本ガイドでは、Microsoft 365のデータをGoogle Workspaceへ移行するために必要な情報と手順について説明します。
初めての移行
初めて移行を実行する際は、移行計画と戦略を参照してください。移行の計画と設定、および一般的な移行のベストプラクティスについて説明しています。
制限
- MigrationWizは移行ツールであり、同期ツールではありません。移行完了後に移行元のアイテムに変更が加えられた場合、その変更は移行先には反映されません。同様に、移行先で加えられた変更も、移行元には反映されません。MigrationWizには、(同期エージェントのような)「ライブ」での変更のモニタリング機能はなく、ユーザーの操作なしに競合解決などを処理することはできません。
- 2要素認証あるいは多要素認証を使用した移行は、サポートしていません。
- アプリパスワードの使用は、Microsoft 365エンドポイントではサポートされていません。
- MigrationWizでは、移行可能な最大ファイルサイズは、移行タイプと環境によって異なります。ただし、60GBを超えるファイルを移行することはできません。
- Googleの各メールメッセージの最大サイズは、添付ファイルを含めて25MBです。メッセージにファイルを追加するプロセスでは、(送信に必要なエンコードを追加することによって)サイズが大きくなることに留意してください。
- この移行タイプでは、Exchange Onlineテナント内のメールボックスでExchange Web Services (EWS) が有効化されている必要があります。
- 受信トレイ
- フォルダー/ラベル
- メール
- ミュートされたメール(通常のメールとして移行)
- 連絡先
- カレンダー(カレンダー会議内のGoogleハングアウトへのリンクを含む)
- カレンダー通知
- サーバー側のメールボックスルール
- Outlookクライアント側のメールボックスルール
- 自動応答 (不在通知メール)
重要: 自動応答は、最終移行サイクルでのみ移行することをお勧めします。 - カレンダー権限
- 安全な送信者リスト/ブロックされた送信者リスト
- カレンダーのリマインダー
- 予定
- チャットメッセージの添付ファイル
- カレンダーの添付ファイル
- 定期的な予定の例外
機能と制限の詳細については次のガイドを参照してください。MigrationWiz:Migrated and Not Migrated Items(移行できるアイテムと移行されないアイテム)
移行元環境を準備する
先進認証の要件
移行元または移行先がExchange Onlineの場合、メールボックス、アーカイブメールボックス、およびパブリックフォルダープロジェクトではExchange Web Services (EWS)が使用されるので、移行元ではMicrosoft 365(全製品)の移行における認証方法の記事の「メールボックスおよびExchange Online移行のためのクライアントIDとテナントID設定の取得」セクションに記載されている手順を実行する必要があります。この設定手順は、グローバル管理者アカウントを使用して実行します。
移行先環境を準備する前に、上記のドキュメントを確認してください。
グローバル管理者アカウントを作成する
移行に使用するグローバル管理者アカウントをMicrosoft 365で作成するか、テナントのグローバル管理者アカウントを使用します。各メールボックスにアカウント権限を付与し、メールボックスデータを移行するための管理者権限を与えます。
- Microsoft 365コントロールパネルに管理者としてアクセスし、ユーザー管理を行うことができるアカウントを所持していても、移行するすべてのメールボックスへのアクセスが権限が付与されているとは限りません。
- アカウントに管理者アクセス権を委任することは、十分なアクセス権を付与することとは異なります。
管理者アカウントがMicrosoft 365のユーザーメールボックスにアクセスできるようにするには、管理者アカウントに偽装の役割またはフルアクセスのメールボックス権限を追加します。 偽装とフルアクセスの権限を設定する手順について、以下に説明します。
管理者アカウントがユーザーを偽装できるようにするには、次のPowerShellコマンドを実行します。
$LiveCred = Get-Credential
Install-Module -Name ExchangeOnlineManagement
Import-Module -Name ExchangeOnlineManagement
Connect-ExchangeOnline -ConnectionUri https://ps.outlook.com/powershell/ -Credential $LiveCred
Enable-OrganizationCustomization
New-ManagementRoleAssignment -Role ApplicationImpersonation -User <admin_user_name
PowerShellコマンドの詳細については、こちらを参照してください。
- MigrationWizでは、委任がデフォルト設定されており、コネクタで指定された管理者資格情報を使用して、個々のユーザーメールボックスにログインします。
Microsoft 365を移行元または移行先とする移行では、偽装を使用することを強くお勧めします。
利点
偽装を使用すると、単一の管理者アカウントに紐づけられたスロットリングクォータと接続制限の共有を停止することができます。代わりに、各ユーザーのスロットリングクォータを使用して、ユーザーのメールボックスにログインします。
偽装使用の効果
- 「接続に失敗しました(Connection did not succeed)」というエラーが大幅に削減されます。
- 同時に移行できるメールボックス数が増えます。
- スロットリングと接続制限の影響が軽減されます。
- ライセンスが割り当てられていない管理者アカウントを使用することができます。
移行のための管理者アクセス権を手動で付与するには、以下のリモートPowerShellコマンドを実行します:
$LiveCred = Get-Credential
Install-Module -Name ExchangeOnlineManagement
Import-Module -Name ExchangeOnlineManagement
Connect-ExchangeOnline -ConnectionUri https://ps.outlook.com/powershell/ -Credential $LiveCred
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Add-MailboxPermission -AccessRights FullAccess -Automapping $false -User <admin_user_name
- 権限は、メールボックスごとに直接設定します。新しいメールボックスを作成するたびに、上記のコマンドを実行する必要があります。権限の設定が完了すると、管理者アカウントにアクセス権が付与されます。
- <admin_user_nameの部分には、MigrationWizプロジェクトの「移行元(Source)の設定」または「移行先(Destination)の設定」で、「資格情報を提供する(Provide Credentials)」を選択した際に指定した管理者ユーザー名を入力します。
移行先環境を準備する
本シナリオでは、Google IMAPまたはGoogle APIエンドポイントを使用します。
MigrationWizによるOAuth 2.0アクセスを許可する
MigrationWizによるGoogle WorkspaceへのOAuth2.0アクセスを許可します。 複数のドメインへ移行する場合は、ドメインごとに下記の手順を繰り返します。
BitTitan製品は、Google Workspaceでの認証にOAuth 2.0を使用し、MigrationWizではG Suite (IMAP)エンドポイントを使用します。これは、メールボックス移行プロジェクトとドキュメント移行プロジェクトの両方で使用されます。 Google Workspaceのデータにアクセスするには、特別に許可されたAPIスコープをMigrationWizプロジェクトに追加する必要があります。Google WorkspaceメールボックスとGoogleドライブドキュメントの両移行プロジェクトで、アクセス許可を取得する必要があります。
メールボックス移行プロジェクトでは、Google Workspace管理者からBitTitanクライアントIDと本記事に記載されているスコープへのアクセス許可を取得する必要があります。
次のセクションでは、Google Workspace環境内でOAuthアクセスを設定する方法について説明します。
OAuthの設定:Google Workspace管理コンソールでの手順
BitTitanクライアントIDに適切なスコープへのアクセスを許可するには、次のステップを実行します。
- https://admin.google.comに移動し、特権管理者としてログインします。
- 「セキュリティ(Security)」をクリックします。管理コンソールのホームページに「セキュリティ(Security)」アイコンが表示されない場合は、設定変更を行うのに必要な権限がログインアカウントに割り当てられていないことを意味します。設定変更を行うための特権管理者アクセスを許可するよう顧客にリクエストしてください。
- 「APIの制御(API Controls)」をクリックし、ページの下部にある「ドメイン全体の委任を管理(Manage Domain Wide Delegation)」をクリックします。
- 「新しく追加(Add New)」 をクリックします。
- 「クライアント名(Client Name)」フィールドに、「113321175602709078332」と入力します。
- 「1つまたは複数のAPIスコープ(One or More API Scopes) 」フィールドに、次のスコープを貼り付けます:
https://mail.google.com/, https://www.google.com/m8/feeds, https://www.googleapis.com/auth/contacts.readonly, https://www.googleapis.com/auth/calendar, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.group, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.user, https://www.googleapis.com/auth/drive, https://sites.google.com/feeds/, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.sharing, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.basic, https://www.googleapis.com/auth/contacts.other.readonly
- 「承認(Authorize)」をクリックします。
- クライアントIDは「113321175602709078332」です。(先頭または末尾にスペースがないことを確認してください。スペースがあると、「URLが無効なトップレベルドメインで終わっています。(URL ends with an invalid top-level domain name.)」というエラーが発生する場合があります。) 上記の手順が完了すると、BitTitan製品による適切なスコープへのアクセスが許可されます。
APIを有効にし、MigrationWizを信頼できるアプリとしてホワイトリストに登録する
- 「セキュリティ(Security)」をクリックします。
- 「APIの制御(API Controls)」をクリックします。
- 「サードパーティ製アプリのアクセスを管理(Manage Third-Party App Access)」をクリックします。
- 「アプリを追加(Configure New App)」をクリックし、「OAuthアプリ名またはクライアントID(OAuth App Name or Client ID)」を選択します。
- OAuth2クライアントIDの「11332117560278332」を入力して、MigrationWiz.comアプリの名前を検索します。
- 検索結果のリストから、MigrationWiz.comアプリを選択します。
- OAuth2クライアントID「11332117560278332」を選択します。
- 「アプリのアクセス(App Acces)」で「信頼できる(Trusted)」:すべての Google サービスにアクセス可能 (Can Access All Google Services)」を選択し、「設定(Configure)」をクリックします。
GoogleのテナントでIMAPが無効になっている場合でも、Google APIを使用することにより、メールボックスを移行することができます。IMAPはセキュリティ上の理由から無効になっていることが多く、MigrationWizではこれまで、このことが移行の妨げになっていました。
Google APIを使用すると、移行のスループットが増加するだけでなく、テナントのセキュリティも向上します。
前提条件
- Google Cloud Platformのサブスクリプション
- Google特権管理者アカウント
- Google Workspaceテナントにサービスアカウントを設定する知識
- サービスアカウントは、MigrationWizプロジェクトを作成する前に設定する必要があります。
ステップ1:Googleプロジェクトを作成する
-
Google Cloud Platform (GCP)コンソールに移動し、特権管理者としてログインします。次のいずれかの方法を選択します。
- Google Cloud Platformコンソールを初めて使用する場合は、利用規約に同意し、「プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。
- 以前にGoogle Cloud Platformコンソールを使用したことがある場合は、画面上部の最近のプロジェクト名の横にある「下へ(Down)」をクリックして、プロジェクトリストを開きます。次に、「新しいプロジェクト(New Project)」をクリックします。
- プロジェクト名を入力し、「作成(Create)」をクリックします。
ステップ2:サービスアカウントのAPIを有効にする
- Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 「APIとサービス(APIs & Services)」 「ライブラリ(Library)」をクリックします。
- 以下のAPIを選択し、「有効にする(Enable)」をクリックして、有効化します。APIごとに操作を繰り返します。
- Google Calendar API
- Gmail API
- Contacts API
- People API
- Admin SDK API
Googleのテナント内で、Gmail、カレンダー、連絡先サービスが有効になっていることを確認してください。ユーザーが利用するサービスを制御する方法については、次のガイドを参照してください。 Google Workspaceユーザー向けにサービスを有効または無効にする。
ステップ3:顧客のテナントでサービスアカウントを作成する
- Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 「IAMと管理(IAM & Admin)」 「サービスアカウント(Service Accounts)」をクリックします。
- 「サービスアカウントを作成(Create Service Account)」をクリックして、名前を入力します。
- 「完了(Done)」をクリックします。
- 新しく作成したサービスアカウントの「3点リーダー」 「キーを作成(Create Key)」をクリックします。
- JSON形式が選択されていることを確認し、「作成(Create)」をクリックします。
- キーは必ずJSONファイルとしてダウンロードし、ファイルの名前と保存場所を書き留めてください。このJSONファイルは、メールボックス移行プロジェクトで移行エンドポイントを設定する際に使用します。
- JSONファイル内の “type”、“private_key”、“client_email” の各フィールドには、情報が記載されている必要があります。これらのフィールドは必須で、空欄になっていると、エンドポイント作成時にファイルのアップロードが成功しません。
- 「閉じる(Close)」をクリックします。
ステップ4:移行のスコープを設定する
- Google Cloud Platformコンソールで、「メニュー(Menu)」 「IAMと管理(IAM & Admin)」 「サービスアカウント(Service Accounts)」をクリックします。
- ステップ3で作成したサービスアカウントを特定します。
- サービスアカウントの「一意のID(Unique ID)」フィールドを特定し、番号をコピーします。この値は、後の手順でクライアントIDとして使用します。
- 「一意のID(Unique ID)」フィールドを表示するには、ビューへの追加が必要になる場合があります。「列表示オプション(Column Display Options)」ボタン()をクリックし、「一意のID(Unique ID)」のチェックボックスをオンにし、「OK」をクリックします。
- クライアントIDは、管理者アカウントのパスワードと同様に、厳重に管理してください。
- Google Workspaceの管理ページ admin.google.com に移動し、「セキュリティ(Security)」 「APIの制御(API Controls)」 「ドメイン全体の委任を管理(Manage Domain Wide Delegation)」をクリックします。
- 「新しく追加(Add New)」 をクリックし、「クライアントID(Client ID)」フィールドに、ステップ3でコピーした「一意のID(Unique ID)」を貼り付けます。
- 「1つまたは複数のAPIスコープ(One or More API Scopes)」フィールドに、以下のすべてのスコープを貼り付けます。
https://mail.google.com/, https://www.google.com/m8/feeds, https://www.googleapis.com/auth/contacts.readonly, https://www.googleapis.com/auth/calendar, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.group, https://www.googleapis.com/auth/admin.directory.user, https://www.googleapis.com/auth/drive, https://sites.google.com/feeds/, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.sharing, https://www.googleapis.com/auth/gmail.settings.basic,https://www.googleapis.com/auth/contacts.other.readonly
- 「承認(Authorize)」をクリックします。
ライセンス
MigrationWizで移行プロジェクトを実行するには、ライセンスが必要です。ライセンスの価格を確認、または購入するには、MSPCompleteまたはMigrationWizダッシュボードの上部にある「購入(Purchase)」ボタンをクリックします。
支払い方法: クレジットカードの他、特定の条件を満たしている場合は、電信送金での支払いも可能です。
- クレジットカードで購入する場合、支払い手続きは即座に行われます。支払いが完了すると、ライセンスがログインアカウントに付与されます。
- 100以上のライセンスを購入する場合は、電信送金を利用することができます。100以上のライセンスを購入すると、決済時に電信送金を利用するオプションが表示されます。電信送金で購入する場合、購買部および銀行で必要となる、電信送金の詳細情報が記された請求書が生成されます。システムによる支払い確認が完了すると、ライセンスがログインアカウントに付与されます。
プロジェクトを作成する
メールボックス移行プロジェクトを作成する
- 「マイ・プロジェクトへ」をクリックします。
- 「プロジェクトを作成(Create Project)」をクリックします。
- 「メールボックス(Mailbox)」移行タイプを選択します。 メールボックスプロジェクトでは、プライマリユーザーのメールボックスのコンテンツを、古い環境から新しい環境に移行します。ほとんどのメールボックス移行で、メール、カレンダー、および連絡先を移行することができます。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「プロジェクト名(Project Name)」を入力し、「顧客(Customer)」を選択します。
- 「次のステップ」をクリックします。
- 「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、移行元エンドポイントを選択します。
重要
エンドポイントが作成されていない場合は、「新規」をクリックし、「新しいエンドポイント(New Endpoint)」ポップアップウィンドウに必要な情報を入力します。
「アプリケーション(クライアント)ID」フィールドと「ディレクトリ(テナント)ID」フィールドは、必ず入力してください。入力しないと、プロジェクトを保存することができません。 - 「エンドポイント(Endpoint)」ドロップダウンメニューから、移行先エンドポイントを選択します。エンドポイントが作成されていない場合は、「新規」をクリックし、「新しいエンドポイント(New Endpoint)」ポップアップウィンドウに必要な情報を入力します。
- 「保存して概要へ移動」をクリックします。
移行先エンドポイントに資格情報が提供され、顧客が「保存して概要へ移動」をクリックすると、MigrationWizはエンドポイントの検証を実行します。
この検証では、プロジェクトに入力された管理者資格情報と先進認証の設定のみが検証されます。問題がある場合は、エンドポイント設定画面にリダイレクトされ、エラー メッセージまたはポップアップが表示されます。クリックすると、エラーに関する詳細情報を表示することができます。
エンドポイント設定時の一般的なエラー
詳細については、Exchange OnlineでのEWSの先進認証におけるMigrationWizの最も一般的なエラー(Most Common Errors Encountered in MigrationWiz while using Modern Authentication for EWS in Exchange Online)の記事の「AADSTS700016」、「AADSTS90002」、および「 ADDSTS50126」の説明を参照してください。
プロジェクトの作成中にGoogle APIエンドポイントを設定する
1.プロジェクトの作成時に、「移行先エンドポイント(Destination Endpoin)」で「新規」をクリックします。
2.「エンドポイントタイプ(Endpoint Type)」ドロップダウンメニューから、「G Suite (Gmail API)」を選択します。
3.「ファイルを選択(Select File)」をクリックします。
4.サービスアカウントの作成時に保存した、Googleのサービスアカウントキーが記載されたJSONファイルを選択します。
5. 管理者ユーザー名を入力します。
6. 「追加(Add)」をクリックします。
アカウント(アイテム)を追加する
次のいずれかのオプションを使用して、移行するアカウント(アイテム)をプロジェクトに追加します。
- メールアドレス(Email Address)
- ログイン名(Login Name)
- パスワード(Password)
- メールボックスのステータス(Mailbox Status)
「一括追加」では、ユーザーの移行元と移行先のメールアドレスが記載されたCSVファイルを使用して、ユーザーをプロジェクトに一括で追加します。テナントから特定のグループのみを移行する場合は、「一括追加」オプションを使用することをお勧めします。
MigrationWizでは、メールボックスをシステムに一括でインポートすることができます。
1つ以上のメールボックスをインポートする方法
- MigrationWizアカウントにサインインします。
- 一括追加を実行するプロジェクトを選択します。
- 「追加(Add)」をクリックします。
- 「一括追加」をクリックします。
- ページの指示に従って、操作を続けてください。 (注意:「アイテムの一括追加」ページに新しいユーザーを追加した後、緑色の「保存(Save)」ボタンをクリックする前に 、下図のように「新しく検出されたすべてのメールボックスを移行する(All newly detected mailboxes will be migrated )」ラジオボタンを選択してください。
MigrationWizの「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」を使用すると、移行元環境からアイテムを検出して、プロジェクトにインポートすることができます。移行しないユーザーは、インポート後にプロジェクトを編集して削除することができます。追加されたすべてのユーザーの「移行元メールアドレス」と「移行先メールアドレス」の両フィールドには、移行元メールアドレスが表示されます。
メールアドレスのドメインを変更するには、プロジェクトページ上部の「ドメイン名の変更(Change domain addresses)」ボタンをクリックします。移行元と移行先のユーザー名が異なる移行の場合は、「一括追加」オプションの使用をお勧めします。
この機能を使用するには、いくつかの要件があります。
- 移行元は、Exchange 2007以降である必要があります。
- 移行元エンドポイントは、管理者資格情報を使用して設定する必要があります。
- メールボックス移行プロジェクトでは、移行元エンドポイントの設定時に指定した管理者アカウントに、メールボックスが関連付けられている必要があります。
- 管理者のメールボックスは、公開されているグローバルアドレス一覧(GAL)に表示されている必要があります。
接続元のIPアドレスを制限する方法はありません。 そのため、IPロックダウンガイドで説明されている手順は、ここでは適用できません。IPアドレスをホワイトリストに登録する必要がある場合は、利用可能な他のオプションを使用して、アイテムをプロジェクトに追加することをお勧めします。
先進認証を使用している場合、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」は使用することができません。
「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」では、次のアイテムを検出します。
- メールボックスの移行では、移行元のすべてのメールボックスが検出され、一覧表示されます。
「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」を実行する手順
-
ユーザーをインポートするプロジェクトに移動します。
-
プロジェクトの移行元エンドポイントが作成されていることを確認します。
-
ページ上部のナビゲーションバーで、「新しいアイテムを追加(Add New Items)」をクリックし、ドロップダウンメニューから、「アイテム自動検出(Autodiscover Items)」を選択し、「自動検出を開始」ボタンをクリックします。 自動検出プロセスが開始します。
-
検出が完了したら、「アイテムをインポート」ボタンをクリックして、アイテムをMigrationWizプロジェクトにインポートします。
「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスの追加
本プロジェクトタイプでは、「ユーザー移行バンドル(User Migration Bundle)」ライセンスを使用することをお勧めします。
-
https://migrationwiz.bittitan.comで、MigrationWizにサインインします。
- サインインして、メールフィールドの上にある「MigrationWiz」ボタンをクリックするか、MSPCompleteページにサインインしてから、「すべての製品(All Products)」ボタンをクリックして、MigrationWizを選択します。
- 左のナビゲーションウィンドウの上部で、ワークグループを選択します。顧客と移行プロジェクトを作成したワークグループを選択してください。対象のプロジェクトが、現在使用中のログインアカウントで作成したものではない場合は、ログインアカウントをワークグループに紐づけ、プロジェクトの共有を有効にする必要があります。
- ライセンスを適用するプロジェクトをクリックします。
- ユーザー移行バンドルライセンスを適用するユーザーのメールアドレスの左にあるチェックボックスをオンにします。
- プロジェクトページの上部にある「移行アクション」ボタン(3本ラインのアイコン)をクリックします。
- 「UMBライセンスの適用(Apply User Migration Bundle License)」をクリックします。
詳細オプション(Advanced Options)
「詳細オプション(Advanced Options)」では、通知、フィルタリング、メンテナンス、ライセンス、パフォーマンス、構成に関する様々なオプションを選択することができます。
「サポートオプション(Support Options)」を使用すると、Powershellやコードブロックを使用して、移行プロジェクトに追加のオプションやリソースを提供することができ、より高度な構成が可能となります。
次のオプションは、本移行シナリオで最も有用なオプションです。
フォルダーマッピング
- 「サポート(Support)」タブ内の「サポートオプション(Support Options)」フィールドに、次のテキストを追加します。
FolderMapping="^INBOX/-"
これを追加することにより、移行先のメールボックスで、フォルダーが「受信トレイ/ラベル名」のような階層ではなく、ルートにマップされるようになります。
デフォルトオプション
プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の「サポート(Support) 」タブ内に表示される、移行元の「クライアントID」および「テナントID」は、表示専用です。そのため、この「サポートオプション(Support Options)」フィールドから編集や削除を行うことはできません。編集するには、「プロジェクトの編集」を行う必要があります。
警告
デフォルトの詳細オプションを更新することはできません。オプションを変更したり、新規に追加しようとすると、次のメッセージが表示されます。
移行を実行する
次のセクションでは、移行の設定および開始方法について説明します。各見出しは1つの手順を示しており、本文内で具体的な手順を説明しています。以下の手順を順番に実行してください。依存関係やベストプラクティスに関する重要な情報については、「注」を参照してください。
「資格情報の検証(Verify Credentials)」を実行する
- 検証するアイテムを含むプロジェクトを開きます。
- 検証するアイテムを選択します。
- ダッシュボードの「移行を開始」ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストから、「資格情報の検証(Verify Credentials)」を選択します。
- 検証が完了すると、検証結果が「ステータス(Status)」セクションに表示されます。
ユーザーに通知する
移行の開始を知らせる最終通知メールを送信します。通知メールには、移行の開始時期、移行にかかる時間(期間)、移行中の取り扱い方法、移行後に必要な手順やその他の通知事項を記載します。
前段階移行(Pre-Stage Migration)サイクル
- ユーザーを選択します。
- 上部の「移行を開始」ボタンをクリックし、「前段階移行(Pre-Stage Migration)」を選択します。
- 「自動応答(Automatic Replies)」ボックスのチェックを外します (このオプションは今後、前段階移行(Pre-Stage Migration)サイクルから削除される予定です)。
- 「移行のスケジューリング」セクションのドロップダウンリストから、「90日前(90 Days Ago)」を選択します。
- 「移行を開始」をクリックします。
MXレコードカットオーバー
前段階移行(Pre-Stage Migration)サイクルが完了したら、DNSプロバイダーのポータルで、MXレコードを切り替えます。その際に、「自動検出(AutoDiscover)」(CName)の設定も行います。プロジェクトの規模によって、この設定にはいくつかのオプションがあります。
メールの併用が必要な場合
メールの併用(coexistence)が必要な場合は、移行リスト内の必要なユーザーアカウントに対してメール転送の設定をする必要があります。詳細については、Googleのドキュメントを参照してください。
「完全(差分)移行(Full (Delta) Migration)」サイクルを実行する
- ユーザーを選択します。ユーザーを個別に選択するか、上部の「移行元メールアドレス」の左にあるチェックボックスをクリックして、プロジェクト内のすべてのユーザーを選択します。
- 上部の「移行を開始」ボタンをクリックします。
- 「完全移行(Full Migration)」を選択します。移行を後日開始するように設定する場合は、「移行のスケジューリング」フィールドで、「移行の自動開始スケジュール(Automatically start the migration at)」のチェックボックスをオンにして、移行を開始する日時を入力します。移行をすぐに開始する場合は、スケジュールを設定する必要はありません。
重要
「自動応答(Automatic Replies )」は、ユーザーの最終移行サイクルでのみ移行することをお勧めします。 - 「移行を開始」をクリックします。
「エラーの再試行(Retry Errors)」を実行する
移行されなかったアイテムは、エラーとしてログに記録されています。MigrationWizには、移行に失敗したアイテムを再移行する「エラーの再試行(Retry Errors)」モードが実装されています。このモードは、無料で使用することができます。メールボックス移行で「エラーの再試行(Retry Errors)」モードを使用するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 直前の移行が正常に完了した。
- メールボックスに1つ以上のエラーが含まれている。
メールボックスが上記の条件を満たしていない場合は、「エラーの再試行(Retry Errors)」モードで移行を実行しようとしても、警告が表示され、移行を開始することはできません。
1つ以上のメールボックスを「エラーの再試行(Retry Errors)」モードで移行するには、次の手順を実行します。
- 「マイ・プロジェクトへ」ボタンをクリックします。
- 再試行するメールボックスを含むプロジェクトを選択します。
- 移行エラーがあるメールボックスを選択します。
- 「移行を開始」ボタンをクリックします。
- メニューから、「エラーの再試行(Retry Errors)」を選択します。
- 「エラーを再試行する」ボタンをクリックします。
エラーは、修復されるとエラーログから消去されます。移行元アイテムが(フィルターなどにより)再処理されなかった場合や、削除または移動された場合、あるいは再び移行に失敗した場合は、エラーが消えないことがあります。
このような場合は、表示された情報に従って操作を行ってください。問題が解決しない場合は、サポートにお問い合わせください。
MigrationWizダッシュボードの「棒グラフアイコン」をクリックすると、プロジェクトのすべての移行統計情報をメールで受信することができます。