はじめに
本記事は、移行元と移行先のドメイン名が異なる場合の移行でのみご参照いただけるガイドです。同じドメイン名へ移行する場合は、「Office 365からOffice 365への移行ガイド - 同じドメイン名を維持する場合」の記事をご参照ください。
本記事は、あるOffice 365テナントから別のOffice 365テナントへ、併用設定を使用してメールボックスを移行するための、完全な導入手順書です。通常、この移行方法は、ユーザーを複数のユーザー群に分けて順次移行していき、数週間あるいは数か月かけて全移行を完了させるシナリオにおいて、ユーザー同士がシームレスに連絡が取れる環境を維持したまま移行を実行したい場合に使用します。
表記の順序に従い、各ステップを完了してください。関連するナレッジベース記事へのリンクが提供されています。
重要: この移行には、いくつかの前提条件とベストプラクティスがあります。移行を開始する前に、ベストプラクティスガイドを確認することを強くお勧めします。
移行元環境を準備する
- 移行に使用するグローバル管理者アカウントをOffice 365で作成するか、または、テナントのグローバル管理者アカウントを使用します。詳細については、Office 365で管理者アカウントを作成するにはどうすればよいですか?の記事を参照してください。
移行先環境を準備する
- 移行に使用するグローバル管理者アカウントをOffice 365で作成するか、または、テナントのグローバル管理者アカウントを使用します。詳細については、Office 365で管理者アカウントを作成するにはどうすればよいですか?の記事を参照してください。
- 大きなメールアイテムを送受信するために、テナントを設定します。詳細については、大きなメールアイテムをOffice 365に移行するにはどうすればよいですか?の記事を参照してください。
MigrationWizの手順
- メールボックスプロジェクトを作成します(Create a Mailbox Project)。この移行を設定するための具体的な手順については、Office 365のテナントからテナントへの併用設定ガイドを参照してください。
注:- プロジェクトの設定が終了すると、「詳細オプション(Advanced Options)」以外は、設定の変更やユーザーの追加などができなくなります。ユーザーを組織に追加する場合は、プロジェクトを作成する前に移行元に追加するか、手動で移行先に追加してください。
- 資格情報の検証(Verify Credentials)または前段階移行(Pre-Stage Migration)サイクルの実行前であれば、プロジェクトの構成中に、Office 365ライセンスの選択を変更することができます。最初は、すべてのユーザーに対してOffice 365ライセンスが割り当てられますが、ユーザーがプロジェクトに追加された後は、ユーザーの選択や個々のOffice 365ライセンスの編集が可能になります。
- MigrationWizは、プロジェクトに沿ったOffice 365テナントの構成を、自動的に開始します。このプロセスには、1000ユーザーあたり最大1時間かかる場合があります。
- 移行元エンドポイントからユーザーが自動的にプロジェクトに追加されます。
- MigrationWizは、メールが有効な連絡先として、移行先にユーザーを作成します。詳細については、併用設定を使用した、テナントからテナントへの移行における動作を参照してください。
- 移行は、任意のユーザーをまとめ、複数回に分けて実行することが可能ですが、すべてのユーザーが同じプロジェクトに属している必要があります。移行を実行する準備が整ったら、その移行サイクルで移行するユーザーを選択します。
- 前段階移行(Pre-Stage Migration)を実行します。これにより、移行先でメールボックスライセンスを割り当てられた連絡先がユーザーアカウントに変換され、選択したライセンスがユーザーに適用され、メールボックスの作成プロセスが開始されます。さらに、移行先から移行元へのメール転送が設定されます。
注:- メールボックスの作成には最大24時間かかる場合があります。メールボックスが使用可能になると、移行が開始されます。24時間以内にデータ移行が開始されない場合は、サポートにお問い合わせください。詳細については、製品のサポートを受けるにはどうすればよいですか?を参照してください。
- 前段階移行(Pre-Stage Migration)が開始されると、移行プロジェクトで選択したOffice 365ライセンスを変更することはできなくなります。
- 特定のユーザ群に対し、カットオーバーを実行するタイミングになった際は、当該ユーザーを選択し、完全移行(Full Migration)を実行します。これにより、今度は移行元(から移行先)にメール転送が設定され、移行先のメールボックスから(移行元へ)の転送設定が削除されます。
- すべてのユーザーが正常に移行されたら、DNSプロバイダーのポータルでMXレコードを切り替えます。その際に、AutoDiscover(CName)の設定も含めます。
- ユーザーリストを確認し、「移行に失敗しました」という赤いエラー表示をクリックします。表示された情報に従って操作を行ってください。
- 移行中にエラーが発生した場合は、そのユーザーを選択して、 「エラーの再試行(Retry Errors)」 を実行します。詳細については、移行に失敗したアイテムを再試行するにはどうすればよいですか?を参照してください。
- 問題が解決しない場合は、サポートにお問い合わせください。詳細については、製品のサポートを受けるにはどうすればよいですか?を参照してください。
- MigrationWizダッシュボードの棒グラフアイコンをクリックすると、プロジェクトの移行統計情報をすべて含むメールを受信することができます。詳細については、移行プロジェクトの統計情報をリクエストするにはどうすればよいですか?を参照してください。