本ガイドは、SharePoint OnlineからSharePoint Onlineへの移行を行うための完全な導入手順書です。オンプレミスのSharePointは、サポートされていません。
本記事では、移行元のSharePoint Onlineテナントから移行先のSharePoint Onlineテナントにドキュメントライブラリを移行するワークフローについて説明します。本移行にはライセンスが必要です。 本ガイドは、Microsoft 365グループ(ドキュメント)およびファイル共有インスタンスの移行にも使用することができます。
移行を開始する前に本ガイドを最後まで読み、移行のプロセス、タイムライン、および前提条件を理解しておくことをお勧めします。
初めての移行
初めて移行を実行する際は、移行計画と戦略を参照してください。移行の計画と設定、および一般的な移行のベストプラクティスについて説明しています。移行を開始する前に、内容を確認することをお勧めします。
MigrationWiz
MigrationWizは移行ツールであり、同期ツールではありません。MigrationWizには、(同期エージェントのような)「ライブ」での変更のモニタリング機能はなく、ユーザーの操作なしに競合解決などを処理することはできません。
前提条件
移行プロジェクトを円滑に進めるには、次の前提条件に留意してください。
ライセンス
SharePoint OnlineからSharepoint Onlineへの移行でサポートされているライセンスタイプは、共有ドキュメントライセンス(Shared Document License)です。
- 「共有ドキュメント50GBライセンス(Shared Document 50GB License)」および「共有ドキュメント100GBライセンス(Shared Document 100GB License)」の両方を使用することができます。
- サイトごとに、各ライセンスの移行可能な最大量のデータを移行することができます。
- 1サイトあたり100GBを超えるデータを移行する場合は、移行する総データ量に応じて、十分な数のライセンスを購入してください。たとえば、6つのサイトがあり、そのうちの2つのサイトにそれぞれ200GBの埋め込みデータがある場合、8つのライセンスを購入する必要があります。
以下の手順に従って、ライセンスを購入します。
- BitTitanアカウントにサインインします。
- 上部のナビゲーションバーで、「購入(Purchase)」をクリックします。
- 必要なライセンスタイプの「選択(Select)」ボタンをクリックします。
- 購入するライセンスの数を入力します。「今すぐ購入(Buy Now)」をクリックします。
- 必要に応じて、「請求先住所(Billing Address)」を入力します。
- 「次へ(Next)」をクリックします。
- 「注文内容(Order Summary)」を確認し、「支払い方法(Payment Method)」を入力します。
- 「購入する(Place Your Order)」をクリックします。
支払いが受領されると、ライセンスが発行されます。
- クレジットカードで購入する場合、決済後すぐにライセンスが使用可能になります。
- 電信送金(100ライセンス以上)で購入する場合は、支払いが受領、承認された後に、ライセンスが使用可能になります。
- 注文書は、処理コストが発生するため受け付けていません。
どちらの場合も、支払いが承認されたことがメールで通知された時点で、ライセンスがログインアカウントで使用可能になります。
クーポンの引き換えやその他のライセンスタイプなど、ライセンスの詳細については、MigrationWizのライセンスおよびライセンス付与を参照してください。
制限
本移行の実行には、次のような制限があります。
- 本ガイドでは、GCC Highまたは中国の移行はサポートされていません。GCC Highまたは中国の移行については、次の移行ガイドの手順に従ってください。SharePoint OnlineからSharePoint OnlineへのGCC Highまたは中国の移行ガイド(SharePoint Online to SharePoint Online GCC High/China Migration Guide)
- 二要素認証または多要素認証を使用した移行は、サポートされていません。本シナリオで移行されるアイテムの種類(メタデータとバージョンを含む)については、以下のドロップダウンを参照してください。メタデータとバージョンの詳細については、SharePointとOneDriveのバージョンとメタデータの移行(Versions & Metadata Migration for SharePoint & OneDrive)を参照してください。
- 移行に使用するSharePointの管理者アカウント/サービスアカウントでは、アプリパスワードの使用、多要素認証/二要素認証、ADFSはサポートされていません。
アイテム自動検出
- 現在、移行元ではMigrationWiz-SharePoint-ReadOnlyの権限はサポートされていないため、権限エラーが表示されます。
- アイテム(ドキュメントライブラリとサブサイト)の数が多いサイトでは、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」プロセスにかかる時間が少し長くなる場合があります。例外はありますが、サブサイトの数が多い場合の方が、ドキュメントライブラリの数が多い場合よりも検出時間が長くなる傾向にあります。
たとえば、当社のテストでは、アイテムが3000以上ある場合、自動検出に30分から1時間かかることが確認されています。 - ルートURLを指定すると、その配下にあるすべてのサイト(すべてのサブサイトを含む)が表示されます。
- TeamsサイトのURLは除外されますが、Microsoftの制限により、TeamsのプライベートチャネルのURLは表示されます。
- インポート後、移行を開始する前に、特定のドキュメントライブラリをラインアイテムから削除することができます。
- オンプレミスのSharePointは、サポートされていません。
ドキュメントのプロパティ
Microsoft Wordドキュメントのコンテンツコントロールのプロパティは、移行後、移行先には保持されません。ドキュメントのカスタムメタデータ値の情報は、移行後、移行先のドキュメントライブラリでは破損した状態で表示されます。これはMicrosoftの制限によるもので、基本のドキュメントを同じテナント内の新しいドキュメントライブラリにMigrationWizを使用せずにコピーすることで、複製することできます。
この問題の回避策については、SharePointおよびOneDriveの移行に関するよくある質問を参照してください。
カスタムメタデータの制限
SharePoint OnlineからSharePoint Onlineへのドキュメントライブラリの移行では、次のカスタムメタデータの制限に注意してください。
- 複数行のテキストは、1行のテキストとして移行されます。移行された値は、移行先では更新されません。
- タスクの結果は、1行のテキストとして移行先に移行されます。
- 外部データは、サポートされていません。
- 管理されたメタデータは、サポートされていません。
- ルックアップは、サポートされていません。
Microsoft 365グループ(ドキュメント)の移行
移行元および移行先の「Microsoft 365グループ(ドキュメント)(Microsoft 365 Group (Documents))」エンドポイントは、2021年6月28日に廃止されました。Microsoft 365グループは、SharePointからSharePointへの移行の一部として移行されます。
移行できるアイテム
MigrationWizでは、ドキュメントライブラリレベルで設定されたドキュメント、フォルダー、権限、バージョン、およびメタデータの移行がサポートされています。
- ドキュメントライブラリ
- ドキュメント
- フォルダー/フォルダー構造
- 個々のフォルダーまたはアイテムレベルで設定された権限
- バージョン(最大25)
- カスタムメタデータ
- 1行のテキスト
- 選択肢
- 通貨
- 日付と時刻
- 数値
- ユーザーまたはグループ(移行先で利用可能なユーザー/グループ)
- はい/いいえ
- URL/ハイパーリンク
- 画像
- 場所
- 算出値(サポートされている他の列に基づく計算がサポートされています。)
- 現在は15GBを超える移行もサポートされていますが、実行するには、「詳細オプション(Advanced Options)」での設定が必要になります。次の設定により、インポートの完了に10分以上かかる場合のタイムアウトエラーを防ぐことができます。
- 「LargeFileMigrations=1」を設定します。
- 「LargeFileMigrationsTimeout=7200000」を設定します。
- 「7200000」という値は一例です。時間はミリ秒単位で測定されます。
- サイト/サイトコレクション
- サイトのロゴおよびカスタマイズしたもの
- ドキュメントライブラリの設定
- カスタム権限
- リスト
- カスタムタスク
- ニュースフィード
- ドキュメントライブラリの外部からの情報(リストまたはその他のサイトレベルのデータなど)に関するメタデータは、移行されません。例:外部データ、管理されたメタデータ、ルックアップ、保持ポリシータグ/保持ラベル
- サイトまたはテナントレベルで設定されている権限(これには、M365グループサイトの所有者/メンバーシップ権限が含まれます。) 本移行タイプでは、個々のフォルダー/ファイルの権限のみが移行されます。
- 名前に記号が含まれるファイル/フォルダーの共有権限
- アクセス用のリンク/リンク共有
グループの権限
グループの権限は、移行先に同じ名前のグループが存在する場合に移行されます。移行の開始前に移行先に同じ名前のグループが作成されていない場合は、グループの権限は移行されません。MigrationWizが移行先にグループを作成することはありません。グループの作成は、移行先の設定時に手動で行う必要があります。 グループの権限の移行では、詳細オプションの「RecipientMapping」または「UserMapping」はサポートされていません。
移行元または移行先エンドポイントに、サイトレベルのURLを設定することができます。たとえば、移行元または移行先のすべてのドキュメントライブラリが単一サイトの直下にある場合、エンドポイントURLを次の形式で設定することができます。https://tenant.sharepoint.com/sites/site-name
移行元/移行先エンドポイントにSharePointサイトのURLを設定している場合、ラインアイテムには、サイトパスではなくライブラリ名のみを含める必要があります。
移行元環境を準備する
以下の手順に従って、移行元環境を準備します。
- SharePointサイトを作成し、ドキュメントライブラリが存在するサイトのURLを書き留めます。
- 移行先のSharePoint Onlineサイトにドキュメントライブラリを作成します(任意)。作成方法については、次のMicrosoftのガイドの手順に従ってください。ドキュメントライブラリの概要(Introduction to document libraries)
ライブラリテンプレートを保存します。
この手順は任意です。移行元ライブラリのテンプレートを移行先ライブラリに適用する場合にのみ必要です。 -
必要なすべてのユーザー/グループ(外部ユーザーがいる場合は、それを含む)がSharePointサイトに設定され、移行先のドキュメントライブラリの使用が可能になっていることを確認します。
SharePointのアプリケーション権限
移行元環境の設定を続行するには、以下のアプリケーション権限オプションのいずれかを選択し、それぞれの手順に従って、移行元の権限レベルを有効にします。
最も簡単な方法は、テナントの作成時に設定したグローバル管理者アカウントを使用することです。移行にグローバル管理者アカウントを使用しない場合は、代わりに新しい管理者アカウントを作成することができます。このユーザーアカウントには、SharePointを含むライセンスの割り当てと、プロジェクトのSharePointサイトに対するサイトコレクション管理者権限の付与が必要です。
-
Microsoft 365でユーザーを作成し、SharePointを含むライセンスを割り当てます。詳細な手順については、Microsoftの記事、ユーザーを追加して同時にライセンスを割り当てる(Add users and assign licenses at the same time)を参照してください。
-
管理者権限を設定します。プロジェクトでエンドポイントの管理者として使用するユーザーアカウントに、以下のいずれかの権限レベルを付与します。
- グローバル管理者。グローバル管理者の権限を設定する手順については、次のMicrosoftのガイドを参照してください。Microsoft 365管理センターで管理者ロールを割り当てる(Assign admin roles in the Microsoft 365 admin center)
- SharePoint管理者。サイトコレクション管理者の権限およびプロジェクトの設定については、MigrationWiz - アクセス権限の要件を参照してください 。
- 手順2で作成した管理者アカウントを、サイトコレクション管理者としてエンドポイントに追加します。
重要
SharePointサイトに対するサイトコレクション管理者権限は、グローバル管理者またはSharePoint管理者ロールの割り当てによって自動的に付与されるわけではありません。 - MigrationWiz-SharePoint-Delegatedに移動し、プロンプトが表示されたら、アプリのアクセスに同意します。「許可(Accept)」をクリックすると、BitTitanログインページにリダイレクトされます。これは通常の動作で、ログインページは閉じることができます。
SharePointでアプリベースの認証を有効にすると、セキュリティが強化されるだけでなく、Microsoftによるスロットリングの発生を低減することができます。以前のMicrosoft 365認証では、Microsoftによるスロットリングの対象となる頻度が高かったため、この認証方法が実装されました。アプリベースの認証は、Microsoft 365テナントに特有のものです。
- グローバル管理者としてサインインしていることを確認します。
- MigrationWiz-SharePoint-FullControlに移動し、プロンプトが表示されたら、アプリのアクセスに同意します。
- Microsoft 365管理ポータルで、「MigrationWiz」という名前の新しいセキュリティグループを作成します。
- プロジェクトで移行するデータを保有していない、新しいユーザーを作成します。このアカウントには、管理者ロールを割り当てる必要はありません。また、既存のユーザーを使用することもできます。このユーザーには、SharePointライセンスが付与されている必要があります。
- 上記の手順で作成したセキュリティグループに、新しい(または既存の)ユーザーをメンバーとして追加します。所有者として追加しても、ここでは機能しません。
- MigrationWizプロジェクトを作成します。
- 移行元および移行先エンドポイントの作成時に、上記の手順4で作成したユーザーの資格情報を、そのユーザーが属する各エンドポイントにそれぞれ入力します。
- MigrationWizプロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」で、「サポート(Support)」タブ内の「サポート オプション(Support Options)」フィールドに、「UseApplicationPermission=1」を追加します。
Azure環境を準備する
Microsoft提供のAzureストレージ
本移行では、Microsoftが提供するAzureストレージの使用をお勧めします。詳細については、Microsoftのドキュメントを参照してください。Microsoft提供のAzureストレージを使用する場合は、本セクションをスキップして、「移行先環境を準備する」に進んでください。
お客様所有のAzureストレージ
お客様が所有するAzureストレージを使用する場合は、次の手順に従って、Azure環境を準備してください。移行先のMicrosoft 365テナントと同じMicrosoftデータセンターに、Azureストレージアカウントを作成することをお勧めします。移行のためにAzureコンテナーを作成する必要はありません。
- Azureストレージのコストを見積もります。この手順は任意ですが、顧客に事前にストレージのコストを提供する際に有用です。
- Azureサブスクリプションを購入します。(または、1か月間無料の試用版を使用します。試用版では、移行できるデータ量が少ないため注意が必要です。)
- Azureストレージアカウントを作成します。「Blob Storage」ではなく、「StorageV2(汎用v2)」アカウントを作成してください。
- ストレージアカウント名とプライマリアクセスキーを書き留めます。(Azure内のストレージ画面で、下部にある「アクセスキーを管理(Manage Access Keys) 」をクリックします。)これらの情報は、MigrationWiz移行プロジェクトの「移行先の設定(DESTINATION SETTINGS)」で、入力が必要になります。
Azureストレージアカウントの作成方法
- Azureポータルにアクセスします。
- 「新規(New)」をクリックします。
- 「ストレージ(Storage)」 「ストレージ アカウント(Storage account)」を選択します。
- 「ストレージアカウント名(Storage account name)」を入力します。
- 「デプロイモデル(Deployment model)」に「リソースマネージャー(Resource manager)」を選択します。
- 「StorageV2(汎用v2)」を選択します。
- ストレージアカウント名(-accesskey、例:“accountname”)とプライマリアクセスキー(-secretkey、例:“W1RrDfkPNkfYfdVqizMNJjn5mXchwMP5uYBY8MsMqWTA7EubG911+4fZlki0Gag==“)を書き留めます。
- 「レプリケーション(Replication)」フィールドで、「ローカル冗長ストレージ(Locally Redundant Storage)(LRS)」を選択します。
- 「サブスクリプション(Subscription)」で、新しいストレージアカウントを作成するサブスクリプションを選択します。
- 「リソースグループ(Resource group)」フィールドで、新しいリソースグループを作成するか、既存のリソースグループを選択します。
- 「リージョン(Region)」で、ストレージ アカウントの地理的な位置を選択します。
- 「作成(Create)」をクリックして、ストレージアカウントを作成します。
ストレージアカウントが、ストレージリストに表示されます。
移行先環境を準備する
移行を開始する前に、次の手順を実行してください。
- 移行用のサービスアカウントを作成します。 必要に応じて既存のアカウント/管理者を使用することもできますが、推奨はしていません。 ここで使用するアカウントには、以下の「SharePointのアプリケーション権限」セクションで説明している以外の特別な権限は必要ありません。
- お客様の環境でSharePointがプロビジョニングされ、既定のSharePointサイトが作成されていることを確認します。
- 必要なすべてのユーザーが、移行先に設定されていることを確認します。グループに権限が適用されている場合は、一致するグループが移行先に作成されていることを確認します。
移行元のライブラリと同じ外観、操作性、デザインを移行先で維持するには、移行プロジェクトを開始する前に、次の追加手順を実行します。
- ドキュメントライブラリの構成を作成します。
- 移行先のSharePoint Onlineサイトに、実際にドキュメントライブラリを作成します。作成方法については、次のMicrosoftのドキュメントを参照してください。ドキュメントライブラリの概要(Introduction to document libraries)
重要
MigrationWizでは、必要に応じて、サブサイトとライブラリが移行の一部として作成されます。それらに特別なテンプレート/フォーマットを適用したい場合は、事前に手動で作成する必要があります。 - 移行元のライブラリテンプレートを保存し、移行先のライブラリに適用します。
SharePointのアプリケーション権限
移行先で権限レベルを有効にするには、上記のアプリベースの認証タブの手順に従います。この認証プロセスでは、移行先にアクセスできるユーザーの範囲を制御することができます。
MigrationWizでの手順
ドキュメント移行プロジェクトを設定する
- MigrationWizアカウントにサインインします。
- 「マイ・プロジェクトへ」をクリックします。
- 「プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。
- 「ドキュメントプロジェクトを作成(Create a Document Project)」をクリックします。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「プロジェクト名(Project Name)」を入力し、「顧客(Customer)」の一覧から顧客を選択します。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「エンドポイント(Endpoint)」のドロップダウンリストから既存のエンドポイントを選択するか、新規に作成します。
- 「保存して概要へ移動」をクリックします。
エンドポイント
エンドポイントは、MigrationWizで作成します。ドロップダウンリストから既存のエンドポイントを選択する場合、表示されるエンドポイントは最大10までとなります。既存のエンドポイントが10を超える場合は、検索する必要があります。
エンドポイントの検索では、大文字、小文字、数字が区別されます。たとえば、「customer」を検索する際に「Cust0mer」と入力すると、検索結果には何も表示されません。作成したエンドポイントは、使用した固有のスペルや大文字が分かるように、リストにしておくことをお勧めします。
既存のエンドポイントを使用することも、新しいエンドポイントを作成することもできます。
エンドポイントを作成する
次のタブを参照して、移行元および移行先エンドポイントを作成してください。
次の手順に従って、移行元エンドポイントを作成します。
- 「新規」をクリックします。
- 「エンドポイント名(Endpoint Name)」を入力します。
- 「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」で、「SharePoint」を選択します。
- 「URL」フィールドに、最上位のSharePointドキュメントライブラリのサイトコレクションURL(SharePoint管理センターに表示されるサイトURL)を入力します。
- 「管理者ユーザー名(Administrator Username)」と「管理者パスワード(Administrator Password)」を入力します。 これは、グローバル管理者、SharePoint Online管理者、またはサイトコレクション管理者のアカウントである必要があります。
- 「追加(Add)」をクリックします。
- 「次のステップ」をクリックします。
次の手順に従って、移行先エンドポイントを作成します。
- 「新規」をクリックします。
- 「エンドポイント名(Endpoint Name)」を入力します。
- 「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」ドロップダウンリストから、「SharePoint Online」を選択します。
- 「SharePoint OnlineテナントURL(SharePoint Online Tenant URL)」フィールドに、移行先のSharePointテナントのURLを入力します。(このURLは、SharePoint管理センターのURLではありません。後述の例を参照してください。)
- 「Microsoft 365ユーザー名(Microsoft 365 Username)」と「Microsoft 365パスワード(Microsoft 365 Password)」のフィールドに、移行を実行する権限を持つ、移行先テナントのユーザーのメールアドレスとパスワードをそれぞれ入力します。 移行先テナントのMigrationWizセキュリティグループに追加されたMicrosoft 365ユーザーの資格情報を使用します。
- 使用するAzureストレージを選択します。
- 「お客様所有のAzureストレージを使用する(Use Custom Azure Storage)」を選択した場合は、「Azureストレージアカウント名(Azure Storage Account Name)」と、本ガイド前半の「Azure環境を準備する」セクションで取得した「Azureアクセスキー(Azure Access Key)」を入力します。
- 移行先エンドポイントの「Azureストレージアカウント名(Azure Storage Account Name)」の入力には、数字と小文字のみが使用可能です。大文字を入力すると、移行は失敗します。
- 「追加(Add)」をクリックします。
移行先テナントのリージョン
MigrationWizの「移行先の設定(DESTINATION SETTINGS)」ページでは、テナントの優先リージョンを選択するためのドロップダウンが表示されます。選択したリージョンは、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の、「パフォーマンス(Performance)」タブ内の「移行先テナントの優先リージョン(Preferred region of destination tenant)」フィールドに反映され、その逆も同様となります。両フィールドに表示されるリージョン名は、常に同じになります。
移行のパフォーマンスと速度を最適化するには、移行先テナントに最も近いリージョンを選択します。
ヒント
Microsoft Entra管理センターで、「ID(Identity)」 「概要(Overview)」 「プロパティ(Properties)」に移動し、「国または地域(Country or region)」または「データの場所(Data location)」を参照することにより、移行先テナントのリージョンを直接確認することができます。
詳細については、こちらの記事を参照してください。マルチジオ(Multi-Geo)の情報が必要な場合は、こちらの記事を参照してください。
警告
このフィールドが空白のままでは、プロジェクトを保存することはできず、「このフィールドは空白のままにできません。(This field cannot be left blank.)」というエラーが表示されます。ラインアイテムを追加する
アイテムの追加方法には、3つのオプションがあります。次のいずれかの方法を選択し、手順に従ってください。「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」が推奨されますが、「一括追加」や「クイック追加(Quick Add)」を使用することもできます。
検出されるサイト
「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、コミュニケーションサイトとチームサイトの両方が検出されますが、Microsoft Teamsのチャネルにリンクされているチームサイトは除外されます。現在、Microsoft Teamsのサイトは、次の2つの方法のいずれかで作成することができます。
-
SharePointからチームサイトを追加する - 追加後にTeamsのチャネルにリンクすることができます。
-
Teamsのチャネルを作成する - デフォルトでSharePointサイトが作成されます。
「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、上記の2で作成したチームサイトは自動的に除外され、1についても、Microsoft Teamsの一部のチャネルに接続されているチームサイトが除外される場合があります。
重要
現在、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、Teamsのプライベートチャネルを除外することができないため、手動で削除する必要があります。
アイテム自動検出の前提条件
移行元テナントで、次の権限のいずれかが有効になっている必要があります。
-
MigrationWiz-SharePoint-FullControl - 推奨。「詳細オプション(Advanced Options)」で、「UseApplicationPermission=1」または「UseApplicationPermissionAtSource=1」を設定する必要があります。
重要
委任された権限にグローバル管理者の資格情報を使用している場合、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、グローバル管理者がサイト管理者でもあるSharePointサイトのみが検出されます。サイトが検出されるためには、下図の例のように、グローバル管理者が「Permissions(権限)」タブの「Site admins(サイト管理者)」に表示されている必要があります。
アイテム自動検出を有効にする手順
本セクションでは、SharePointで「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」オプションを使用して、移行元の設定時に指定したSharePointサイトのURLにある、移行可能なサイトおよびサブサイトのすべてのドキュメントライブラリを自動的に検出するワークフローについて説明します。
-
新しいドキュメントプロジェクトを作成し、移行元エンドポイントのURLフィールドに、必要なルートサイトのURLを入力します。移行元で使用可能なURLの構成の詳細については、本記事の後半で説明します。
- 移行元でMigrationWiz-SharePoint-FullControl権限を使用している場合は、詳細オプションの「UseApplicationPermission=1」または「UseApplicationPermissionAtSource=1」を設定します。
- 「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」ボタンをクリックします。
- 「自動検出を開始」をクリックします。
- 検出が完了したら、「アイテムをインポート」をクリックして、検出されたサイトとドキュメントライブラリをラインアイテムとしてプロジェクトに追加します。
- インポートが完了すると、検出されたアイテムがラインアイテムとして表示されます。
移行元のURLの構成
移行元エンドポイントのURLの設定 | 検出されるアイテム |
---|---|
Root_url 例 https://mdbttest123.sharepoint.com |
ルートURLおよびそのサブサイト(チームサイトとコミュニケーションサイトの両方)にある、すべてのドキュメントライブラリが検出されます。
重要Microsoft TeamsサイトのURL(TeamsにリンクされているURL)は除外されますが、TeamsのプライベートチャネルのURLは検出されます。例: 次のサイトおよびそのサイトにあるドキュメントライブラリは除外されます。 |
Root_url/sites 例 https://mdbttest123.sharepoint.com/sites |
不適切な形式のため、エラーが発生します。 |
Root_url/sites/site_name 例 https://mdbttest123.sharepoint.com/sites/TestSite2 |
このサイトおよびそのサブサイトにある、すべてのドキュメントライブラリが検出されます。 |
アイテムのインポート時、名前に特殊文字が含まれているドキュメントライブラリが表示されません。
ドキュメントライブラリ名に特殊文字が含まれている場合、URLにそれが反映されない場合があります。プロジェクトにインポートされたアイテムは、名前ではなくURLに基づいて表示されます。
異なる権限を使用すると、インポートされるアイテムの数が変わるようです。
MigrationWiz-SharePoint-FullControlには、MigrationWiz-SharePoint-Delegatedよりも多くのアクセス権限が付与されています。委任された権限を使用している場合、グローバル管理者が一部のサイトへのアクセス権限を持っていない可能性があります。その場合、それらの一部のサイトは自動検出されません。このため、インポートされるアイテムの数が異なる場合があります。
アイテム自動検出の終了後、チームのURLが表示されます。
SharePoint移行の「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、チームサイトとコミュニケーションサイトの両方が検出されます。
ただし、Teamsのプライベートチャネル以外の SharePointサイトは、自動的に除外されます。TeamsのプライベートチャネルのSharePoint URLは、ラインアイテムとしてインポートされた後に、顧客が手動で削除する必要があります。
すべてのアイテムが自動検出されるには、どのくらいの時間がかかりますか。
以下は、特定のサイトURLにあるすべてのドキュメントライブラリが検出されるまでのおおよその時間です。これらはあくまでも推定であり、実際の時間は異なる場合があります。
100アイテムまで - 1分以内
900~1000アイテムまで ー 5分以内
2000~3000超アイテムまで - 0.5~1時間以内
手動でアイテムを追加する
クイック追加(Quick Add)
このオプションを使用すると、アイテムを1つずつ追加することができます。ラインアイテムごとに、移行元と移行先のライブラリパスを入力する必要があります。
一括追加
このオプションを使用すると、スプレッドシートからコピーして貼り付けたり、CSVファイルをインポートすることにより、複数のアイテムを一度に追加することができます。
ラインアイテムごとに、移行元と移行先のドキュメントライブラリパスを入力する必要があります。ドキュメントライブラリパスには、URLを使用することをお勧めします。
以下の例は、URLのタイプごとの構成を示しています。
例1:サイトの配下にあるドキュメントライブラリ
例2:サブサイトの配下にあるドキュメントライブラリ
例3:SharePoint Onlineのルートサイト直下にあるドキュメントライブラリ
例4:SharePoint Onlineのルートサブサイト直下にあるドキュメントライブラリ
例5:サイト名やドキュメントライブラリ名に特殊文字が含まれている場合、それらがURLに正しく反映されないことがあります。ドキュメントライブラリパスは、URLから正確にキャプチャする必要があります。
<
サイトのプロビジョニング
次のセクションでは、サイトをプロビジョニングする方法について説明します。
ライセンス
サイトのプロビジョニングは、移行の開始前に行います。「トライアル移行(Trial Migration)」で実行する場合、ライセンスは消費されません。 「前段階移行(Pre-Stage Migration)」または「完全移行(Full Migration)」のいずれかでサイト作成の手順を実行すると、ライセンスが消費されますが、後続のデータ移行の手順でも引き続き同じライセンスが使用されます。この新機能により、現在では、移行先にまだ作成されていないドキュメントライブラリをプロビジョニングするのと同じ方法で、移行先のサイトをプロビジョニングすることができます。プロビジョニングの実行は任意です。
前提条件
移行元テナントで、次の権限のいずれかが有効になっている必要があります。
-
MigrationWiz-SharePoint-FullControl (推奨)
(「詳細オプション(Advanced Options)」で、「UseApplicationPermission=1」または「UseApplicationPermissionAtSource=1」を設定する必要があります。)
委任された権限にグローバル管理者のユーザー資格情報を使用している場合は、グローバル管理者もサイトコレクションの管理者として追加することをお勧めします。これを行わないと、サイトのプロビジョニングが失敗する可能性があります。下図の例のように、グローバル管理者ユーザーは、「Permissions(権限)」タブの「Site admins(サイト管理者)」に表示されている必要があります。
サイトをプロビジョニングするための推奨手順
SharePointからSharePoint Onlineへの移行プロジェクトを作成する
現在、プロビジョニングは、移行元エンドポイントがSharePoint、移行先エンドポイントがSharePoint Onlineの移行でのみサポートされています。
ラインアイテムを作成する
「クイック追加(Quick Add)」、「一括追加」、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」を使用して、ラインアイテムの移行元と移行先のライブラリパスをプロジェクトに追加します。
詳細オプションの「TestSharePointWithProjectConfigUrl」を追加する
「詳細オプション(Advanced Options)」のページに移動し、「TestSharePointWithProjectConfigUrl=1
」を追加します。これにより、移行先サイトが存在していなくても、資格情報を検証することができます。 このオプションが追加されていないと、サイトの作成前に検証が行われ、サイトの作成が失敗します。
「SharePointの設定(Setting up SharePoint)」を選択する
移行の実行前にサイトとサブサイトをプロビジョニングするには、「完全移行(Full Migration)」をクリックし、「SharePointの設定(Setting up SharePoint)」 -- 「サイトの作成(Sites Creation)」のみを選択して、「移行を開始」をクリックします。これにより、必要なすべてのサイトとサブサイトが移行先に作成されます。
「データを移行(Migrate Data)」を選択する
「SharePointの設定(Setting up SharePoint)」手順の完了後、「データを移行(Migrate Data)」を選択して移行を実行し、サイトのコンテンツの移行を完了します。
サポートされている認証モード
認証モード* | サポートの有無 | 注釈 |
---|---|---|
基本認証(ユーザー名とパスワード) | なし | |
アプリケーション権限(BitTitanアプリ) | あり | 「MigrationWiz」セキュリティグループに追加されたユーザーの資格情報 |
委任された権限(BitTitanアプリ) | あり | グローバル管理者/SharePoint管理者の資格情報 |
委任された権限(BYOアプリ) | あり | グローバル管理者/SharePoint管理者の資格情報 |
詳細オプション
「サポート(Support)」タブ
- TestSharePointWithProjectConfigUrl=1 移行先サイトが存在していなくても、資格情報を検証することができます。 このオプションが追加されていないと、サイトの作成前に検証が行われ、サイトの作成が失敗します。
-
InitializationTimeout=8 初期化のタイムアウト値を8時間に増やします。この値は時間単位で、最大は100時間です。 100を超える値を設定すると、ミリ秒単位として解釈されます。例:
- InitializationTimeout=2 タイムアウトを2時間に増やします。
- InitializationTimeout=8 タイムアウトを8時間に増やします。
- InitializationTimeout=14400000 タイムアウトを4時間に増やします。
- InitializationTimeout=21600000 タイムアウトを6時間に増やします。
- アプリケーション権限の設定時に詳細オプションの「UseApplicationPermission=1」を追加しなかった場合は、ここで追加します。このオプションは、アプリケーション権限が移行元で機能するために必要です。
- 現在は、15GBを超える移行もサポートされています。次の設定により、インポートの完了に10分以上かかる場合のタイムアウトエラーを防ぐことができます。
- 「LargeFileMigrations=1」を設定します。
- 「LargeFileMigrationsTimeout=7200000」を設定します。
- 「7200000」という値は一例です。時間はミリ秒単位で測定されます。
-
UserMapping="name@source.com-full.name@destination.com" デフォルトでは、ユーザープリンシパル名(UPN)のプレフィックスに基づいて、移行元から移行先へのユーザーマッピングが行われます。たとえば、ユーザープリンシパル名(UPN)が「name@domain.com」の場合、「name」の部分が照合されます。
移行先に同じプレフィックスを持つユーザーが複数いる場合(例:name@domain1.comとname@domain2.com)や、特定のユーザーのプレフィックスを移行先で変更する場合(例:name@source.com → name.full@destination.com)は、この設定を使用する必要があります。
「移行元/移行先(Source/Destination)」タブ
プロジェクト要件に従って、「移行するドキュメントのバージョン数(現在のバージョンを含む)(Document versions to migrate (including current version))」を設定し、「保存(Save)」をクリックします。
バージョン数の最小値は1、最大値は25です。
資格情報の検証
MigrationWizでは、実際にデータを移行したりライセンスを消費したりせずに、アイテムの資格情報を検証することができます。
-
検証するラインアイテムを含むプロジェクトを開きます。
-
検証するアイテムを選択します。
-
ダッシュボードの「移行を開始」ボタンをクリックします。
-
ドロップダウンリストから、「資格情報の検証(Verify Credentials)」を選択します。
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検証が完了すると、検証結果が「ステータス(Status)」セクションに表示されます。
「完全移行(Full Migration)」を実行する
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SharePoint Online移行のAPIでは、ドキュメントと権限を一緒に移行することができます。「ドキュメント(Documents)」と「ドキュメントの権限(Document Permissions)」の両方を同時に選択して移行することをお勧めします。
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最初の移行の実行時は、「メタデータ(Metadata)」のチェックボックスを選択して、メタデータを移行します。
ドキュメントライブラリの移行を開始する方法
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移行するアイテムを含むプロジェクトを開きます。
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移行するアイテムを選択します。
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ダッシュボードの「移行を開始」ボタンをクリックします。
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ドロップダウンリストから、「完全移行(Full Migration)」を選択します。
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「ドキュメント(Documents)」、「ドキュメントの権限(Document Permissions)」、「メタデータ(Metadata)」、「バージョン(Versioning)」のチェックボックスが選択されていることを確認します。デフォルトでは、最新の3つのバージョンが移行されます。移行するバージョンの数は、「詳細オプション(Advanced Options)」の「移行元/移行先(Source/Destination)」タブで変更することができます。詳細については、上記のバージョンのセクションを参照してください。
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「移行を開始」をクリックします。
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移行が完了すると、移行結果が「ステータス(Status)」セクションに表示されます。
移行後の手順
- ユーザーが移行元のSharePointライブラリを誤って使用することがないように、移行元のSharePointサーバー、ライブラリ、またはユーザーアカウントを使用停止にします。
- 移行に使用したすべてのAzureコンテナーを削除します。これにより、移行後のコストの発生を防ぐことができます。本移行用に作成したコンテナーのみを削除してください。
アプリケーション権限を削除する
- 新しく作成したユーザーを削除します。
- MigrationWizセキュリティグループを削除します。
移行元または移行先からアプリを削除するには、こちらの記事の手順に従ってください。