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はじめに
本記事は、オンプレミスのExchangeサーバー(バージョン2007以降)からインプレースアーカイブメールボックスをOffice 365に移行する導入手順書です。 表記の順序に従い、各ステップを完了してください。
移行元サーバーでExchangeバージョン2003またはSmall Business Server(SBS)が実行されている場合、移行作業における移行元サーバーの準備は、「移行元Exchange環境の準備」セクションを参照してください。
アーカイブを移行する前に、メールボックス移行プロジェクトを最初に実行することをお勧めします。方法については、シナリオに合った移行ガイドを参照してください。
メールボックス移行プロジェクトが既に実行されている場合、同じ管理者資格情報をこのプロジェクトに使用する事ができます。MigrationWizのステップ以外、各セクションのすべてのステップを既に実行している可能性があります。本ガイドの「MigrationWiz」の項目に進んでください。
MigrationWizは(同期ソリューションではなく)移行ソリューションであり、以前に実行された移行サイクルで移行されたアイテムの更新、削除、または移動を追跡しません。これは、MigrationWizには(同期エージェントのように)「ライブ」での変更のモニタリング機能はなく、ユーザーの操作なしに競合解決などを処理することができないためです。移行中、もしくは移行後に手動で移動されたドキュメントは、新しいアイテムとして扱われ、該当する移行先に複製されます。
MigrationWizは、ワークグループをまたがって、移行プロジェクトを共有する機能をサポートしています。プロジェクト共有機能をオンにすると、非アクティブなエージェント以外のすべてのエージェントに、全ての移行プロジェクトが表示されます。詳細については、MigrationWizの「プロジェクト共有 (Project Sharing)」をご覧ください。
移行元環境を準備する
注: 移行元の環境に対してメールボックス移行プロジェクトが既に実行されている場合、これらの手順は完了しています。
- 移行元のExchangeメールボックスサーバーに移行用の管理者アカウントをセットアップします。
- 移行元のExchangeサーバでEWSが動作している必要があります。
- メールボックスへのアクセスをテストします。
- 移行中のExchange調整ポリシーを無効にします
注:- Exchange 2010以降のみ該当します。Exchangeバージョン2007以前には、調整ポリシーはありません。
- Exchange 2010以降を使用している場合、移行を高速化するため、Exchangeの調整ポリシーを無効にすることを強くお勧めします。
移行先環境を準備する
注: 移行元の環境に対してメールボックス移行プロジェクトが既に実行されている場合、これらの手順は完了しています。
- 移行に使用する管理者アカウントをOffice 365で作成するか、テナントのグローバル管理者アカウントを使用します。
- Office 365にてアカウントをセットアップし、ライセンスを割り当てます。これには、いくつかの方法があります。
- 手動で、1つずつ。 ユーザーを個別に追加するMicrosoftのインストラクション
- CSVファイルを使用した一括インポート。 ユーザーを一括追加するMicrosoftのインストラクション
- PowerShellスクリプトを使用する。 TechNetの記事
- DirSync、AAD Sync、AAD Connectを使用する。同期作業の実施にあたっては、本重要ナレッジベースをご一読のうえ作業をお願い致します。
- 大きなメールアイテムを送受信するためにテナントを準備します。
MigrationWizの手順
- インプレースアーカイブ移行プロジェクトを作成します。
重要: このプロジェクトは「インプレースアーカイブ」移行プロジェクトであり、メールボックス移行プロジェクトではありません。 - プロジェクトに移行するアカウント(「アイテム」とも呼称します)を追加します。
- プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」を設定します。
- この移行シナリオでは、次のオプションが最も有用です。
- 移行先を設定します。
注:デフォルトでは、移行先ではアーカイブではなくメールボックスに移行します。変更するには、移行先 (Destination) : Microsoft Office 365 > 移行先:アーカイブ を設定します。 - 移行先で偽装(impersonation)を使用するように設定します。移行先(Destination)で「偽装を使用する(Use Impersonation to Authenticate)」チェックボックスにチェックを入れます。
- 最大同時移行数を設定します。移行元のサーバーに十分なリソースがある場合は、帯域幅に基づいたガイドライン「1Mbpsあたり3つのメールボックス」に従って設定します。例えば、10Mbps接続がある場合、最大同時移行数を30に設定することをお勧めします。移行元サーバーに使用可能なリソースが非常に少ない場合(例えば、メモリが不足しているまたはCPU使用率が非常に高い場合)、この値を低い値に設定して、移行元サーバーでリクエストが飽和しないようにすることをお勧めします。
- 移行先を設定します。
- この移行シナリオでは、次のオプションが最も有用です。
- 資格情報の検証 (Verify Credentials)を実行します。
- 完全移行サイクル(Full Migration)を実行します。ユーザーを選択し、上部の「開始(Start)」ボタンをクリック、「完全移行(Full Migration)」を選択し、「移行を開始」をクリックします。
注:- アーカイブ移行では、前段階(Pre-Stage)移行戦略(通常はメールボックス移行プロジェクトで使用)を使用せず、完全移行サイクル(Full Migration)のみを実行することをお勧めします。
- アーカイブ移行プロジェクトは通常、メールボックス移行プロジェクトの完了後に(または同時に)実行されるため、このガイドにはMXレコードカットオーバーの手順は含まれていません。
- エラーの再試行(Retry Errors)を実行します。
- ユーザーリストを確認し、赤い「移行に失敗しました」エラーをクリックします。表示された情報に従って操作してください。
- 問題が解決しない場合は、サポートにお問い合わせください。
- MigrationWizダッシュボードの「円グラフアイコン」をクリックすると、プロジェクトから全ての移行統計情報をメールで受信できます。