TeamsからTeams への移行(新)
この ドキュメントはエンド ツー エンドの移行ガイドです。MigrationWiz を 使用 して Office 365の Teams から Teamsへの移行 を実行する新しい方法について説明しています 。MigrationWiz は チーム、チャネル、投稿、権限、ファイルの移行をサポートします。
本ガイドの後半は既存のTeamsからTeams(既存)への移行ガイドです(訳注:日本語ガイドには含まれておりません)。進行中のTeamsからTeams への移行がある場合、「TeamsからTeams(既存)ガイド」の手順に従ってください。新しくTeamsの移行プロセスを開始しようとしている場合は、TeamsからTeams(新)ガイドと並列移行用エンドポイントを利用することをお勧めします。
移行できるデータ
MigrationWizはTeams内のほとんどのデータを移行できますが、いくつかの制限があります。移行されるアイテム、移行されないアイテム、および制限事項や考慮が必要な内容については以下の一覧を参照してください。
移行できるアイテム | 移行されないアイテム |
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MigrationWizは、コラボレーション移行において、SharePointのドキュメントのみ移行をサポートしています。他のストレージポイントからの移行はサポートされていません。
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プライベートチャネルに関する注意点
MigrationWizは、デフォルトではTeams内のプライベートチャネルを移行しません。プライベートチャネルを移行する場合は、プロジェクトの「詳細オプション(Advanced Options)」の「サポート(Support)」セクション内に、次の行を追加してください。 TeamsMigratePrivateChannel=1 ユーザーは移行先のプライベートチャネルに追加されませんので、ご注意ください。ユーザーを追加するにはプライベートチャネルの移行後に手動で行う必要があります。
マイクロソフトの制限により、GCC Highテナントのプライベートチャネルは移行されません。
ゲストユーザーの移行
移行以前に、移行先にゲストユーザーが存在し、移行先テナントでゲスト権限が有効になっている場合に限り、移行元のゲストユーザーが移行されます。事前設定は、TeamsまたはOffice 365管理ポータルにて行ってください。
その他の制限
1.投稿
投稿履歴(Conversation History)は、移行先のタブには移行されません。代わりに、投稿履歴(Conversation History)のHTMLファイルへのリンクを含むメッセージがチャネルに投稿されます。 Microsoftシステムの制限により、画像は投稿の一部として移行されません。画像は投稿履歴(Conversation History)のHTMLファイルには表示されます。
2.Teams for Educationの移行
MigrationWizは、Teams for Educationのインスタンスにおいては、チーム、チャネル、ドキュメント、メッセージのみを移行します。MigrationWizは、Teams for Education固有の多くの機能を移行しません。詳細については、サポートにお問い合わせください。
3.GoDaddy
GoDaddyの接続制限により、移行元もしくは移行先がGoDaddyの場合、本移行タイプはサポートされていません。
ライセンス
MigrationWizを使用してOffice 365からMicrosoft Teamsを移行する際は、コラボレーション移行ライセンスが必要です。
- 1つのコラボレーションライセンスで、チーム当たり、1ライセンスごとに100GBまでのデータを移行できます。
- チーム当たり100GBを超えるデータを移行する場合は、移行するデータ量に応じて、必要な数のライセンスを購入してください。例えば、6つのチームがあり、そのうち2つのチームに200GBのデータがある場合、8つのライセンスを購入する必要があります。
- コラボレーションライセンスは1つのチームごとに適用され、有効期限は購入日から12か月です。
前提条件
Teams移行において、アプリケーションによるアクセス認証が承認されているかを確認します。
- 移行元と移行先の両方にTeams-FullControlAppを使用します。この認証方法の詳細については、「 Teams移行でのアプリケーションによるアクセス認証」を参照してください。
- この移行シナリオでは、UseApplicationPermission=1 はデフォルト設定となり、「詳細オプション(Advanced Options)」を追記する必要はありません。
まだMigrationWizアカウントを作成していない場合は作成し、 MigrationWizにログインしてください。
新規プロジェクトの作成
- 「プロジェクト(Projects)」から 「プロジェクトの作成(Create Project)」を選択します。
- 「コラボレーションプロジェクト(Collaboration Project)」選択します。
- プロジェクト情報を更新します。 プロジェクト名を追加し、ドロップダウンから「顧客(Customer)」を選択して、「次のステップ(Next Step)」をクリックします。
- ドロップダウンから「Microsoft Teams Parallel(Source(移行元))」を選択して、移行元エンドポイントを作成します。Parallelが選択されていることを確認します。(旧)Microsoft Teamsエンドポイントを選択すると移行は失敗します。
- Office 365の資格情報(MigrationWizセキュリティグループ内に作成したOffice 365管理者アカウントのユーザー名とパスワード)を入力し、「 追加(Add)」をクリックします。
- 次に、移行先のエンドポイントをの作成に移ります。エンドポイント名を入力し、エンドポイントタイプのドロップダウンから「Microsoft Teams Parallel(Destination(移行先))」を選択して、移行先エンドポイントを作成します。Parallelが選択されていることを確認します。(旧)Microsoft Teamsエンドポイントを選択すると移行は失敗します。
- Office 365の資格情報を入力します。MigrationWizセキュリティグループ内で作成した管理者アカウントのユーザー名とパスワードを入力してください。認証情報を入力したら、「追加(Add)」 クリックします。
- 任意:5GBを超える移行の場合は、Microsoft提供のAzureストレージ/カスタムAzureストレージを追加することをお勧めします。
- Azure環境を準備します。 Microsoft提供のAzureストレージを使用する場合は、本セクションの手順を省略することができます。
- Azureストレージのコストを見積もります。本ステップは任意ですが、顧客に事前にストレージのコストを提供する際に有用です。詳細については、「移行のためのAzureストレージのコストを算出する」を参照してください。
- Azureサブスクリプションを購入します。1か月無料の試用版を使用することもできますが、移行できるデータが少量となりますので、ご注意ください。
- ストレージアカウントを作成するには、「Azureストレージアカウントを作成するには?」を参照してください。Blob Storageではなく、「STORAGE(汎用v1またはv2)」アカウントを作成してください。ストレージアカウント名とプライマリアクセスキーを書き留めます。(Azure内のストレージ画面で、下部にある「アクセスキーの管理(Manage Access Keys)」をクリックします。) これらの情報は、MigrationWizの移行プロジェクトの移行先設定の際に必要となります。移行先のOffice 365テナントと同じMicrosoftデータセンターに、Azureストレージアカウントを作成することをお勧めします。移行のためにAzureコンテナーを作成する必要はありません。
- 必要なアクセスキー情報は、次のとおりです。
- -accesskey ー Blobのストレージアカウント名です。(例: accountname)
- -secretkey ー ストレージアカウントのアクセスキーです。(例:”W1RrDfkPNkfYfdVqizMNJjn5mXchwMP5uYBY8MsMqWTA7EubG911+4fZlki0Gag==”)
- 完了したら、 「保存して概要へ移動(Save and Go to Summary)」をクリックします。
- 移行元と移行先の両方のエンドポイントタイプが「Teams(Parallel)」であることを確認します。どちらかが異なるエンドポイントタイプの場合の移行はサポートされていません。
- 次のステップでは、資格情報の入力が必須です 。すべての必須フィールドに入力されていることを確認し、「更新(Update)」ボタンをアクティブにします。上記すべての手順が完了したら、ボタンをクリックしてください。
チームの追加
チームを移行プロジェクトに追加する方法は3つあります。以下の方法のいずれか、または双方を使用できます。オプションを確認してから、プロセスを開始してください。自動検出(Autodiscover)プロセスで、移行するすべてのチームを検出した後、「クイック追加(Quick Add)」または「一括追加(Bulk Add)」を選択します。一般的にクイック追加は、小規模な移行、概念実証(POC)の移行、およびその他のテストに使用され、一括追加は大規模な移行および完全移行サイクルに使用されます。
自動検出(Autodiscover)
- MigrationWizプロジェクトページで、「追加(Add)」のドロップダウンをクリックし、「アイテムの自動検出(Autodiscover Items)」をクリックします。
- 「自動検出の開始(Start Autodiscover)」をクリックします。
- 「アイテムの検出(Discover Items)」をクリックします。 MigrationWizは、移行元のチームを検出します。 認証/資格情報の検証が成功すると、検出ステータスに「 完了(Completed)」と表示されますが 、失敗するとエラーメッセージが表示されます。
- CSVをダウンロードするには、「CSVのダウンロード(Download CSV)」アイコンをクリックします。これにより、移行元で検出されたすべてのチームを含むCSVファイルが生成されます。このCSVファイルは「一括追加(Bulk Add)」でアップロードできます。
- 「アイテムのインポート(Import Items)」をクリックします。移行元で検出されたチームが、ラインアイテムとしてプロジェクトに追加されます。デフォルトでは、移行先のチームのMailNickNameは移行元のチームのMailNickNameと同じものが設定されます。
クイック追加(Quick Add)
このオプションは一般的に小規模な移行、概念実証(POC)の移行、およびその他のテストに使用されます。CSVでの管理をすることなく、特定のチームを移行できます。
- 「追加(Add)」をクリックします。
- 「アイテムをクイック追加する(Quick Add Item)」選択します。
これにより、特定のチームを移行元のチームのMailNickNameに基づいて追加することができます。例: 「TeamAwesome」。チームの名前を変えたい場合など、移行先でのマッピングを設定できます。例えば、移行元の「TeamAwesome」を移行先の同じ「TeamAwesome」にマップすることもできますし、違うチーム「TeamFantastic」にマップする事もできます。
「TeamFantastic」が移行先にある場合、「TeamAwesome」チームの中身を移行先の「TeamFantastic」にマージします 。移行先に「TeamFantastic」チームがない場合は、移行先に「TeamFantastic」が新規に作成され、移行元の「TeamAwesome」チームのデータが移行先の「TeamFantastic」チームに移行されます。
一括追加(Bulk Add)
CSVテンプレートファイルを使用し、一括追加(Bulk Add)機能を使用して、チームをプロジェクトに追加することもできます。 このオプションは多数のチームを新しい移行先にマッピングしたり、大規模な移行を行う場合に適しています。以前は手動で行う必要がありましたが、Parallel移行機能アップデートにより、ユーザーインターフェイス内で行えます。
- プロジェクトダッシュボードで、「追加(Add)」をクリックします。
- 「一括追加(Bulk Add)」を選択します。
- 自動検出プロセスで見つかったCSVをアップロードする手順がインターフェイス内で分かりやすく表示されます。アップロード後に列を編集することで、チーム名またはマッピングを変更できます。
移行の開始
チェックボックスを使用して、移行するチームを選択します。
- 複数のアイテムを移行する前に、1度「資格情報の検証(Verify Credentials)」を実行する必要があります。
2. 「開始(Start)」ドロップダウンをクリックし、「完全移行(Full Migration)」を選択します。その後、表示されるウィンドウで、この移行サイクルで移行するデータを選択できます。
3.「チームの設定(Setting Up Teams)」を選択し、デフォルトで選択されていない場合は、「チームの作成(Teams Creation)」を選択します。
4.「移行を開始(Start Migration)」をクリックします。 このサイクルは移行先にチームを作成します。 チームの作成プロセスが正常に完了した後、データの最終処理が終わるまでに数時間かかります。
5.データ移行のため、「完全移行(Full Migration)」プロセスを繰り返します。手順1を繰り返しますが、今回は「データの移行(Migrate Data)」を選択します。オプションは自動的に選択されます。すべてのデータのオプションが選択されていることを確認し、「移行の開始(Start Migration) 」をクリックします。 チームのメンバー権限、ドキュメント、投稿、ドキュメント権限は、一度に30チームずつ、すべて同時に移行されます。
6.各チームの「ステータス(Status)」列を確認し、正しく移行が進行しているかを確認します。チームが正しく移行されていない場合は、資格情報を確認し、必要に応じて新たな完全サイクルを実行してください 。
7.ユーザーマッピング: デフォルトでは、ユーザープリンシパル名(UPN)のプレフィックスに基づいて、移行元から移行先に対して、ユーザー照合が行われます。例えば、ユーザープリンシパル名(UPN)が「name@domain.com」の場合、「name」の部分が照合されます。移行先に同じプレフィックスを持つユーザーが複数いる場合 (例:name@domain1.comとname@domain2.com)や、特定のユーザーのプレフィックスを移行先で変更する場合 (例:name@source.com→name.full@destination.com)は、「詳細オプション(Advanced Options)」のサポートオプション(Support Options)に UserMapping="name@source.com->full.name@destination.com" を追記して、各ユーザーに新しい名前、または正しい名前を設定する必要があります。このオプションの詳細については、「 サポートオプションをプロジェクトや単一のアイテムに追加するには? 」を参照してください。
- 注: UserMapping コマンドは、「サポートオプション(Support Options)」セクション内に追記し、マッピングが必要なユーザーごとに1行を追記する必要があります。「+」をクリックして、行を追加します。上記の例として記載されているユーザープリンシパル名(UPN)アドレスを、実際にマッピングするユーザープリンシパル名(UPN)アドレスに置き換えて追記してください。
特殊な移行
名前に特殊文字が含まれるチームの移行
チーム名に絵文字などの特殊文字が含まれていると、生成されたCSVファイルをExcelで開くことができない場合があります。以下の手順に従うことで、特殊文字が含まれたCSVファイルをインポートできる場合があります。
- Excelを開き「データ」→ 「外部データのインポート」→ 「データのインポート」で、データをインポートします。
- 「csv」のファイルタイプを選択し、ファイルを参照します。
- Excelのインポートウィザードで、元のファイルを「65001: Unicode (UTF-8)」に変更します。(または、正しい言語のエンコーディングを選択します)。
- 区切り記号をカンマに変更します。
- CSVをインポートする場所を選択し、「完了(Finish)」をクリックします。
- 注:上記の手順は、ほとんどのバージョンのExcelで機能しますが、一部のバージョンではCSVファイルを開くことができない場合もあります。
- 「完全移行の開始(Start Full Migration)」をクリックします。
- 移行が完了したら、移行先テナントでユーザーが所属するチームとチャネルが表示されているかを確認します。
- MigrationWizダッシュボードの「棒グラフアイコン」をクリックすると、プロジェクトの移行統計情報をメールで受信することができます。
米国政府のテナントを使用した移行
米国政府のテナントへの、または米国政府のテナントからの移行。米国政府のテナントは、MigrationWizから接続するために特別なコマンドを必要とします。以下のオプションを使用せずに移行を実行すると、ログインエラーが発生します。
- 「プロジェクトの編集(Edit Project)」をクリックします。
- 「詳細オプション(Advanced Options)」をクリックします。
- 「サポートオプション(Support Options)」で、特定の移行シナリオに応じて、次のコマンドのいずれか1つまたは両方を追加します。
- 米国政府のテナントから移行する場合は、次のコマンドを追加します: OneDriveProExportEnvironment=AzureUSGovernment
- 米国政府のテナントへ移行する場合は、次のコマンドを追加します: OneDriveProImportEnvironment=AzureUSGovernment
米国政府のテナントの固有の制限
- 投稿履歴(Conversation History)は、移行先のタブには移行されません。代わりに、投稿履歴(Conversation History)のHTMLファイルへのリンクを含むメッセージがチャネルに投稿されます。
- Microsoftシステムの制限により、画像は投稿の一部として移行されません。画像は投稿履歴(Conversation History)のHTMLファイルには表示されます。
エラーの解決
多様なエラーが発生するため、移行エラーが発生した場合は、 コラボレーションエラーリスト(Collaboration error list)を参照し、解決策(Resolution)に記載されている手順に従ってください。
移行が正常に完了したにもかかわらず、Teamsの移行先に表示されないチームメンバーがいる場合、ユーザーの同期に時間がかかっている可能性があります。
これは、1つのチームに多数のユーザーが所属している場合に発生することがあります。Office 365管理ポータルにログインし、移行されたグループ(チーム)に移動し、メンバーリストを表示して、想定と同じ数のメンバーが移行されているかどうかを確認することで、すべてのユーザーが移行されたことを確認することができます。 ユーザーは、数時間以内にTeamsインターフェイスに同期されます。
移行後の操作
移行が完了したら、移行用に作成されたOffice 365ユーザーアカウントとMigrationWizセキュリティグループを削除します。
Azure認証アプリも削除する必要があります。
- 移行が完了したら、移行用に作成されたOffice 365ユーザーアカウントとMigrationWizセキュリティグループを削除します。 また、次の手順を実行してAzure認証アプリを削除する必要があります。
- PowerShellを起動します。
- PowerShellをOffice 365に接続します。
- 次のコマンドを入力します:Connect-AzureAD
- プロンプトに管理者資格情報を入力します。
- 次のコマンドを入力します:Get-AzureADServicePrincipal -SearchString Migration
- 削除するアプリケーションのオブジェクトIDを探し、次のコマンドを入力します。Remove-AzureADServicePrincipal -objectId <オブジェクトID>