループット容量を変更することができます。スループットの制限が必要になる場合もありますが、それ以外は、スループットを向上させることができます。

低帯域幅または低パフォーマンス環境では、サービスの中断を回避するために、移行に使用される帯域幅を制限する必要が生じる場合があります。

以下の措置をお勧めします。

  • プロジェクトでの同時接続数を制限することができます(1つのアイテムにつき1つのネットワーク接続のみを行います)。
  • 多くのシステム(Exchange 2010以降など)では、スロットリングポリシーを設定して、負荷を制御することができます。
  • 多くのルーターやファイアウォールでは、URLまたは発信元IPによるレート制限を設定することができます。

さらに、以下の点に注意してください。

  • 低帯域幅環境では、事前にデータを前段階移行しておくことをお勧めします。
  • 受信IPアドレスを確認したい場合は、移行用にIP LockDownを設定することができます。

    重要

    MigrationWizを使用したBitTitanの「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、IP LockDownは機能しません。ユーザーをプロジェクトに追加するには、CSVファイルによる一括追加、または手動で行います。
  • 移行を実行する際に、日時を指定して開始を遅らせること(例えば、土曜日の午前1時に移行を開始するなど)ができます。

スロットリングの設定や解除の詳細については、各移行ガイドと合わせて、移行元または移行先環境に応じて「移行に関するよくある質問」を、参照してください。 

同時移行アイテム数を指定する

同時移行アイテム数を指定して、必要な帯域幅の量を制御することができます。すべてのメールボックスを対象として移行を実行すると、同時に処理されるアイテムの数はシステム内部で自動的に制限されます。移行する1つのアイテムにつき1つのネットワーク接続のみを行います。

​同時移行アイテム数は以下の手順で指定します。

  1. MigrationWizアカウントにサインインします
  2. 実行するプロジェクトの名前をクリックします。
  3. プロジェクトの編集」をクリックします。
  4. 詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。
  5. パフォーマンス(Performance)」タブを開き、「最大同時移行数(Maximum number of concurrent migrations)」に適切な値を設定します。

デフォルトでは、この値は100に設定されています。帯域幅が十分でない場合は、移行元サーバーに過剰な負荷がかからないように、15などの低い値に設定することをお勧めします。この値は、メールボックスの移行中に変更することができます。変更した設定が有効になるまでに、数分かかる場合があります。

この値を増やすと、同時移行できるアイテム数を即座に増やすことができます。例えば、5に設定していた値を10に増やした場合、追加で新たに5つのアイテムの移行が開始されます。

この値を減らしても、現在移行中のアイテム数が減ることはありません。たとえば、 10に設定していた値を5に減らした場合、現在移行中の5つのアイテムの移行が直ちに停止されることはありません。移行中の10アイテムのすべてで移行が続行され、アクティブな移行が5未満に減少した場合にのみ、追加のアイテムの移行が開始されます。移行中のアイテムの数を直ちに減らしたい場合は、制限を超えた分の移行を停止した後に再実行します。​

アーカイブとデータ保持

MigrationWizでは、メールデータに関連付けられた作成日を除くすべての日付が保持されます。移行先で作成された各アイテムは、作成日がその時点の現在時刻に設定されます。受信日、終了日などの他のプロパティは、移行元のプロパティと同一のものが保持されます。

ほとんどのアーカイブポリシーおよびコンテンツポリシーでは、作成日は保持されませんが、受信日などの他の日付は保持されます。したがって、移行されたメールは、アーカイブポリシーおよびコンテンツポリシーによって処理される可能性があります。日付の保持については、http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb430780.aspxを参照してください。

移行先がMicrosoft 365の場合、2年以上経過したアイテムは、デフォルトのアーカイブポリシーによってアーカイブメールボックスに移動されますので、注意してください。 

この記事は役に立ちましたか?
0人中0人がこの記事が役に立ったと言っています