Google Workspace (Gmail API)からExchange Online (Microsoft 365)への移行ガイド

本ドキュメントでは、Gmail APIエンドポイントを使用して、Google WorkspaceからExchange Online (Microsoft 365)に移行する手順について説明します。 

初めての移行

本ガイドでは、移行の実行に必要な手順について説明します。移行の準備には、多くの手順を実行する必要があります。初めて移行を実行する際は、移行計画と戦略を参照してください。移行の計画と設定、および一般的な移行のベストプラクティスについて説明しています。移行を開始する前に、内容を確認することをお勧めします。

制限

MigrationWizは移行ツールであり、同期ツールではありません。移行完了後に移行元のアイテムに変更が加えられた場合、その変更は移行先には反映されません。同様に、移行先で加えられた変更も、移行元には反映されません。MigrationWizには、(同期エージェントのような)「ライブ」での変更のモニタリング機能はなく、ユーザーの操作なしに競合解決などを処理することはできません。

アプリパスワードは、Microsoft 365エンドポイントではサポートされていません。

MigrationWizでは、移行可能な最大ファイルサイズは、移行タイプと環境によって異なります。ただし、60GBを超えるファイルを移行することはできません。

一部のアイテムタイプは、移行されません。下のバーをクリックすると、移行できるアイテムタイプと移行されないアイテムタイプの全リストが表示されます。弊社では、より良い移行を提供するための取り組みを続けており、リストのアイテムは、今後変更される可能性があります。

重要

  • Google Workspaceを移行元とする移行では、連絡先グループ(連絡先フォルダーのサブフォルダーのように見えます)内の連絡先は、移行先の最上位の連絡先フォルダーに移行されます。移行先では、連絡先グループごとにフォルダーが作成されますが、移行された連絡先は、それらのフォルダーには分類されません。
  • カレンダーには、複数の所有者を設定することができます。所有者とは、「変更および共有の管理権限」を持つユーザーのことを指します。デフォルトでは、共有カレンダーは、この権限を持つユーザーに移行されます。
移行でマッピングされるアイテム

Gmailの「関係」フィールドは、完全には移行されません。マッピングされるアイテムは、次のとおりです。 

Google連絡先のフィールド

Microsoft 365でのマッピング

注釈

Content.content (内容)

contact body (連絡先本文)

本文内の説明

Sensitivity (秘密度)

Sensitivity (秘密度)

 

Priority (優先度)

Importance (重要度)

 

Initials (イニシャル)

Initials (イニシャル)

 

Nickname (ニックネーム)

Nickname (ニックネーム)

 

Name.FullName (フルネーム)

Subject (件名)

 

Name.FullName (フルネーム)

FileAs (並べ替えに使用する名前)

 

Name.GivenName (名)

GivenName (名)

 

Name.FamilyName (姓)

Surname (姓)

 

Name.NameSuffix (敬称(名前の後))

Generation (敬称)

 

Name.AdditionalName (ミドルネーム)

MiddleName (ミドルネーム)

 

Organization (主たる勤務先)

CompanyName (会社名)

名前、部署、役職、職務内容も格納されます。

Organization (従たる勤務先)

Companies (会社)

名前、部署、役職、職務内容も格納されます。

Emails (メール)

EmailAddresses (メール アドレス)

最初の3つのみが格納され、その他はオーバーフロープロパティに格納されます。

IMs (チャット)

IMAddresses (チャット)

最初の3つのみが格納され、その他はオーバーフロープロパティに格納されます。

Phone numbers (電話番号)

PhoneNumbers (電話番号)

Types: (種類)

  • home (自宅の電話)
  • home fax (自宅FAX)
  • mobile (携帯電話)
  • pager (ポケットベル)
  • work (勤務先の電話)
  • work fax (勤務先FAX)
  • other (その他)

すでに設定済みの番号がある場合は、オーバーフロー連絡先プロパティに追加されます。

Postal Addresses (住所)

Physical Addresses (住所)

Types: (種類)

  • home (自宅の電話)

  • work (勤務先の電話)

  • other (その他)

すでに設定済みの住所がある場合は、オーバーフロー連絡先プロパティに追加されます。

都市、国または地域、郵便番号、都道府県、番地も格納されます。

Events (イベント)

Wedding Anniversary (結婚記念日)

その他はオーバーフロープロパティに格納されます。

Relations (value = "assistant") (アシスタント)

AssistantName (アシスタント)

 

Relations (value = "child") (子ども)

Children (子)

 

Relations (value = "domestic-partner") (同棲相手)

SpouseName (配偶者/パートナー)

 

Relations (value = "manager") (上司)

Manager (上司)

 

Relations (value = "partner") (パートナー)

SpouseName (配偶者/パートナー)

 

Relations (value = "spouse") (配偶者)

SpouseName (配偶者/パートナー)

 

Relations (value = others) (その他)

その他はオーバーフロープロパティに格納されます。

 

Mileage (マイレージ)

Mileage (マイレージ)

 

ContactPhotoInBytes (写真)

Attachments (添付ファイル)

 

User defined fields (ユーザー定義フィールド)

すべてオーバーフロープロパティに格納されます。

 

Name.GivenNamePhonetics (名の読み方) + Name.AdditionalNamePhonetics (ミドルネームの読み方)

拡張プロパティとして格納されます。

 

Name.FamilyNamePhonetics (姓の読み方)

拡張プロパティとして格納されます。

 

contactEntry.Name.NamePrefix (敬称(名前の前))

拡張プロパティとして格納されます。

 

Birthday (誕生日)

拡張プロパティとして格納されます。

 

Websites (ウェブサイト)

拡張プロパティとして格納されます。

 

移行できるアイテム
  • 受信トレイ
  • フォルダー/ラベル
  • メール
  • ミュートされたメール(通常のメールとして)
  • 連絡先
  • カレンダー(カレンダー会議内のGoogleハングアウトへのリンクを含む)
  • カレンダー通知
  • Googleカテゴリ(カテゴリフラグ:ソーシャル、プロモーション、更新、フォーラム)

Googleハングアウトへのリンクは、Google Meetに追加された新しいデフォルト機能です。Microsoft 365には、対応するプロパティがありません。したがって、移行先がMicrosoft 365の場合、Googleハングアウトへのリンクは、Microsoft 365の会議説明本文の先頭に追加されます。

移行元にGoogle APIエンドポイントを使用する場合

Google APIエンドポイントを使用する場合は、以前と同様に、上記のすべてのアイテムを移行することができます。また、次のアイテムの移行も可能になります。IMAPエンドポイントを使用する場合は、これらのアイテムは移行されません。

  • Googleカテゴリ(カテゴリフラグ:ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラム)
  • スヌーズおよびスケジュールされたメール - 通常のメールのように、移行先のカスタムラベルに移行されます。メールのプロパティは、移行されません。
移行されないアイテム

すべてのインスタンスで移行されないアイテム

  • カレンダーのリマインダー
  • Google Spaces
  • Google Spacesでのチャット
  • 予定
  • チャットメッセージの添付ファイル
  • ビジネス向けGoogleグループ(フォーラムおよび共同トレイを含む)

移行元がGoogle Workspaceの場合に移行されないアイテム

  • カレンダーの添付ファイル
  • カレンダーのリマインダー
  • タスク
  • チャットとチャット履歴
  • Googleドライブにリンクされたメールの添付ファイル
  • カレンダーの一部の色
  • ルール
  • カレンダー権限

機能と制限の詳細については、MigrationWiz:移行できるアイテムと移行されないアイテム参照してください

重要

すべての色カテゴリのメタタグは移行されますが、Google WorkspaceからMicrosoft 365への直接のカラーマッピングは行われません。このため、一部の色はマップされず、Microsoft 365のカレンダーエントリの色として表示されません。

移行元環境を準備する

移行元エンドポイントがGoogle Workspace (Gmail API)の場合、テナントにサービスアカウントを設定して、Google APIを有効にする必要があります。

前提条件

  • Google Cloud Platformのサブスクリプション

  • Google特権管理者アカウント

  • Google Workspaceテナントにサービスアカウントを設定する知識

  • サービスアカウントは、MigrationWizプロジェクトを作成する前に設定する必要があります。

  • 移行するすべてのアカウントを、テナント内でアクティブ状態にする必要があります。ステータスが非アクティブに設定されているユーザーは、完全には移行することができないため、プロジェクト内で移行が失敗します。

Googleプロジェクトを作成する

  1. Google Cloud Platform (GCP)コンソールにアクセスし、特権管理者としてログインします。次のいずれかの方法を選択します。

    • Google Cloud Platformコンソールを初めて使用する場合は、利用規約に同意し、「プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。

    • 以前にGoogle Cloud Platformコンソールを使用したことがある場合は、画面上部の最新のプロジェクト名の横にある「下へ(Down)」をクリックして、プロジェクトリストを開きます。「新しいプロジェクト(New Project)」をクリックします。

  2. プロジェクト名を入力し、「作成(Create)」をクリックします。

プロジェクトを作成できない場合、テナントのプロジェクト作成機能が無効になっている可能性があります。これを確認するには、Google管理コンソールに移動して、「アプリ(Apps)」 「その他のGoogleサービス(Additional Google Services)」をクリックし、「Google Cloud Platform」を選択します。ユーザーにプロジェクトの作成を許可するための設定項目が表示されます。

サービスアカウントのAPIを有効にする

  1. Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 「APIとサービス(APIs & Services)」 「ライブラリ(Library)」をクリックします。

  2. 以下のAPIを選択し、「有効にする(Enable)」をクリックして、有効化します。APIごとに操作を繰り返します。

    • Google Calendar API

    • Gmail API

    • People API
    • Contacts API

    • Admin SDK

Googleのテナント内で、Gmail、カレンダー、連絡先サービスが有効になっていることを確認してください。ユーザーが利用するサービスを制御する方法については、次のガイドを参照してください。 Google Workspaceユーザー向けにサービスを有効または無効にする

顧客のテナントでサービスアカウントを作成する

  1. Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 「IAMと管理(IAM & Admin)」 「サービスアカウント(Service Accounts)」をクリックします。
  2. サービスアカウントを作成(Create Service Account)」をクリックして、名前を入力します。
  3. 作成(Create)」をクリックします。
  4. 「役割(Role)」ドロップダウンメニューから「オーナー(Owner)」を選択して、新しいサービスアカウントにオーナーの役割を付与します。
  5. 続行(Continue)」をクリックします。
  6. 完了(Done)」をクリックします。
  7. サービスアカウントの右側にある「3点リーダー」をクリックし、「鍵を管理(Manage Keys)」 「鍵を追加(Add Key)」 「新しい鍵を作成Create new key)」をクリックします。
  8. JSON形式が選択されていることを確認し、「作成(Create)」をクリックします。
  • キーは必ずJSONファイルとしてダウンロードし、ファイルの名前と保存場所を書き留めてください。このJSONファイルは、メールボックス移行プロジェクトで移行エンドポイントを設定する際に使用します。
  • JSONファイル内の “type”、“private_key”、“client_email” の各フィールドには、情報が記載されている必要があります。これらのフィールドは必須で、空欄になっていると、エンドポイント作成時にファイルをアップロードできません。
  • 閉じる(Close)」をクリックします。

移行のスコープを設定する

  1. Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)(Google_Menu.png)」 「IAMと管理(IAM & Admin)」 「サービスアカウント(Service Accounts)」をクリックします。
  2. 上記の手順で作成したサービスアカウントを特定します。
  3. サービスアカウントの「一意のID(Unique ID)」フィールドを特定し、番号をコピーします。この番号は、クライアントIDとして後の手順で使用します。
    注:
    • 「一意のID(Unique ID)」フィールドを表示するには、ビューへの追加が必要になる場合があります。「列表示オプション(Column display options)」ボタン(UniqueID2.png)をクリックし、「一意のID(Unique ID)」のチェックボックスをオンにして、「OK」をクリックします。
    • クライアントIDは、管理者アカウントのパスワードと同様に、厳重に管理してください。
  4. Google Workspaceの管理ページadmin.google.comにアクセスし、「セキュリティ(Security)」 「詳細設定(Advanced Settings)」 「APIクライアントアクセスを管理(Manage API Client Access)」をクリックします。
    または
    アカウントにGoogleの最新のUIが表示されている場合は、Google Workspaceの管理ページadmin.google.comにアクセスし、「セキュリティ(Security)」 「アクセスとデータの制御(Access and Data Controls)」 「APIの制御(API Controls)」をクリックします。
  5. 「ドメイン全体の委任(Domain-wide delegation)」までスクロールして、「ドメイン全体の委任を管理(Manage domain-wide delegation)」をクリックします。
  6. 新しく追加(Add New)」 をクリックします。
  7. 「クライアントID(Client ID)」フィールドに、上でコピーした一意のIDを貼り付けます。
  8. Google Workspaceが移行元か移行先かに応じて、次のスコープグループのいずれかを「OAuthスコープ(OAuth Scopes)(カンマ区切り)」フィールドに入力します。

移行元がGoogle Workspaceの場合(読み取り専用スコープ)
https://mail.google.com/, https://www.google.com/m8/feeds, https://www.googleapis.com/auth/contacts.readonly, https://www.googleapis.com/auth/calendar, https://www.googleapis.com/auth/calendar.readonly, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.group.readonly, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.user.readonly, https://www.googleapis.com/auth/drive, https://sites.google.com/feeds/, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.sharing, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.basic,https://www.googleapis.com/auth/contacts.other.readonly 

9.「承認(Authorize)」をクリックします。

以下のように、特定の一意のIDとスコープが一覧表示されます。

40520a97-ba80-46f1-ae4b-710e52fe251f.png
2c5866c2-efbb-499f-89a2-e55f36b8f5e7.png

移行先環境を準備する

  1. 移行先のMicrosoft 365テナントでユーザーアカウントを設定し、ライセンスを割り当てます。これにはいくつかの方法があります。オプションは、次のとおりです。

  2. 移行に使用する管理者アカウントをMicrosoft 365で作成するか、テナントのグローバル管理者アカウントを使用します。サービスアカウントには、少なくともメールボックスへのフルアクセス権と偽装権限が必要です。Exchange Onlineでは、委任ではなく偽装を使用することをお勧めします。偽装を手動で設定する手順については、Microsoft 365およびExchangeでの移行におけるMigrationWizの偽装と委任を参照してください。

  3. 管理者がユーザーのメールボックスにアクセスできるかどうかをテストします。
    domainname.comではなく、tenantname.onmicrosoft.comアドレスへのアクセスをテストしてください。tenantname.onmicrosoft.comアカウントが、Microsoft 365の各メールボックスに紐づいていることを確認してください。デフォルトでは紐づいていますが、紐づいていない場合は、各アカウントにtenantname.onmicrosoft.comアドレスをエイリアスとして追加する必要があります。Microsoft 365管理ポータルまたはPowerShellスクリプトを介して、追加することができます。詳細については、EWSを使用してメールボックスのアクセシビリティを確認する(Verify Mailbox Accessibility via EWS)を参照してください。

先進認証の要件

Microsoft 365(全製品)の移行における認証方法の記事の「MigrationWizとExchange Onlineテナント間でEWSの先進認証を有効化する」セクションに記載されている手順は、移行元と移行先がExchange Onlineの場合のメールボックス、アーカイブメールボックス、およびパブリックフォルダープロジェクトで、Exchange Webサービス(EWS)を使用する場合に、移行元および移行先の両テナントに適用されます。この設定手順は、グローバル管理者アカウントを使用して実行します。

移行先環境を準備する前に、上記のドキュメントを確認してください。

MigrationWizでの手順

メールボックス移行プロジェクトを作成する

  1. MigrationWizダッシュボードで、「マイ・プロジェクトへ」をクリックします。

  2. プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。

  3. メールボックスプロジェクトを作成(Create a Mailbox Project)」を選択します。 

  4. 次のステップ」をクリックします。

  5. 「プロジェクト名(Project Name)」に名前を入力し、「顧客(Customer)」の一覧から顧客を選択します。

    1. 顧客が作成されていない場合は、新たに作成します。

    2. 顧客を作成するには、「新規(New)」をクリックし、「プライマリメールドメイン(Primary Email Domain)」や「会社名」などの必要事項を入力して、「保存(Save)」をクリックします。

  6. 次のステップ」をクリックします。

  7. 「移行元の設定」で、「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、「G Suite (Gmail API)」を選択します。

    • エンドポイントが作成されていない場合は、「新規」クリックします。

      1. 「エンドポイント名(Endpoint Name)」フィールドに、名前を入力します。

      2. 「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」ドロップダウンメニューから、「G Suite (Gmail API)」を選択します。

      3. JSONファイルをアップロードして、サービスアカウントを設定します。

      4. Google Workspaceアカウントの有効な「特権管理者メールアドレス(Super Administrator Email Address)」を入力します。特権管理者のドメインは、エンドユーザーのドメインと同じである必要があります。

  8. 「移行先の設定(DESTINATION SETTINGS)」で、「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、「Microsoft 365」を選択します。

    • エンドポイントが作成されていない場合は、「新規」クリックします。

      1. 「エンドポイント名(Endpoint Name)」フィールドに、名前を入力します。

      2. 「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」ドロップダウンメニューから、「Microsoft 365」を選択します。

      3. 必要に応じて、「資格情報を提供する(Provide Credentials)」または「資格情報を提供しない(Do not provide credentials)」を選択します。

        1. 「資格情報を提供する(Provide Credentials)」を選択すると、フォームが展開し、「管理者ユーザー名(Administrator Username)」と「管理者パスワード(Administrator Password)」のフィールドが表示されます。資格情報は、選択したサービスにMigrationWizがアクセスする際に使用されます。クラウドサービスへのアクセスには、多くの場合、管理者アカウントの資格情報が必要です。資格情報の提供により、MigrationWizは、これらのサービスにフルアクセスできるようになります。

        2. 「資格情報を提供しない(Do not provide credentials)」を選択すると、MigrationWizは、移行を開始する前に、エンドユーザーに対して資格情報の提供を要求します各エンドユーザーが資格情報を入力する必要があるため、移行に時間がかかる可能性があります。

  9. 「アプリケーション(クライアント)ID」フィールドと「ディレクトリ(テナント)ID」フィールドは、必ず入力してください。入力しないと、プロジェクトを保存することができません。

    Destintation Settings.png

  10. 保存して概要へ移動をクリックし、保存をクリックします

重要

移行先エンドポイントを設定する際は、「クライアントID」フィールドと「テナントID」フィールドに必ず入力してください。入力しないと、移行プロジェクトを保存することができません。

移行元および移行先エンドポイントのいずれか、または両方に資格情報が提供され、顧客が「保存して概要へ移動」をクリックすると、MigrationWizは、Microsoft 365エンドポイントの検証を実行します。

この検証では、プロジェクトに入力された管理者資格情報と先進認証の設定のみが検証されます。問題がある場合は、エンドポイント設定画面にリダイレクトされ、エラー メッセージまたはポップアップが表示されます。クリックすると、エラーに関する詳細情報を表示することができます。

エンドポイント設定時の一般的なエラー

詳細については、Exchange OnlineでのEWSの先進認証におけるMigrationWizの最も一般的なエラー(Most Common Errors Encountered in MigrationWiz while using Modern Authentication for EWS in Exchange Online)の記事のAADSTS700016」、AADSTS90002」、および ADDSTS50126の説明を参照してください。

ユーザーを追加する

次のいずれかのオプションを使用して、移行するアカウント(アイテム)をプロジェクトに追加します。

クイック追加(Quick Add)

このオプションを使用すると、アイテムを1つずつ追加することができます。プロジェクトの設定時に管理者資格情報を入力した場合は、「メールアドレス(Email Address)」のみを入力します。管理者資格情報を入力しなかった場合は、次のユーザー情報を入力します。

  • メールアドレス(Email Address)
  • ログイン名(Login Name)
  • パスワード(Password)
  • メールボックスのステータス(Mailbox Status)
一括追加

「一括追加」では、ユーザーの移行元と移行先のメールアドレスが記載されたCSVファイルを使用して、ユーザーをプロジェクトに一括で追加します。テナントから特定のグループのみを移行する場合は、この「一括追加」オプションを使用することをお勧めします。

MigrationWizでは、メールボックスをシステムに一括でインポートすることができます。

1つ以上のメールボックスをインポートする方法

  1. MigrationWizアカウントにサインインします
  2. 「一括追加」を実行するプロジェクトを選択します。
  3. 新しいアイテムを追加(Add New Items)」をクリックします。
  4. 一括追加」をクリックします。
  5. ページの指示に従って、操作を続けてください。
MSPCompleteから追加(Add From MSPComplete)
このオプションを使用すると、以前にMSPCompleteまたは別のワークロードで顧客に追加したユーザーを、プロジェクトに追加することができます。

「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスを購入して適用する

MigrationWizで移行プロジェクトを実行するには、ライセンスが必要です。ライセンスの価格を確認、または購入するには、MSPCompleteまたはMigrationWizダッシュボードの上部にある「購入(Purchase)」ボタンをクリックします。

支払い方法: クレジットカードの他、特定の条件を満たしている場合は、電信送金での支払いも可能です。 

  • クレジットカードで購入する場合、即座に支払い手続きが行われます。支払いが完了すると、ライセンスがログインアカウントに付与されます。

  • 100以上のライセンスを購入する場合は、電信送金を利用することができます。100以上のライセンスを購入すると、決済時に電信送金を利用するオプションが表示されます。電信送金で購入する場合、購買部および銀行で必要となる、電信送金の詳細情報が記された請求書が生成されます。システムによる支払い確認が完了すると、ライセンスが即座にログインアカウントに付与されます。 

本プロジェクトタイプでは、「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスを使用することをお勧めします。 

  • 「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスでは、ユーザーのメールボックス、ドキュメント、およびアーカイブデータを移行することができます。

  • 「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスの詳細

    • 「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスでは、1ライセンスあたりの移行可能データ量に制限はありません。

    • 「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスは、移行を実行する顧客のユーザーに適用され、購入日から1年間有効です。

    • ユーザーにライセンスを適用する方法の詳細については、 MigrationWizのライセンスおよびライセンス付与を参照してください。

プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」を設定する

Gmailラベルを移行する

Gmailラベルを移行する際は、2つの詳細オプションを使用することができます。

  1. ラベルをフォルダーに変換する(Convert labels to folders)このオプションを使用すると、移行元のユーザーラベルは移行先でフォルダーに変換され、メールは移行先の対応する各フォルダーに複製されます。

  2. ラベルをExchangeカテゴリに変換する(Convert labels to categories):このオプションを使用すると、移行元のすべてのメールのコピーが、移行先のカスタムフォルダー「All Mail」 に移行されます。移行元のすべてのラベルは、Exchangeカテゴリに変換され、移行先の各アイテムに紐づけられます。 

詳細な手順については、Gmail/Google Workspace(旧G Suite)の移行に関するよくある質問を参照してください。

連絡先候補(「その他の連絡先(Other Contacts)」ラベルの連絡先)を移行する

2つの推奨オプションがあります。詳細については、MigrationWiz - メールボックス移行(MigrationWiz - Mailbox Migrations)を参照してください。

  1. 「その他の連絡先(Other Contacts)」を移行する(Migrate Suggested Contacts (Other Contacts)):Google連絡先の「その他の連絡先(Other Contacts)」ラベルに表示される連絡先は、移行先の「提案された連絡先(Suggested Contacts)」フォルダーに移行されます。これらの連絡先は、メインの「連絡先(My Contacts)」には表示されません。

  2. 「その他の連絡先(Other Contacts)」をスキップする(Skip Suggested Contacts (Other Contacts)):「その他の連絡先(Other Contacts)」ラベルに表示される連絡先は、移行されません。

非表示の招待状を移行する

プライマリカレンダーの非表示の招待状は、デフォルトでは移行されません。移行元のプライマリカレンダーの非表示の招待状を移行する必要がある場合は、詳細オプションを追加してください。重要: このサポートオプションを使用して移行した招待状は、非表示ステータスを保持しません。

  1. プロジェクトの編集」をクリックし、「詳細オプション(Advanced Options)」を選択します。

  2. 「サポート(Support)」タブ内の「サポートオプション(Support Options)」フィールドに、次のテキストを追加します。MigrateHiddenInvitations=1

現在、この詳細オプションは、Google Workspace (API)からExchange Online (Microsoft 365)へのメールボックス移行プロジェクトでのみ使用することができます。

SuppressMeetingInvitationException=1

カレンダーの招待状を移行する際、メール本文のMIMEコンテンツがEWSの混乱を招き、移行速度が低下する場合があります。このサポートオプションを設定すると、例外が発生することなく、カレンダーの招待状が確実に移行されます。

EWSで例外が発生しても、すべてのカレンダーの招待状が移行先に正しく作成されます。

デフォルトオプション

プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の「サポート(Support) 」タブ内に表示される、移行先の「クライアントID」および「テナントID」は、表示専用です。そのため、この「サポートオプション(Support Options)」フィールドから編集や削除を行うことはできません。編集するには、「プロジェクトの編集」を行う必要があります。

警告

デフォルトの詳細オプションを更新することはできません。オプションを変更したり、新規に追加すると、次のメッセージが表示されます。
Duplicate Support Option.png

移行を実行する

本セクションでは、移行の実行方法について説明します。各見出しは1つの手順を示しており、本文内で具体的な手順を説明しています。以下の手順を順番に実行してください。依存関係やベストプラクティスに関する重要な情報については、「注」を参照してください。

「資格情報の検証(Verify Credentials)」を実行する

  1. 検証するアイテムを含むプロジェクトを開きます。

  2. 検証するアイテムを選択します。

  3. ダッシュボードの「移行を開始」ボタンをクリックします。

  4. ドロップダウンリストから、「資格情報の検証(Verify Credentials)」を選択します。

  5. 検証が完了したら、ステータス(Status)セクションを選択し、検証の結果を表示します。

評価(Assessment)

  1. 「評価(Assessment)」の実行は任意ですが、これを実行すると、Gmailのフォルダーおよびアイテムの総数を取得することができます。

  2. 評価するアイテムを含むプロジェクトを開きます。

  3. 評価するアイテムを選択します。

  4. ダッシュボードの「移行を開始」ボタンをクリックします。

  5. ドロップダウンリストから、「評価(Assessment)」を選択します。

  6. MigrationWizダッシュボードの「棒グラフアイコン」をクリックすると、プロジェクトのすべての移行統計情報をメールで受信することができます。

  7. ラインアイテムのフォルダー数とメール数を確認します。

    1. メールボックスサイズ(バイト)は、選択したアイテムタイプ(メール、連絡先、カレンダー)の合計サイズを示しています。

    2. フォルダー数は、メール、連絡先、カレンダーの各フォルダーの合計数を示しています。

      • これはフォルダーの合計数であり、フォルダー内のアイテム数ではありません。
  8. 詳細については、MigrationWiz「評価(Assessment)」ツールの記事を参照してください。

ユーザーに通知する

移行の開始を知らせる最終通知メールを送信します。通知メールには、移行の開始時期、移行にかかる時間(期間)、移行中の取り扱い方法、移行後に必要な手順やその他の通知事項を記載します。

前段階移行(Pre-Stage Migration)サイクル

  1. ユーザーを選択します。

  2. 上部の「移行を開始」ボタンをクリックし、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を選択します。

  3. 「移行のスケジューリング」セクションのドロップダウンリストから、「90日前(90 Days Ago)」を選択します。

  4. 移行を開始」をクリックします。 

MXレコードカットオーバー

「前段階移行(Pre-Stage Migration)」が正常に完了したことを確認したら、DNSプロバイダーのポータルにログインし、移行先のMicrosoft 365テナントのDNS設定を反映するように、プライマリMXレコードを変更します。

「完全移行(Full Migration)」(差分移行)サイクル

  1. ユーザーを選択します。

  2. 上部の「移行を開始」ボタンをクリックします。

  3. 完全移行(Full Migration)」を選択します。

  4. 「連絡先(Contacts)」、「カレンダー(Calendars)」、「メール(Mail)」のチェックボックスをオンまたはオフにして、移行するアイテムを選択します。

  5. 移行を開始」をクリックします。
    ほとんどのデータが「前段階移行(Pre-Stage Migration)」で移行されているため、この差分移行はすぐに完了します。 

「エラーの再試行(Retry Errors)」を実行する

移行されなかったアイテムは、エラーとしてログに記録されています。MigrationWizには、移行に失敗したアイテムを再移行する「エラーの再試行(Retry Errors)」モードが実装されています。このモードは、無料で使用することができます。メールボックス移行で「エラーの再試行(Retry Errors)」モードを使用するには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 直前の移行が正常に完了した。

  2. メールボックスに1つ以上のエラーが含まれている。

メールボックスが上記の条件を満たしていない場合は、「エラーの再試行(Retry Errors)」モードで移行を実行しようとしても、警告が表示され、移行を開始することはできません。

1つ以上のメールボックスを「エラーの再試行(Retry Errors)」モードで移行するには、次の手順を実行します。

  1. 移行エラーがあるメールボックスを選択します。

  2. 移行を開始」ボタンをクリックします。

  3. メニューから、「エラーの再試行(Retry Errors)」を選択します。

  4. エラーを再試行する」ボタンをクリックします。

エラーは、修復されるとエラーログから消去されます。移行元アイテムが(フィルターなどにより)再処理されなかった場合や、すでに削除または移動されていた場合、あるいは再び移行に失敗した場合は、エラーが消去されないことがあります。

移行後の操作

MigrationWizダッシュボードの「棒グラフアイコン」をクリックすると、プロジェクトのすべての移行統計情報をメールで受信することができます。

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