はじめに
本ガイドは、Google DriveからGoogle Driveにフォルダとドキュメント(ファイル)を移行するための導入手順書です。 表記されている順序に従い、各ステップを完了してください。関連するナレッジベース記事については、リンクを参照してください。
移行元と移行先のGoogle Driveは有料版である必要があります。無料版のGoogle Driveのアカウントはサポートされていません。 移行元と移行先の設定には、Google管理者アカウントが必須です。
「共有アイテム(Shared with Me)」内のアイテムとフォルダーは移行されません。「マイドライブ(My Drive)」内のアイテムのみが移行されます。「共有アイテム(Shared with Me)」内のアイテムを移行するには、「マイドライブ(My Drive)」に追加する必要があります。
移行されるアイテムを確認するには、どのアイテムが MigrationWiz で移行されますか?とMigrationWiz で移行されないのはどのアイテムですか?の記事を参照してください。
MigrationWizは移行ソリューションであり、同期ソリューションではありません。そのため、以前に実行された移行サイクルで移行されたアイテムの更新、削除、または移動を追跡しません。MigrationWizには(同期エージェントのような)「ライブ」での変更のモニタリング機能がないため、ユーザーの操作なしに競合解決などの処理はできません。
MigrationWizは、ワークグループ全体に対し、移行プロジェクトを共有する機能をサポートしています。プロジェクト共有機能をオンにすると、非アクティブ(Inactive)なエージェントを除いたすべてのエージェントに、全移行プロジェクトが表示されます。詳細については、MigrationWizの「プロジェクト共有 (Project Sharing)」を参照してください。
移行元環境の準備
Google Drive (Own Service Account)エンドポイント (顧客テナントに属するサービスアカウントを使用するエンドポイント)
移行元エンドポイントがGoogle Drive の場合、テナントにサービスアカウントを設定して、Google APIを有効にする必要があります。移行元エンドポイントの環境を設定するには、以下の手順に従ってください。
前提条件:
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Google Cloud Platformへのサブスクリプション
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Google特権管理者アカウント
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G Suiteテナントにサービスアカウントを設定する知識
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サービスアカウントは、MigrationWizプロジェクトを作成する前に設定する必要があります。
ステップ1:Googleプロジェクトを作成する
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Google Cloud Platform (GCP) Consoleに移動し、特権管理者としてログインします。以下の方法のいずれかを選択します:
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Google Cloud Platformコンソールを初めて使用する場合は、利用規約に同意し、「プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。
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以前にGoogle Cloud Platformコンソールを使用したことがある場合は、画面上部の最新のプロジェクト名の横にある「下へ(Down)」をクリックして、プロジェクトリストを開きます。次に、「新しいプロジェクト(New Project)」をクリックします。
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プロジェクト名を入力し、「作成(Create)」をクリックします。
ステップ2:サービスアカウントのAPIを有効にする
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Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 > 「APIとサービス(APIs & Services)」 > 「ライブラリ(Library)」をクリックします。
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以下のAPIを選択し、「有効にする(Enable)」をクリックしてください。
APIごとに操作を繰り返してください:-
Google Drive API
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Admin SDK
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Googleテナント内で各サービスが有効になっていることを確認してください。ユーザーが利用するサービスを制御するには、次のページのインストラクションを参照してください。 Control who can access G Suite and Google Services.
ステップ3:顧客のテナントでサービスアカウントを作成する
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Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 > 「IAMと管理(IAM & Admin)」 > 「サービスアカウント(Service accounts)」をクリックします。
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「サービスアカウントを作成(Create Service Account)」をクリックして、名前を入力します。
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「作成(Create)」をクリックします。
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「役割(Role)」ドロップダウンメニューから「オーナー(Owner)」を選択して、新しいサービスアカウントにオーナーの役割を付与します。
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「完了(Done)」をクリックします。
- 「サービスアカウント(Service Accounts)」のページに戻ります。
- 「サービスアカウント(Service Accounts)」のページで、上記で作成したサービスアカウントの「操作(Actions)」列の下にある縦の3点リーダーをクリックします。
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「鍵を作成(Create Key)」をクリックします。
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「鍵を作成(Create Key)」をクリックします。
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「キーのタイプ(Key Type)」としてJSON形式が選択されていることを確認します。
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「作成(Create)」をクリックします。
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「閉じる(Close)」をクリックします。
注:-
キーは必ずJSONファイルとしてダウンロードし、ファイルの名前と場所を書き留めてください。このJSONファイルは、メールボックス移行プロジェクトで移行エンドポイントを設定する際に使用します。
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JSONファイルのフィールドには、“type”、“private_key”、 “client_email”が含まれている必要があります。これらは必須フィールドで、空欄になっていると、エンドポイント作成時にファイルのアップロードが成功しません。
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ステップ4:移行のスコープを設定する
Google Cloud Platformコンソールで:
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- 「メニュー(Menu)」をクリックします。
- 「IAMと管理(IAM & Admin)」 をクリックします。
- 「サービスアカウント(Service Accounts)」をクリックします。
- 「ステップ3:顧客のテナントでサービスアカウントを作成する」で設定したサービスアカウントを見つけます。
- 「操作(Actions)」の右上隅にある「列表示オプション(Column Display Options)」ボタンをクリックして、当該サービスアカウントの「一意のID(Unique ID)」フィールドを表示させ、「一意のID(Unique ID)」の値(番号)をコピーします。これは、後のステップで使用されるクライアントIDの番号です。
注:- この「一意のID(Unique ID)」フィールドを表示するには、多くの場合、ビューへの追加が必要となります。「列表示オプション(Column display options)」ボタンをクリックし、「一意のID(Unique ID)」のチェックボックスをオンにし、「OK」をクリックします。
- このクライアントIDは、管理者アカウントのパスワードと同様に厳重に管理してください。
- テナントでGoogleのUIが更新されているかどうかに応じて、下記2つのオプションのいずれかを実行します。
旧Googleテナント:
- google.comでG Suiteの管理ページに移動します。
- 「セキュリティ(Security)」をクリックします。
- 「詳細設定(Advanced Settings)」をクリックします。
- 「APIクライアントアクセスの管理(Manage API Client Access)」をクリックします。
または、Googleアカウントに次のような更新されたGoogleのUIが表示されている場合:
- google.comでG Suiteの管理ページに移動します。
- 「セキュリティ(Security)」をクリックします。
- 「詳細設定(Advanced Settings)」をクリックします。
- 「ドメイン全体の委任(Domain-wide delegation)」の下にある「ドメイン全体の委任を管理(Manage domain-wide delegation)」をクリックします。
- 「ドメイン全体の委任の管理(Manage domain-wide delegation)」ページで、「新しく追加(Add new)」をクリックします。
上記の手順をを完了した後:
- 「クライアントID(Client ID)」フィールドに、上記のステップでコピーした「一意のID」を貼り付けます。
- 「OAuthスコープ(OAuth scopes)(カンマ区切り)」フィールドに、以下のすべてのスコープを貼り付けます。
- 移行元エンドポイントの場合:
https://mail.google.com/, https://www.google.com/m8/feeds, https://www.googleapis.com/auth/contacts.readonly, https://www.googleapis.com/auth/calendar.readonly, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.group.readonly, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.user.readonly, https://www.googleapis.com/auth/drive, https://sites.google.com/feeds/, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.sharing, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.basic
あるいは - 移行先エンドポイントの場合(読み取り/書き込みスコープを含める必要があります):
https://mail.google.com/, https://www.google.com/m8/feeds, https://www.googleapis.com/auth/contacts.readonly, https://www.googleapis.com/auth/calendar, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.group, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.user, https://www.googleapis.com/auth/drive, https://sites.google.com/feeds/, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.sharing, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.basic
- 移行元エンドポイントの場合:
- 「承認(Authorize)」をクリックします。
特定の「一意のID」と、そのIDに関連付けられたスコープが一覧表示されます。
移行先環境を準備する
Google Drive (Own Service Account)エンドポイント (顧客テナントに属するサービスアカウントを使用するエンドポイント)
本ガイドの「移行元環境を準備する」の手順に従ってください。
MigrationWizの手順
新しいプロジェクトを作成する
Google Drive (Own Service Account)エンドポイント (顧客テナントに属するサービスアカウントを使用するエンドポイント)
新しい移行プロジェクトを作成するには:
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- 「マイ・プロジェクトへ(Go To My Projects)」 ボタンをクリックします。
- 「プロジェクトを作成(Create Project)」 ボタンをクリックします。
- 作成するプロジェクトの種類をクリックします。本シナリオでは、「ドキュメントプロジェクトを作成(Create a Document Project)」を選択します。 ドキュメントプロジェクトでは、ドキュメント(ファイル)を1つのクラウドストレージから別のクラウドストレージに移行します。ドキュメント移行では、移行元から移行先へ、フォルダー階層を維持したまま移行が行われます。
- 「次のステップ(Next Step)」をクリックします 。
- プロジェクト名(Project Name)名を入力し、「顧客(Customer)」を選択します。
注: MSPCompleteに顧客を追加していない場合は、「新規(New)」をクリックして顧客(Customer)を作成する必要があります。顧客を作成する手順については、顧客の表示、追加、編集を参照してください 。 - 「次のステップ(Next Step)」をクリックします 。
- 移行元の設定で、「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューからエンドポイントを選択するか、新しいエンドポイントを作成します。
注:-
「エンドポイント(Endpoints)」 > 「エンドポイントを追加(Add Endpoint)」をクリックし、エンドポイント名(Endpoint Name)を入力します。エンドポイントの種類(Endoint Type)は、「Google Drive (Own Service Account)」を選択してください。
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「ファイルの選択(Select File)」をクリックし、サービスアカウントの設定時に保存したGoogleのサービスアカウントキーが記載されたJSONファイルを選択します。
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Google管理者アカウントのメールアドレスを入力します。管理者のメールアドレスのドメインは、エンドユーザーのドメインと一致する必要があります。
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- 移行先の設定で、「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから移行先エンドポイントを選択するか、上記の手順に従って新しいエンドポイントを作成します。
- 「保存して概要へ移動(Save and Go to Summary)」をクリックします 。
注: テナントからテナントへの併用設定(Tenant to Tenant Coexistence)を使用してメールボックスを移行する場合は、「テナントからテナントへの併用設定を有効にする(Enable Tenant to Tenant Coexistence)」チェックボックスをオンにします。それ以外の場合は、チェックボックスをオフのままにします。
プロジェクト作成後の操作:
- プロジェクトに移行するアカウント(「ラインアイテム」とも呼称します)を追加します。
注:一括追加(Bulk Add)オプションを使用する場合は、移行元と移行先の(メールアドレス)列のみ入力されていれば大丈夫です。本ガイドの「移行元環境を準備する」セクションのステップ3で作成したCSVファイルを使用することができます。KB004842 - プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」を設定します。KB004834
InitializationTimeout=8
- 初期化のタイムアウト値を8時間に増やします。KB005099DocumentBrowsingMode=FullCopy
.このオプションは、ユーザーがアクセス可能なすべてのコンテンツと関連する権限を移行します。 重要:ユーザーが所有しているファイルが、そのユーザーが所有していないフォルダーにある場合、移行後、移行先のファイルに冗長なリンクが生成されます。
冗長なリンクを削除するには、「詳細オプション(Advanced Options)」の「サポート(Support)」にRemoveRootParentLinkForGDrive=1
を追記して、更に一回、完全移行(Full Migration)サイクルを実行します。ShouldConvertToDestinationFormat=1
このコマンドは、移行されたアイテムをGoogle形式で保持します。詳細については、 Google DriveからMicrosoft OneDriveへの形式変換はどのように処理されますか?(Microsoft OneDriveからGoogle Drive への変換も同様)を参照してください。- 移行プロジェクトが長期にわたる場合、最後の移行サイクルの実行時に、以前に移行したアイテムの内容を確認するための追加の詳細オプションが必要になる場合があります。詳細については、サポート(Support)にお問い合わせください。
注: 上記のコマンドを入力する際は、「=」記号の両側にスペースは入れず、また、大文字と小文字が区別されるため、大文字には特に注意を払うようにしてください。
- 移行サイクルの完了後にエンドユーザーに通知を送信するための「詳細オプション(Advanced Options)」を設定します。
- 通知 > 成功した移行の通知メールの送信先: > 移行元メールアドレス(ユーザーがまだ移行元のG Suiteテナントを使用している場合)または移行先メールアドレス(ユーザーが既に移行先のG Suiteテナントを使用している場合)。
- 通知メールをカスタマイズします。「「成功した移行」の通知メールをカスタマイズする(Customize "successful migration" email)」のチェックボックスをオンにします。カスタマイズしたテキストと会社名を追加してください。
注:通知は、最終移行サイクルの前に設定する必要があります。一回のみ「完全移行(Full Migration)」サイクルを実行する場合は、直ちに設定できます。「前段階移行(Pre-Stage Migration)」戦略に沿って移行を実行する場合は、最後の「完全(差分)移行(Full (Delta) Migration)」サイクルの前に設定してください。
- 「資格情報の検証(Verify Credentials)」を実行します。KB004511
- 「評価(Assessment)」を実行して、移行に必要なライセンスの数を算出します。KB005237
- 移行が行われることをユーザーに通知します。すべてのユーザーにメールを送信し、移行の日時を伝えます。移行中は、移行元のGoogle Driveアカウントのドキュメント(ファイル)を変更しないでください。移行中の変更は移行先に反映されません。
- 次のいずれかの方法で、移行を実行します:
- 「完全移行(Full Migration)」戦略:詳細については、移行を開始するにはどうすればよいですか?を参照してください。
- 50ユーザー未満の小規模な移行プロジェクトの場合は、完全移行戦略をお勧めします。これは完全移行サイクルを1回のみ実行する戦略です。
- 「前段階移行(Pre-Stage Migration)」戦略:
- 「前段階移行(Pre-Stage Migration)」サイクル。詳細については、移行を開始するにはどうすればよいですか?を参照してください。
- 「完全(差分)移行(Full (Delta) Migration)」サイクル。詳細については、移行を開始するにはどうすればよいですか?を参照してください。
- 50ユーザーを超える大規模な移行プロジェクトの場合は、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」戦略をお勧めします。これは複数の移行サイクルを実行する戦略です。
- 「完全移行(Full Migration)」戦略:詳細については、移行を開始するにはどうすればよいですか?を参照してください。
- MigrationWizダッシュボードの 「円グラフアイコン」 をクリックすると、プロジェクトの全ての移行統計情報をメールで受信できます。KB004626
移行後の手順
- ユーザーが誤って移行元G Suiteテナントにログインし、Google Driveのアカウントを使用しないようにするには、移行元テナントのGoogle Driveのユーザーアカウントを使用停止にするか、パスワードを変更します。
- 移行が完了したら、ユーザーに通知します。
注:MigrationWizの「詳細オプション(Advanced Options)」で通知を送信するように設定した場合、移行が完了するとユーザーに通知メールが送信されます。