このガイドは移行を行う上でのワンストップリソースです。移行計画を成功させるには、移行計画とセットアップの概要を参照してください。この記事を読んで、環境の準備が整ったら、次の記事の説明に従って手順を進めてください。
各移行シナリオには、移行元と移行先、移行の種類、移行する容量、複雑さなど、さまざまな要素があります。ライセンスの種類は複数あり、移行により「詳細オプション(Advanced Options)」も異なります。このドキュメントのほとんどの情報は、すべての移行に関する一般的な情報です。特定の手順や情報がある場合は、それらの情報は、移行の種類と手順に特有の情報で分かりやすくマークされます。
関連するナレッジベース記事については、追加のコンテキストを参照してください。記事へのリンクは自動的に別ウィンドウで開きます。リンクには、DeploymentPro、MigrationWiz、MSPComplete ガイドが含まれており、戦略に関連する製品のよくある質問、リソース、入門ガイドが提供されています。
MigrationWizは、ワークグループ全体に対し、移行プロジェクトを共有する機能をサポートしています。プロジェクト共有機能が有効になっている場合、すべてのアクティブなエージェントは全移行プロジェクトを表示できます。
追加情報
- メールボックスは移行中でも使用できます。データの破損や欠落を防ぐため、ドキュメントを変更しないでください。
- コンピュータをシャットダウンしても、移行は停止しません。
- 移行完了までにかかる時間は、ネットワーク接続、移行元、移行先の環境、アイテムの大きさなど、さまざまな要因によって異なります。
- 移行後に移行元で変更されたアイテムは、移行先に同期されません。この動作仕様を鑑み、移行をマルチサイクル(前段階(Pre-Stage)移行戦略) で実行するか、シングルサイクル (Big Bang 戦略) で実行するかを計画することをお勧めします。移行戦略の詳細については、以下を参照してください。
コミュニケーション戦略
移行は重要な業務です。移行による混乱や生産性の損失を軽減するためには、しっかりしたコミュニケーション計画が重要になります。コミュニケーションはいくつかの手順で発生します。移行中の作業を減らすために、前もってメール内容を作成しておくことをお勧めします。
移行のシナリオにおいて、コスト、移行スケジュール計画、および期待値を管理者や関係者に伝えることは大変重要です。明確な移行スケジュールおよび関係者とのコミュニケーション計画を作成し、関連する関係者と定期的にコミュニケーションを持ちながらプロジェクトを進めることをお勧めします。
エンドユーザーとコミュニケーションを持つことで、ユーザーが直面する可能性のあるタスクやダウンタイムに対してあらかじめ準備し、最終的な移行を簡素化します。MigrationWizプラットフォームは、移行処理中にエンドユーザーに通知するメールをカスタマイズするのに役立ちます。詳細については以下のサンプルを参照してください。
準備段階でのコミュニケーション
移行を開始する前に、影響を受けるすべてのユーザーにメールを送信することをお勧めします。メールには移行の背景、移行の利点、移行中または移行後に予想されるダウンタイム、および移行スケジュール計画に関する情報を含めます。カレンダーに予定を設定するのもよいでしょう。
今後のデータ移行ついての通知 ー アクション不要
[ユーザー名]様
[日付] に [環境] から [環境] へのデータ移行を開始します。移行中は、ネットワーク遅延やデータ使用に関するダウンタイムが発生する場合があります。
新しい環境で実行する必要がある手順については、後日、送信する手順書を参照してください。
ご協力いただきありがとうございます。
[IT部門]
移行前のコミュニケーション
移行の2〜3日前に、リマインダーメールを送信することをお勧めします。移行スケジュール計画の告知と、会社のセキュリティポリシーに準拠するため、または移行をスムーズに進行するためにユーザーが実行する必要があるアクションのリストを含めます。
[日付] データ移行についての通知 ー アクション不要
[ユーザー名]様
お知らせしていたとおり、[DATE] にデータ移行が実行されます。 移行中は、ネットワーク遅延やデータ使用に関するダウンタイムが発生する場合があります。
現時点で実行するアクションはありません。移行中に、移行ツールの MigrationWiz から、必要なアクションを含むメールが届く場合があります。これらのアクションに迅速に対応いただくことで、データがスムーズに移行されます。
ご協力いただきありがとうございます。
[IT部門]
移行保留中のコミュニケーション
移行プロセス中に、MigrationWizは、Outlookの終了や管理者資格情報の付与など、特定のアクションを促す通知メールをユーザーに送信するよう要求する場合があります。
移行完了後のコミュニケーション
移行が完了したら、移行の成功を伝える通知と、移行先で運用を開始するための手順を記載したメールを送信します。ヒントは必要に応じて「移行後の手順」セクションに記載しています。
移行が完了しました。
[ユーザー名]様
[環境] から [環境] へのデータの移行が完了しました。新しい環境にログインして、プロファイルと作業環境の設定を行ってください。
このプロセスでは、以下の操作やヒントが役立ちます。
[Outlookの設定手順、企業のコンプライアンスポリシーなど]
ご質問やご不明な点がございましたら、[ヘルプデスク] までご連絡ください。
ご協力ありがとうございます。
[IT部門]
移行の詳細把握
移行を開始する前に、規模と複雑さを明確に把握する必要があります。次の一覧は、ライセンス、スケジューリング、およびリソース割り当てを準備するのに役立ちます。
下記の項目を確認してください。
- 移行するユーザー数
- データの移行方法
- 移行するデータ量
- 移行するファイル数
- 既定外なサイズのファイルの有無
- 移行管理チームのメンバー
- 関係者と連絡先
BitTitanは、移行のためのいくつかの評価(Assessment)を提供します。DeploymentProまたはHealthCheck for Office 365を使用して、移行先を確認または構成することができます。
移行を開始する前に、プロジェクトの作業に必要な情報を書き留めておいてください。
移行タイプ:
移行シナリオ:
移行元の環境:
移行先の環境:
移行の日付と期間:
コミュニケーションを行った日付:
アイテム数:
規格外なサイズのファイル:
初めての移行を行う際は、上記の項目をWord 文書や紙にコピーして参照できるようにしておくことをお勧めします。
移行するデータ量とユーザー数
よくある質問の1つに「MigrationWizが移行できるデータ量の上限は?」があります。 各ユーザーが持つデータの量に応じて、必要なだけのデータ量を移行することができます。100人のユーザーが個々に40MBのデータを移行する方が、1人のユーザーが4Gのデーターを移行するよりはるかに高速です。大量のデータを保持するユーザーは、移行を高速化するためにデータを小さなファイルに分割することをお勧めします。要約:多数のユーザーが小量のデータを移行するほうが少数のユーザーが大量のデータを移行するより高速です。
移行を成功させるには、移行の規模を把握することが重要です。これにより、ユーザー数と移行する必要があるデータの量を査定します。移行では、ライセンスは移行元の各ユーザーに割り当てられます。データにおいては、データを所有しているユーザーのみが移行されます。データを所有していない、共同編集者はライセンス数に含まれません。
移行するデータ数とサイズは、移行の速度と複雑さに大きく影響します。データ査定を行っていない場合は、ナレッジベースにて提供している記事をご参照いただけます。
移行スケジュール計画
関係者とエンドユーザーとのスケジュールを調整するために、全体計画を作成する必要があります。移行の規模と複雑さを把握したら、発生し得る懸念やコンフリクトについて開始前に関係者に伝えておくことをお勧めします。
移行の時間と速度は、ネットワークの速度、サーバーの負荷、スロットリング、およびフォルダーの数に依存します。以下はユーザーから報告された平均速度です。
- 低速度:ユーザーあたり 250 MB/時
- 中速度:ユーザーあたり 750 MB/時
- 高速度:ユーザーあたり 1.25 GB/時
移行シナリオの選択
移行タイプ(メールボックス、ドキュメント、ハイブリッド、コラボレーション、アーカイブ)に加えて、移行シナリオも考慮する必要があります。データの量、環境、データの使用が必要な時期などを全体的に考慮する必要があります。
ビッグバン (Big Bang) 移行
MX レコードのカットオーバー後に、1回のサイクルでメールボックス全体を移動するシングルサイクル移行の戦略です。
金曜日の夜にカットオーバーし、週末に移行を行うのが一般的なシナリオです。
長所:
- コストパフォーマンスが高い。
- 最も簡単な移行実施の方法です。
短所:
- さまざまな要因により、予定の時間に移行が完了しない場合があります。
- 作業の再開時に、新しいシステムにアクセスするユーザーが、すべてのデータにアクセスできない場合があります。
- シングルサイクル移行では、移行中または移行後に作成されたアイテムが欠落する可能性があります。
- 移行が失敗したり、予想以上に時間がかかる場合、一部のユーザーでダウンタイムが発生することがあります。
前段階移行(Pre-Stage Migration)
マルチサイクル移行では、カットオーバーの前に大部分のデータを前段階移行し、カットオーバー後に完全移行(差分移行)サイクルを実行します。
長所:
- カットオーバー時に殆どのデータを利用できます。
- 複数サイクルで移行することにより、最終サイクルの移行を通常より短い時間で完了できるため、移行の開始を早くから始めることができます。
- 使用できるリソースが少ないサーバーに対する負荷を削減できます。
短所:
- 最終サイクルでは、以前に移行されたアイテムの更新、削除、移動は移行先に同期されません。
クイックスイッチ移行
クイックスイッチ移行は、最新のメールのみを前段階移行します。ユーザーはカットオーバー時、すぐに新しいメールにアクセスすることができ、残りのデータは徐々に埋め戻されます。
長所:
- 初期移行が迅速に行われます。
- カットオーバーからデータを使用できるまでの時間が短縮できます。
短所:
- カットオーバー時にエンドユーザーが使用できるデータが限られています。
- MX カットオーバー後、移行元サーバーを長期間使用できるようにしておく必要があります。
ライセンス
MigrationWizで移行プロジェクトを実行するには、ライセンスが必要です。ライセンス価格を参照する、もしくはライセンスを購入するには、MSPCompleteまたはMigrationWizダッシュボードの上部にある「購入(Purchase)」ボタンをクリックします。
支払い方法: クレジットカードでのお支払いが可能です。また、特定の条件を満たせば、電信送金も受け付けます。
- クレジットカードで購入する場合、即座に支払い手続きが行われます。支払いが完了すると、すぐにライセンスがログインアカウントに付与されます。
- 100以上のライセンスを購入する場合は、電信送金を利用することができます。100ライセンス以上を購入すると、決済時に電信送金を利用するオプションが表示されます。電信送金による購入では、お客様の購買部および銀行で必要となる、電信送金のための必要情報が記された請求書が生成されます。システムにより支払いが確認されると、すぐにライセンスがログインアカウントに付与されます。
ライセンスにはいくつかの種類があります。必要なライセンスを判断する場合、ライセンスは移行元のアイテムタイプに基づいていることに留意してください。
MigrationWizは、移行元のアイテムタイプに基づいて、様々なタイプのライセンスを使用します。各ライセンスタイプについて、以下に説明します。
UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンス
このライセンスでは、ユーザーのメールボックス、ドキュメント、インプレースアーカイブを移行することができます。また、DeploymentProを使用して、移行後にOutlookメールプロファイルを構成することも可能です。
- UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスでは、1ライセンスあたりの移行可能データ量に制限はありません。
- UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスは、顧客のユーザーに適用され、購入時から1年間有効です。
- UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスを使用した移行には、メールボックス(Mailbox)、ドキュメント(Documents)、個人用アーカイブ(Personal Archive)、およびDeploymentProプロジェクトがすべて含まれます。
メールボックス移行(Mailbox Migration)ライセンス
このライセンスは、MigrationWizの移行元アイテムがメールボックスである場合、UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスの代わりになります。
- 1ユーザーあたり最大50GBのデータ、10サイクルの移行を実行することができます。
- 移行元がインプレースアーカイブメールボックスの場合は、メールボックス移行(Mailbox Migration)ライセンスは使用できません。
- 移行元アイテムがアクティブなメールボックスの場合、移行先がインプレースアーカイブメールボックスであっても、メールボックス移行(Mailbox Migration)ライセンスを使用することができます。
- 50GBを超えるデータを移行する場合は、移行するデータの合計量をカバーするのに十分なライセンスを購入し、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」内で最大消費ライセンス数(Maximum number of licenses to consume per item)を増やしてください。
- 「購入(Purchase)」ボタンの下のメールボックス移行(Mailbox Migration)ライセンスウィンドウには、ログインアカウントで現在使用可能なライセンスの一覧が表示されます。
パブリックフォルダー移行(Public Folder Migration)ライセンス
移行元がパブリックフォルダー(Public Folder)の場合に必要なライセンスです。
- ライセンス1つにつき、1ユーザーあたり最大10GBのデータ移行、また最大10サイクルの移行を実行することができます。
- 10GBを超えるデータを移行する場合は、移行するデータの合計量をカバーするのに十分なライセンスを購入し、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」内で最大消費ライセンス数(Maximum number of licenses to consume per item)を増やしてください。
- パブリックフォルダー移行(Public Folder Migration)で対応している移行先は、パブリックフォルダー(Public Folders)および共有メールボックス(Shared Mailboxes)です。
コラボレーション移行(Collaboration Migration)ライセンス
MigrationWizを使用してOffice 365からMicrosoft Teamsを移行する際に必要なライセンスです。
- ライセンス1つにつき、1ユーザーあたり最大10GBのデータ移行が可能です。
- 10GBを超えるデータを移行する場合は、移行するデータの合計量をカバーするのに十分なライセンスを購入してください。
- 各チームのすべてのユーザーに少なくとも1つのライセンスが必要です。
- コラボレーション移行(Collaboration Migration)の際、評価(Assessment)実行時に必要なライセンスの総数が計算され、表示されます。
- コラボレーション移行で対応している移行先は、Office 365です。
MigrationWizハイブリッドライセンス
BitTitanハイブリッドマネジメントでは、ハイブリッドExchangeモジュールの制御、自動検出、自動バッチ作成等により、オンプレミスExchangeサーバーとOffice 365のExchange Online間の移行を簡素化します。
- 移行元:オンプレミスExchange 2010以降
- 移行先:Microsoft Office 365
MigrationWizでUMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスを適用するには:
- https://migrationwiz.bittitan.comでMigrationWizにサインインします。
- サインインして、メールフィールドの上にある「MigrationWiz」ボタンをクリックするか、MSPCompleteページにサインインしてから、「すべての製品(All Products)」ボタンをクリックして、MigrationWizを選択します。
- 左のナビゲーションウィンドウの上部で目的のワークグループを選択します。
注: 選択したワークグループに顧客と移行プロジェクトが作成されます。プロジェクトがログインアカウント内に作成されていない場合は、ログインアカウントをワークグループに紐づけ、プロジェクトの共有を有効にする必要があります。詳細については、ワークグループの追加と編集(Add and Edit Workgroups)およびMigrationWizにおけるプロジェクトの共有(Project Sharing in MigrationWiz)を参照してください。 - ライセンスの適用が必要なプロジェクトをクリックします。
- UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスを適用するユーザーのメールアドレスの左にあるチェックボックスをオンにします。
- プロジェクトページの上部にある「詳細(More)」メニュー(3本ラインのアイコン)をクリックします。
- 「UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスの適用(Apply User Migration Bundle License)」をクリックします。
適用されたUMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスを削除するには(例:移行しないユーザーに適用された場合):
- https://migrationwiz.bittitan.comでMigrationWizにサインインします。
- サインインして、メールフィールドの上にある「MigrationWiz」ボタンをクリックするか、MSPCompleteページにサインインしてから、「すべての製品(All Products)」ボタンをクリックして、MigrationWizを選択します。
- 左のナビゲーションウィンドウの上部で目的のワークグループを選択します。
注: 選択したワークグループに顧客と移行プロジェクトが作成されます。プロジェクトがログインアカウント内に作成されていない場合は、ログインアカウントをワークグループに紐づけ、プロジェクトの共有を有効にする必要があります。詳細については、ワークグループの追加と編集(Add and Edit Workgroups)およびMigrationWizにおけるプロジェクトの共有(Project Sharing in MigrationWiz)を参照してください。 - ライセンスを削除する必要があるプロジェクトをクリックします。
- UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスを削除するユーザーのメールアドレスの左にあるチェックボックスをオンにします。
- プロジェクトページの上部にある「詳細(More)」メニュー(3本ラインのアイコン)をクリックします。
- 「ライセンスの削除(Remove licenses)」をクリックします。
重要: UMB(ユーザー移行バンドル)ライセンスは、移行アクションが実行されておらず、かつライセンスがユーザーに適用されてから24時間以内に削除処理が行われた場合にのみ削除することができます。プロジェクトに属さないユーザーに対して資格情報の検証(Verify Credentials)やトライアル移行(Trial Migration)が実行された場合は、サポート(Support)にお問い合わせください。前段階移行(Pre-Stage Migration)あるいは完全移行(Full Migration)サイクルでデータが移行された場合、ライセンスは削除できません。
新たにライセンスを適用したユーザーに対して前段階移行(Pre-Stage Migration)あるいは完全移行(Full Migration)を実行する場合、ライセンス適用をシステムが処理するのに多少時間がかかるため、適用が確認されるまでは移行を実行しないでください。ライセンスの適用処理には数分かかる場合があります。