はじめに
次の記事は、MigrationWizでAzureストレージを使用する際のよくある質問に対する回答です
MigrationWizで、Azureストレージを使用する方法は次の3つです。
移行元エンドポイント データ ストレージ領域 (Blobストレージ)
MigrationWizには、移行元データにアクセスして読み取ることができるストレージ領域が必要です。特定の移行シナリオでは、移行中にMigrationWizによって検出および使用される以前に、2つの手順に従ってAzureコンテナーまたはコンテナーにファイルをアップロードします。Azureストレージを必要とする移行元エンドポイントの移行ワークロードは、Google Vault、PST、ファイルサーバーファイル共有、ファイルサーバーのホームディレクトリの移行です。
PSTエクスポートの移行先エンドポイント データ ストレージ領域 (Blobストレージ)
MigrationWizには、PSTデータを書き込むことができるストレージ領域が必要です。
ドキュメントとコラボレーションの移行の移行先エンドポイント ステージング領域 (StorageV2)
一部の移行では、MigrationWizはMicrosoft共有ストレージまたはユーザー提供のAzure StorageV2タイプのストレージを使用して、移行先システムへの書き込みプロセス中にデータを一時的に格納します。これらの移行は、Teams、OneDrive、SharePoint Onlineへのデータの移行を含みます。
Azure Storageを使用する必要があるかどうか、または移行の具体的な手順についてはシナリオに合った移行ガイドを参照してください。
重要:MicrosoftサーバーのIPが含まれていない場合、カスタムAzureストレージに対し、IPロックダウンは機能しません。Microsoftエンドポイントの詳細については、Office 365 URL および IP アドレス範囲(Office 365 URLs and IP address ranges)を参照してください。
移行元エンドポイントとAzure Blobストレージの使用
一般的には、必要なMigrationWiz移行元エンドポイントを設定する際は、ユーザーのAzureストレージを使用します。PST移行を実行している場合は、小規模な移行にBitTitan提供のAzureストレージを使用するオプションがあります。
ユーザーのAzureストレージ
- ユーザーのAzureストレージを使用する場合、ストレージの制限はありません。
- Azureストレージ コンテナー内のデータの読み取りと管理を行うことができます。
- PSTファイルは、アップロードツールを使用してAzureストレージにアップロードできます (または、Microsoftのドライブ送付を使用することもできます)。
PSTインポート移行用のBitTitanストレージ
BitTitanストレージは、小規模なPST移行プロジェクトにのみ使用することを意図しています。これは、ユーザーがAzureストレージ アカウントを持っていない場合に使用できる無料のサービスです。
Azureサブスクリプションを既に使用している場合は、アップロードプロセス中に使用できます。Azureサブスクリプションを使用していない場合は、BitTitan Azureストレージを使用して、一時的にファイルを保存することができます。
- BitTitanストレージには、顧客毎に100GBの制限があります。100GBを超える際は、ユーザーのAzureサブスクリプションを使用して必要なストレージをプロビジョニングする必要があります。
- セキュリティ上の理由から、PSTをBitTitan Azure Storageにアップロードする際は、BitTitan専用ツールのUploaderWizを使用する必要があります。 これにより、隔離されたコンテナーにファイルが安全にアップロードされ、他のユーザーはアクセスすることができません。 ファイルをアップロードすると、Azureコンテナーからファイルを読み取ることはできません。 ファイルを読み取り、データをAzureコンテナーからMigrationWizプロジェクト ダッシュボードに取得することができるのはMigrationWizのみです。
BitTitan Storageの保持ポリシーは次のとおりです。
- ファイルは30日後にBitTitanストレージから消去されます。
- 100GBの制限に達した状態で、新しいファイルをアップロードすると最も古いファイルが消去されることがあります。
- セキュリティ上の理由から、専用ツールのUploaderWizを使用してアップロードする必要があります。
移行元エンドポイントに必要なAzure Blobストレージを作成する方法
Azure Portalを使用する (指定がない場合は設定は既定のままにします)。
- 次のサイトにアクセスしてください。https://portal.azure.com
- 「ストレージ アカウント(Storage Accounts)」をクリックします。
- 「追加(Add)」をクリックします。
- 新しいストレージ アカウントを作成するサブスクリプションを選択します。
- リソースグループを選択します。 リソースグループがない場合は、新しいグループを作成します。
- ストレージ アカウント名を入力します。
- データセンターの場所を選択します。
- 「パフォーマンス」でStandardを選択し、「アカウントの種類」でBlobStorageを選択します。
- 「レプリケーション(Replication)」フィールドで、「ローカル冗長ストレージ(Locally Redundant Storage (LRS))」を選択します。
- 「確認および作成(Review + create)」をクリックします 。
- 「作成(Create)」をクリックします。
- 次に、作成したストレージ アカウントに移動します。
- 「設定(Settings)」の下の「アクセスキー(Access keys)」を選択します 。
- ストレージ アカウント名とキー 1の詳細をコピーします。
- ストレージ アカウント名とキー 1が MigrationWizプロジェクトの移行先エンドポイントに追加されます。
MigrationWizでコンテナーを作成する場合:
- "migrationwiz"という名前のコンテナーを作成し、PSTファイルをこのコンテナーにアップロードすることをお勧めします。コンテナーに別の名前を付ける場合は、MigrationWizアーカイブ プロジェクトの詳細オプションを入力し、バケット名をAzureストレージ コンテナー名と同一のものにします。作成したコンテナー名が "migrationwiz" の場合、移行で使用される既定のバケット名は "migrationwiz" に事前設定されているため、この手順は必要ありません。
- コンテナーが "migrationwiz" 以外の名前で作成され、MigrationWiz 詳細オプションのバケット名が変更されていない場合、移行は失敗します。
移行先エンドポイントとPSTエクスポート用のBlobストレージの使用
ユーザーのAzureストレージを使用する必要があります。MigrationWizはこのストレージにPSTファイルを書き込みます。上記の手順に従って、BlobStorageを作成します。
移行先エンドポイントとAzure StorageV2ストレージ
関連するMigrationWiz移行先エンドポイントを設定するときは、ユーザ所有のAzureストレージまたはMicrosoftが提供するストレージのいずれかを使用します。移行アクティビティの完了後に、このストレージにデータを書き込んだり、データを削除したりする必要はありません。MigrationWizはこのプロセスを透過的に処理します。
ユーザーのAzureストレージ
- 書き込み操作が実行されると、データは自動的にストレージから消去されます。
Microsoft提供のAzureストレージ
- Microsoft共有ストレージは、移行にかかる期間が3日未満の場合にのみ使用します。移行にかかる期間が不明な場合は、ユーザーのAzureストレージを使用することをお勧めします。
移行先エンドポイント用のAzure StorageV2ストレージを作成する方法
Azure Portalを使用する (指定がない場合は設定は既定のままにします)。
- 次のサイトにアクセスしてください。https://portal.azure.com
- 「ストレージ アカウント名(Storage Account name)」をクリックします。
- 「追加(Add)」をクリックします。
- 新しいストレージ アカウントを作成するサブスクリプションを選択します。
- リソースグループを選択します。 リソースグループがない場合は、新しいグループを作成します。
- ストレージ アカウント名を入力します。
- データセンターの場所を選択します。
- 「パフォーマンス」で「Standard」を選択し、STORAGEV2 (汎用 v2) を選択します。
- 「レプリケーション(Replication)」フィールドで、「ローカル冗長ストレージ(Locally Redundant Storage (LRS))」を選択します。
- 「確認および作成(Review + create)」をクリックします 。
- 「作成(Create)」をクリックします。
- 次に、リソースに移動します
- 「設定(Settings)」の「アクセスキー(Access keys)」を選択します 。
- ストレージ アカウント名とキー 1の詳細をコピーします。
- ストレージ アカウント名とキー 1が MigrationWiz プロジェクトの移行先エンドポイントに追加されます。
Azure ストレージ コンポーネント
ストレージ アカウントとコンテナー
ストレージ アカウントは、データが属する、または今後属するコンテナーを所有します。 ストレージ アカウント名を確認するには、Azure Portalにログインしてストレージ アカウントに移動します。ストレージ アカウント名は、MigrationWiz でエンドポイントを設定するときに入力されます。
バケット名は、ストレージ アカウント内で見つかった論理コンテナーの名前です。ストレージ アカウントの詳細を表示する際に 、「BLOBサービス(Blob Service)」の下にある「コンテナー(Containers)」をクリックするとバケット名が表示されます。'migrationwiz' の代替名を使用する場合は、移行シナリオに応じて、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」に名前を入力する必要があります。
ストレージ キー
ストレージ アクセス キーは、移行プロジェクトでAzure Blobストレージ アカウントを認証するために使用されます。
Azure Blobストレージ アカウントのストレージ アクセス キーを表示する手順は次のとおりです。
- Azureダッシュボードにサインインします。
- ナビゲーション ペインで、「すべてのリソース(All Resources)」をクリックします 。
- ストレージ アカウントを選択します。
- 鍵のアイコンをクリックすると、ストレージ アカウントのアクセス キーが表示されます。
- ストレージ アカウント毎に、ストレージ アクセス キーは2つあります。両方をコピーします。
- ストレージ アクセス キーをコピーするには、コピーするキーの横にあるコピー アイコンをクリックします。
移行後にストレージ キーを削除する
アクセス キーを再使用しない場合は、移行プロジェクトが完了したら、Azure Blobストレージ アクセス キーを再生成してください。これにより、移行プロジェクトの完了時にストレージ アクセス キーを使用してAzure Blobストレージ アカウントにアクセスすることができなくなります。
Azure Blobストレージ アカウントのストレージ アクセス キーを再生成する手順は次のとおりです。
- Azure ダッシュボードにサインインします。
- ナビゲーション ペインで、「すべてのリソース(All Resources)」を選択します 。
- ストレージ アカウントを選択します。
- 鍵のアイコンをクリックすると、ストレージ アカウントのアクセス キーが表示されます。ストレージ アカウント毎に、ストレージ アクセス キーは2つあります。
- ストレージ アクセス キーを選択し、「再生成(Regenerate)」をクリックします。
アクセス キーを再生成すると、ストレージ アカウントに依存する仮想マシン、メディア サービス、およびアプリケーションに影響が及びます。アクセス キーを使用してストレージ アカウントにアクセスするすべてのクライアントは、新しいキーを使用するように更新する必要があります。
Blobストレージへのファイルの追加
ファイルのアップロード
利用可能なオプションがいくつかあります。FileServerなどのオンプレミス環境からメタデータ情報または権限が必要な場合は、BitTitan UploaderWizツールを使用します。
BitTitan's UploaderWizツールを使用して 、パブリックBLOBコンテナー内のユーザーのAzureストレージ アカウントにデータをアップロードします。このBLOB は、ブロックBLOB である必要があります 。
PSTファイルをアップロードする際に、UploaderWizを使用してBitTitan Azureストレージ アカウントに保存することがきます。制限は100GBです。またはAzure Storage Explorerなどのユーティリティ、サードパーティ製のアップローダー ユーティリティを使用することもできます。以前に作成したBLOBコンテナーにファイルをアップロードします。
Microsoft Azure Import/Export サービス を使用して、パブリック BLOBストレージにデータを転送するか、独自のPowerShellスクリプトを作成して使用してファイルをアップロードします。
AZcopyなどのユーティリティを使用することもできます。AZcopyをAzureで使用する方法の詳細については、こちらを参照してください。
MigrationWizプロジェクトにファイルを追加
BitTitanストレージまたはユーザーのAzureストレージ アカウントにファイルがある場合は、次の手順に従って、ファイルをMigrationWizプロジェクトに追加できます。
プロジェクトダッシュボードから:
「クイック追加(Quick Add)」を選択して、Azureにアップロードされたファイルの名前をプロジェクトに手動で追加します。クイック追加を使用する場合は、次のように、ファイルへのフルパス (ファイル名を含む) を定義します。例: Filename.pst または Foldername/filename.pst
- BitTitanストレージからのURLを含めないでください。
- Azureのファイル名では、大文字と小文字が区別されます。
または
「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」の緑色のバーをクリックして自動検出し、BitTitanストレージからファイルの名前をインポートします。 自動検出は、推奨される最も簡単なオプションです。
- 左側のパネルにある青色の「自動検出を開始(Start Auto Discovery )」バーをクリックします。
- PSTファイルが検出されたら、緑色の「+ アイテムをインポート(Import Items)」ボタンをクリックします。
次に、ファイルを取り込む移行先を選択します。例えば、PSTの移行では移行先メールボックスを編集します。OneDriveの移行では、ファイルを取得するMicrosoft 365 アカウントを選択します。
Azureのコストの見積もり
移行にAzureを使用すると、Azureストレージに対する料金のみがMicrosoftから課金されます。 データ転送料金は、リージョンを越えたAzureトラフィックからの外部向け転送データの合計に対してのみ発生します。次のとおり、移行の際にAzureストレージは移行先テナントと同じリージョンにある必要があるため、データ転送料金は発生しません。
重要:
- Azureストレージがテナントと同じリージョンにある場合、プロジェクトごとの転送回数に関係なく、アウトバウンドのストレージ料金は発生しません。
MigrationWizがデータを複数回転送する条件
特定の条件下では、MigrationWizはデータを複数回転送します。MigrationWizが、Blobストレージからデータを複数回転送するシナリオは次のとおりです。
- 最大エラー数に達した後の移行の再実行
- 最大ライセンス消費量に達した後の移行の再開
- 上記の両方の制限は、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」画面で設定します。
- サイクル失敗後の移行の再実行
- 中断後の移行の再実行
これらのいずれのシナリオでも、移行を再実行するとMigrationWizが最初から開始されます。
便利なMicrosoft Azure URL
Microsoft Azure Webサイト (サブスクリプションを購入する場合): Microsoft Azure Webサイト
ストレージ コストの見積もり: Microsoft Azure料金計算ツール